生活の質を変える~うつ病と診断されてからとこれから

うつ病

出典:Photo by Ivan Zhukevich on Unsplash

うつ病の他に、別の病気が見つかったことで意識した、生活習慣の改善。起きることができない、何もやる気がおきないなど、長く続いた「もう何もしたくない」という思いから「次はこんなことをやってみたい」となるまでの話です。

事業所に通うのもおっくうだった

最初にうつ病と診断されて、6年が経ちました。その間に自分で治療や服薬をやめたりしてしまい、自暴自棄になった時期もありました。うつ病の再発が分かり、治療を再開してからも、よくなる気配がありませんでした。

就労移行支援事業所に通うと決めたものの、朝はだるくて起きられず、布団の中で過ごす毎日。夜は夜で眠りにつけず、中途覚醒を繰り返していました。「自分の体はどうなってしまったんだろう」そんな風に思いながら、毎日を過ごしていました。

その間も、就職しては失敗を繰り返し、食べられなかった反動から、次は暴飲暴食を繰り返しました。「このままの生活が続いたら、死んでしまうかもしれない」そう思ったのを覚えています。

ある日、心療内科でおこなった血液検査で、現実を突きつけられました。検査の結果が思ったより悪く、さらに血圧も高かったのです。「このままではさらに悪くなる一方ですよ」との医師の言葉に、また気分は落ち込んだものでした。「これから自分はどうしたらいいのか、残された家族はどうなるのか」まずはそのことが頭によぎりました。

体の不自由な両親と、妹たち、そしてペット。家族は「私がいなくなったらどう思うかな」と一度考えることにしました。不思議なことに「どうなってもいいや」と自暴自棄になっていた私が、その時は一度立ち止まって冷静に考えられるようになっていました。「今までの恩を返さずにいなくなってもいいのか」自問自答したのです。

自分の健康=家族の安心

私は家族5人と同居しており、今は妹が働きに出て家計を支えてくれています。以前は私も働けていたのですが、退職してからずっと働けていません。そんな私にも、家族は否定することもせず、いつも通りに接してくれていました。それをとても申し訳なく思っていました。「今、行動を起こさないとずっと迷惑をかけることになる」生活のために、というのもそうですが「自分や家族のために就職をしなければ」と決意しました。

一度、母に言われたことがあります。

「あなたが元気ないと、みんなが心配するんだよ」

自分の中で、考えが変わるきっかけでもありました。この言葉は深く胸に刺さり、今も残っています。

まずは何をしたか

まず最初に、生活習慣の改善から取り組む事にしました。体調を整えるために、血圧を下げる、血液検査で悪かったところを改善する、と決めました。

食事制限に運動。さっそく始めてみようと思うのですが、今までできていなかったことを新たに始めるのはかなりおっくうです。なので、運動はまず5分でできる、簡単なものから始めました。これは自分の家にある階段で上り下りをする運動です。5分ができたら、次は10分、15分と増やしていき、最終的には30分まで続くようになりました。毎日やるのはハードルが高いので1日休む日を設け、なんとか続けました。

食事も、今まではあるものをあるだけ食べていたのですが、これも控えるようになりました。軽く糖質を制限し、量を控えるようになりました。食欲が爆発しそうなときは我慢せず、少しだけおやつを食べる。少し自分を甘やかしながら体質を改善していきました。

次に、朝起きた時のルーティンを決めました。何時でもいいから、起きた時に血圧を測る、と決め実行にうつす。しばらくは起きる時間が定まらず、バラバラになっていた起床時間も、だんだんと定まるようになっていきました。そうしたら次は「朝ごはんを作ってみよう」と思い立ち、それも実行できるようになりました。そのころから体調も安定し始め、何となくですが意欲もわいてくるようになったのです。

通えていなかった就労移行支援事所に「今日は行けるかも」という気持ちになって、少しづつ通えるようになると自信がつき始めました。成功体験の積み重ねを実感しだしたのもこのころです。今では朝早くに起き、お弁当を作り、朝食を作って食べるというルーティンができあがりました。お弁当は母や妹にも作り、美味しかったといってもらえることで、また自信になり、成功体験として積み重なっていきました。

ルーティンがそんなに苦ではなくなってきたころには、血圧も下がり、体質や体調もだいぶ変わってきたように思います。「少し休みたいな」という日も多少はありますが、最初に自分で決めたことをやり通すために、今でも続けています。

まず目標を決める

最初は「どうなってもいい」という思いだった私が、周りのサポートのおかげで、立ち直ることができました。まず、どうなりたいかという目標を決めたのがよかったのかも知れません。

まずは「自分のことをいたわらないといけない」それと「家族のために元気でいなければいけない」その2つが大きかったです。本当に小さな、自分にできることから始め、小さな成功体験を積むことが、自分の自信につながっていきました。

できなくなったことが多くて落ち込んでいましたが、そう考えるのではなく「まだまだできることはあるんだ」と考えを変えるようにしました。何かひとつでもできたら自分をほめてあげる。たまには思いっきり自分を甘やかしながら、自分の健康=家族の安心という風に考え、さらに生活の質を上げていけたらと思います。

おわりに

うつ病と付き合いながら、今日まで6年かかりました。今ようやく再出発のスタートラインに立っています。まだ薬とは付き合っていかなければならないし、体調も悪くなる日もあると思います。そこで無理をするのではなく、自分がこれからどうありたいのかを考え、休める時にきちんと休み、さらにできることを増やして成功体験を積めるように、精進したいと思います。

耀

耀

宝塚歌劇やサブカルが大好き。現在は就労移行支援事業所に通い、就職を目指しています。趣味は観劇と飼い猫を愛でることです。

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