就労移行支援を利用して~私たちは一人じゃない
仕事 暮らし出典:Photo by Rock Staar on Unsplash
私は発達障害を持っており、現在は仕事をしていない状態です。退職するまで会社に障害を隠して仕事をしていましたが、ミスの多さや作業に時間がかかるなどで怒られることが多く、今年の1月に退職しました。
今までは一般の就職サイトを使って就職をしていましたが、障害の診断を受けて退職してからは、障害のある人に特化した転職サイトを探していました。そのとき「就労移行支援」について初めて知ったのです。
就労移行支援の概要
「就労移行支援」とは障害のある方が就職に向けて働くための知識やスキル、障害への理解などを学べ、就職が出来た後も安定して仕事ができるようにサポートしてくれるサービスです。実際に障害者求人の紹介や、面接対策、履歴書などの応募書類の添削もしてもらえます。「働けるかどうか不安」といった相談はもちろん、様々な不安の相談にものってもらえます。
私が就労移行支援に登録した目的は「これからは障害をオープンにして、理解がある職場で働きたい」「ゆっくり障害特性について理解し、丁寧に仕事を選びたい」というものです。
この2つを叶えるため、支援所内での作業訓練や実際に会社にいっての実習をうけたりしてきました。
支援所内での作業訓練
私が就労移行支援に入所したときは、まだ自分の障害を理解できていませんでした。そのため、まずは支援所内で作業訓練をおこない、特性について確認していくことになりました。
訓練内容は「ピッキング、陳列」「衣服のハンガーかけ、折り畳み」「ビーズの袋詰め」「ハサミやカッターを使用した作業」などです。
「ピッキング、陳列」では、職員さんの指示に従って作業をしていきますが、指示内容と私が理解した内容が違い、コミュニケーションの相違が発生していました。そこで指示されたら間違えないように、すぐ復唱する必要があると気がついたのです。
「衣服のハンガーかけ、折り畳み」は衣服をハンガーに掛けるとき、初めは掛けづらいと思いました。しかし職員さんに「衣服を机に置いて掛けるとやりやすいかも」とアドバイスをいただき、その通りにやってみると掛けやすくなりました。折り畳みも最初は難しかったです。綺麗に仕上げるために、畳む位置に自分で基準をつくったりして(この服は2つ目のボタンの位置で畳もうなどという基準)ゆっくりと作業をしました。すると1回目より綺麗に畳むことができたのです。
「ビーズの袋詰め」は、10色以上のビーズを見本通りに袋詰めしていきます。色がたくさんあって覚えづらかったので、自分で「この茶色はチョコレート色」など名前を付けると覚えやすくなりました。
このように工夫をすることで、質や効率を向上させることができ、私自身の弱点も職員さんからフィードバックをもらえきました。
企業実習
支援所内での訓練のほか、実際の会社での実習もありました。実習時間も、支援所の訓練時間より長くなり自分の体力も確かめることができます。
私がおこなった実習の種類は「事務作業」「ピッキングの作業」と「企業実習」です。この3つで実際に作業をするというのが初めてなので、私は「どういうことができ」て「どういうことが苦手か」と自己分析できました。
例えば「伴行業務になると片方の作業が抜けてしまう」「ゆっくりしたペースだと作業を理解できる」「文章を書くときに長い文になってしまう」などに気がつくことができました。休憩の仕方など、体調管理の訓練もおこなうことができて有意義に過ごせます。
私は、このように就労移行支援で訓練をおこなってきました。
最後に
私のように障害のある人が1人で就職活動をするのは 難しいことがあります。
例えば、自己分析や業界研究をしたりとやらないといけないことがたくさんあります。それをフォローしてくれるのが就労支援です。
また、就職活動で不安な履歴書や、職務経歴書などの準備も職員さんがいると安心です。不安なことがあっても優しく相談にのってもらえます。障害者枠の求人を一緒に探してもらうこともできます。
私も支援所内の訓練や実習を通じて、自分を知ることができ、転職活動に活かすことができています。決してみなさんも1人で悩まずに就労移行支援を利用して、安心した気持ちで就職活動を進めていってください。
参考文献
【障害者の就労支援対策の状況ー厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp