いいストレスと悪いストレス~ストレスを味方にして行動の活性化につなげよう
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例えば「就労全般」の嫌なイメージから、就職の前段階の面接にもいけないなどです。
今回こういった、先送り、逃避、無気力に対して自分なりに考えてみました。そこで見つけた、ストレスを原動力にすることで「行動を起こすハードル」を緩やかに下げる方法を紹介します。
ストレスとは……
ストレスと聞いて「いいイメージ」を抱く人は少ないと思います。
そもそも、ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
一般にうれしいと思われるような出来事もストレスになりえます。
個人での受け取り方の違いによってストレスの反応も異なってきます。例えば「リーダーに選ばれる」というようなことでも、受け手の受け取り方次第では悪いストレスにもなりえます。
そのため、ストレスには「いいストレス」と「悪いストレス」が存在するのです。
いい、悪い、グレーなストレスの具体例
では、どういったものが「いいストレス」や「悪いストレス」に分けられるのでしょうか。
いいストレス(適度な刺激)
入浴・シャワー、熟睡・快眠、仕事、いい食事・軽い飲酒 、成功・達成感・充足感
悪いストレス(過度な刺激)
厳寒酷暑、不眠、過食、失敗
どちらにもなり得るストレス
運動、ノルマ、脂質酸化物
以上のものが「いいストレス」と「悪いストレス」としてあげられます。
悪いストレスをいいストレスに変える
私が実際に試したところ、ハードルが下がったと感じられたものを挙げてみたいと思います。
例、期限
「いつまでに~をしなければならない」という課題に対して「もっと効率的なやり方があるのかもしれない」「最適な方法が分かるまで保留とする」「面倒だから明日する」など、ずるずると、堂々巡りのぐるぐる思考に陥ります。
そして、行動を先送りにして、視野が狭くなり、いつしか忘れ果ててしまい、自ら墓穴を掘るような状況を作り出してしまいます。最終的には、無気力状態に陥っていくという流れがあります。
何もする気がないからと、何もしないで過ごしていると、さらにやる気が起きなくなる、という負の循環に入ってしまう状態です。
このようなときには、プレッシャーを小目標に砕きます。「どのくらいできたか?」という成果主義よりも「ちょっとだけ手をつける」着手主義で行動を起こすハードルを下げます。こうして、とにかく取り組む姿勢をつくり、行動できたことに対して自分なりに評価するとうまくいきます。
例、見通しの立たない作業
やったこともないような業務を「いつまでに」と期限つきで迫られることも大変なストレスであり、プレッシャーです。
業務に直接アプローチする形にはなりませんが、コーピングとの組み合わせによる外堀から埋めていくようなアプローチです。休みの日に日常の反復と惰性から抜け出して、適度な刺激を受けることで、鬱屈を軽減するという方法です。つまり、普段はやらないことをするのです。
自分から自主的に動いて普段の生活圏内から脱出して、通常は通らない場所を通る。いつもは作らないレシピに挑戦する。という些細なことから始めて、やったことのないことに慣れていくようにします。
そして、見通しの立たない作業に対して行動に移すまでのハードルの高さ、嫌々押し付けられるような抵抗感、プレッシャーなどを下げていき、結果として自分から自主的に動くことへのハードルを緩やかに下げていきます。これは長い目で見れば視野の拡大にもつながりました。
例、本
本は手に入れたとき、手放すときが一番よく内容を吸収できます。
なかなか手がつかなかったりする場合は、いっそ手放す期限を自分で定め、期限という刺激に合わせて読み進めていくようなやり方です。
日常に変化や驚きがなく漠然と過ごしてしまい過ぎると、視野や価値観が狭くなって不満を溜め込んでしまいます。
新しい価値観やちょっとした驚きの刺激が、日常の漠然としたストレスの発散につながることもあります。
今、まさに
まさに今このコラムを書いているときにも、一度に全部書こうとするのではなく、箇条書きの小目標に砕いて取り組んでいくことで、行動のハードルを下げつつ書き進めています。摩擦が無いと物もつかめない。触れられない……。
どうしたってストレスは無くすことはできません。
適切な刺激、ストレスとの付き合いを自分なりに発見し、適度な緊張状態を維持するものとして活用して、行動の活性化につなげていきましょう。
参考文献
【みんなのメンタルヘルス】https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
【『いいストレスと悪いストレス』 二木 鋭雄著 日本薬理学雑誌 2007 年 129 巻 2 号 76-79p】
https://www.jstage.jst.go.jp
【みんなのメンタルヘルス】
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/