個性と障害特性~自然体で生きるために
暮らし出典:Photo by Pagie Page on Unsplash
このコラムを読んでくれる方は、発達障害を持つ方が多いと思います。自身の発達障害と向き合っていく中で、様々な苦労を経験しているかもしれません。
障害特性への自己理解と訓練。周囲の人間との違いや比較。漠然とした将来への不安。苦労の形は人によって様々だと思います。
そんな苦労をしている方へ、少しでも励みになれればと思い今回のコラムを書きました。
私の特性
私の診断名は「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「双極性障害」の2つです。特性は「過集中」「疲労鈍麻」「ケアレスミス」が多いことがあげられます。
また、日常や職場で「周囲の期待に対して、完璧に応えなければならない」という自動思考が強く働いてしまうこともあります。その思考により、仕事を頑張り過ぎてしまう、本来の自分の能力を発揮できなくなることさえあります。現在はこれらの特性に向き合い訓練しています。
誰もがそれぞれの土俵で、それぞれの方法で、それぞれの目標のために自身の特性と向き合っていると思います。大事なことです。
社会で健やかに生活していくには、とても大事なことです。
それでは次に私の「個性」の話をします。ここでいう個性とは発達障害に基づく特性ではなく、その人「らしさ」と考えています。
私の個性
では、私の個性をジャンルごとに紹介します。
「見た目」
清潔感がある、実年齢より若々しく見える、猫背、目にやる気が感じられない
「性格」
思いやりがある、真面目、素直、感受性が強い、天邪鬼、ズボラ
「会話」
聞き上手、ユーモアがある、早口、活舌がよくない
「仕事」
誠実に取り組める、斬新なアイディアが出る、出勤前は気分が沈む
「趣味」
漫画が好き、ロック音楽への造詣が深い、作曲ができる、こだわりが強い
ジャンルごとにポジティブな個性と、ネガティブな個性があります。みなさんはどんな特性や個性を持っていますか?
今まで出会った特性と個性
私は今までに色んな発達障害者と出会いました。
会話が苦手な人。絶えず喋り続けている人。じっとしていることができない人。特性は色々です。
優しい人。責任感が強い人。朝が弱い人。個性も色々です。
特性も個性もバラエティー豊富で人それぞれですが、みなさんは個性について考えたことはありますか?
個性をどう捉えるか
誰もが色々な個性を持っていると思います。その個性の中にはポジティブなものとネガティブなものがあると思います。それらを仮に「グッド個性」「バッド個性」と名付けましょう。私のバッド個性の代表は活舌がよくない、ということでしょうか。
しかし、それが原因で大きな問題に繋がった経験はないので、対処するほどのものではないと判断して無視しています。
個性を忘れない
誰もが特性と向き合っていく過程で自分自身と向き合い、ときには辛い過去と向き合うこともあるかもしれません。ときには逃げ出したくなるときもあるかもしれません。
そんなときには特性だけでなく、個性もあるということ考えて欲しいです。特性と向き合うことに囚われて、グッド個性を忘れていませんか?バッド個性は周囲の人に大きく悪影響を与えていますか?バッド個性を特性と勘違いしていませんか?
頭でっかちになると特性と個性がごちゃ混ぜになって、自分の自然体の姿を忘れてしまいます。
そうならないように、自分の特性と個性を整理して、対処することと無視することをハッキリさせてもいいと思います。そして、自然体で個性を活かしつつ、特性対処もできていることが、ひとつのゴールの形だと思います。
長くなりましたが、このコラムが障害特性と向き合う人に対して、少しでも励みになることを願っています。
最後に。これは自分自身へのメッセージでもあります。自分の発達障害の特性を受けとめたうえで、個性を忘れず自然体で、残りの人生を謳歌したいと思います。