14年間続けている自傷行為の体験談
暮らし出典:Photo by Annie Spratt on Unsplash
私は14年間自傷行為を続けています。自傷行為のほかにストレスのやり場がないからです。自分を傷つければ他人には迷惑をかけないから、手っ取り早い方法だと考えています。そんな、私の自傷行為の体験談を書こうと思います。
自傷行為を始めたきっかけ
初めて自傷行為に手をつけたのは中学生のころでした。仲良くしていた友達の間で流行っていたからです。肘から手首までカッターナイフやカミソリで切りつけるというものでした。傷をお互いに見せ合い、自傷行為にいたった辛さを共有していました。
他にストレスのやり場がない
高校生、大学生と進学していっても、自傷行為は続けていました。少しも辞めたいとは思っていなかったです。
私はイライラしたりするとモノに当たったり、八つ当たりをしてしまうことがありました。しかし、モノに当たってしまうと壊す、大きな物音を立ててしまうなどして、家族によく怒られていました。
「それならば自分を傷つけておけば、他人に迷惑はかからない」と考えました。実際、腕を切りつけると、すっと頭のモヤが晴れて落ち着くのです。
エスカレートしていく
就職してからも自傷行為を続けていました。仕事が辛いときは、どのようにすればもっと酷くできるのかを、インターネットで調べたこともありました。
仕事を辞めてから、私はODにも手をつけ始めました。理由は腕を切りつけると、傷を見つからないように隠す必要があるからです。私は実家住まいですから、家族に見つかる危険性がありました。一度、母に見つかり泣かせてしまったことがあり、それから「徹底的に隠さないといけない」と思っていました。
ODだと傷はつかないから見つかる心配はないと考えました。初めは処方された量より多く飲むのは抵抗感がありましたが、徐々に慣れました。ですが、ODにはかなりの危険性があったのです。
頓服として処方された薬を1シート飲んでいたのですが、飲んだ後の記憶ほとんどありません。寝ているだけならまだ良かったのですが、寝ずに行動してしまっているのです。電車に乗って、アパレルショップにいき、1日で約20万円の買い物をしていました。無職で貯金は殆どないにも関わらずです。
買い物をした、というのはおぼろげに覚えているのですが、アパレルショップへどうやっていき、帰ったのかは覚えていません。帰ってきたところを目撃した母によると、きちんと化粧をし、服もオシャレにしていたようです。
体がふらふらした状態で駅のホームにいき「そのときもし線路に落ちていたら?」と考えるとゾッとしましたが、それからもODをすることが何度かありました。
自傷行為を続ける理由が増える
私は今、就労移行支援に通っています。そこで職員さんといろんな話をします。私は自分の辛さなどをうまく言語化することが苦手です。しかし、自傷行為に手をつけたといえば「それほど辛いことがあったのか」と分かりやすくなります。
ストレスのやり場が無いのは今も変わりませんが、自傷行為を続ける理由のひとつに「自分の辛さを分かってもらいやすくなる手段」というのも加わりました。
自己肯定感の低さ
最近、周りの人から「自分を大切にしてね」といわれます。私は今まで自分を大切にする、という考えがありませんでした。
私は自己肯定感があまり高い方ではないと思います。「自分なんて」と考えがちです。「ここができているからすごいよ」とほめてもらうこともあるのですが「皆もできていることだから、たいしたことではない」とほめ言葉を受け取ることができません。裏を読んで「本当は微塵も思っていないのに、そういえば喜ぶと思っていっているんだ」とも捉えます。
家族からいわれてきた言葉が、今の自分を形成している一因だと思います。
「ブス」「デブ」「死ね」などを始め、ここに書けないようなこともいわれました。同級生にいじめられたときも「どうせあんたが余計なことをしたからでしょ」と心配されることもほとんどありませんでした。
仕事で辛かったとき「仕事を振ってもらえるような人間にならないとダメ」「せめて3年は働きなさい」「愛想をよくしなさい」などと、辛い状況の私に寄り添ってもらえるような言葉を掛けられた記憶がありません。毎日泣いて帰っていたときでさえ「頑張って続けなさい」でした。
「自分なんて心配するに値しない人間なんだ」「頑張りが足りないんだ」「私は周りに比べてダメで、劣っている人間なんだ」次第にそういう考えになっていきました。
これから
自傷行為を始めたきっかけは些細なことでした。辞めようと思わなかった理由のひとつとして、家族にいわれた言葉をきっかけに、自己肯定感が低くなったことが挙げられると思います。
私はいまだに自傷行為のほかにストレスのやり場を見つけることができていません。最近は徐々に落ち着いていて、今までに比べたら頻度も低くなっていると思います。しかし、ストレスが発生すると衝動的に自傷行為に手をつけてしまいます。
それは、自己肯定感が低く「自分なんて」と考え「自分を大切にする」ということが難しいからではないでしょうか。このまま自己肯定感が低い限り、これからもきっと自傷行為を続けることでしょう。