「マンガAPD/LiDって何!?」から、聞こえているのに聞き取れない状態を学ぼう
暮らし「聴覚や聴力に異常はないのに、喋っている内容が聞き取れない」「音としては聞こえているのに、言語として聞き取れない」このようなケースはありませんか?こういったケースは、APD(聴覚情報処理障害)またはLiD(聞き取り困難)と呼ばれ、検査をする病院や補助具やAPDマークなどもしっかりと存在します。
そんなAPD/LiDが漫画で分かる、「マンガAPD/LiDって何!?」(合同出版株式会社)を軽くご紹介します。この漫画は、自身もAPDである漫画家のきょこさんが緩いタッチで分かりやすく描かれており、言語聴覚士の小渕千絵さんと佐々木香緒里さんによる監修や解説もあって非常に為になります。
APD/LiDとは
APDはAuditory Processing Disorderの略で、「聴覚情報処理障害」と訳されます。LiDはListening Difficultiesの略で、「聞き取り困難」と訳されます。どちらも同じ意味なのですが、日本国内ではAPDとよく呼ばれるのに対し、国際的にはLiDと呼ぶのがメジャーなため、常にAPD/LiDと併記されています。
特に、難聴などの聴覚障害が無いにもかかわらず話の内容が聞き取れない場合、APD/LiDであることが考えられます。診察できる病院などは稀少ながらも存在し、コアラを模したAPDマークも携帯できるようになっていますので、ぽっと出の概念という訳ではありません。
APD/LiDの特徴としてよく挙げられるのが「カクテルパーティー効果」の弱さです。雑音の中でも自分を呼ぶ声や会話が聞こえるよう脳内で情報処理するのが「カクテルパーティー効果」なのですが、これの処理が上手くいかないために、些細な雑音でも相手が何を言っているか分からなくなってしまいます。
この処理能力が上手くいかない要因は様々で、発達障害やストレスや脳疾患、診断によっては結局難聴だったと言われる場合もあります。
他にも、聞き取るために自分で出来る対策法や補助具、配慮の求め方、当事者の体験談などが緩いタッチの漫画で載せられており、子どもから大人まで、当事者も周囲も1度読めば理解できるほど分かりやすく纏まっています。
「声は聞こえるが、言語として聞き取れない」「視覚情報が無いと理解できない」「聞き返しが多くて相手を怒らせてしまう」といったことに心当たりがあれば、手に取って読んでみるといいかもしれませんよ。
参考書籍
マンガAPD/LiDって何!? 聞こえているのに聞き取れない私たち(合同出版)