バリバリの販売員だったわたしが精神病になった話「3話.底なし沼」

統合失調症

出典:Photo by Mareks Steins on Unsplash

今回は、オーバードーズ(薬物過剰摂取)にハマってしまった、わたしの心とからだがどう変化していったかを書いていきます。

少しずつ、確実にのめり込んでいく恐怖

前回の記事でも少し触れましたが、最初は薬の量を少し増やして飲むだけで満足していました。特に体に変化があるわけではなかったのですが「薬を過剰摂取している」という行為自体が心を満たしていたのです。

一時的にではありますが、鬱の症状を忘れることができたり「死にたい」「つらい」といった気持ちから離れることができていました。しかし、薬が切れると元通りかそれ以上の不安や希死念慮に押しつぶされていました。

最初のオーバードーズは少量でしたが、しだいにどんどん量が増えていきました。量が増えていくことには恐怖はなく、むしろ楽しいと思っていたのです。

そして一定の量を超えたときに、からだにはさらに変化がおとずれます。

救急車で運ばれる日々

用量を大きく超えて摂取することが増えた、わたしのからだには「幻覚」が強く見えたり、意味のわからない発言やろれつが回らない話し方、目の焦点が合わないなどの変化がありました。そして心配した母親が救急車を呼び、搬送された病院で胃の中を洗浄するという処置を受けたのです。

こういった処置はからだへの負担も大きく、そのときは「もうこんなに苦しい処置は受けたくないなあ」と思いました。

しかし、薬物の快感を知ってしまったわたしは、反省することもなくすぐに「また薬飲みたいなあ」と思っていたのです。

もう後にはひけない状態になっていました。

オーバードーズによる心と生活の変化

このころのわたしの気持ちには大きな変化がありました。それは「不安」や「死にたい」といった気持ちから逃げるためにしていたオーバードーズが、もはやそういった目的ではなく「幻覚を見たい」「薬を飲んで頭がふわふわする感じになりたい」とオーバードーズすることが主な目的になっていたのです。

もはやオーバードーズに抵抗はなく、頻繁に救急車で運ばれていました。それでも、死への恐怖などもなく同じようなことを毎日のように繰り返しました。市販の薬にも手を出すようになり、もうなんでもいいから沢山飲んでみようと、危険をかえりみず手あたり次第に薬を飲みました。

食事もほぼお菓子などで済ませ、ボロボロになっていきました。そんなある日、わたしの人生を変える出来事が起こります。

次回「4話.死線」

新井 一生

新井 一生

社会人になってからパニック障害、統合失調症などを患った精神障害者。
精神病になってからも沢山の失敗を経験しながら、なんとか生きている。
好きなものはゲーム。

統合失調症

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