「障がい」表記について正直に思うこと
暮らしPhoto by Marco Zuppone on Unsplash
正直に赤裸々に遠慮なく申し上げますと、私は「障がい」という書き方があまり好きではありません。敢えて平仮名にする理由は各々持っているでしょうし、いちいち目くじらを立てて「ヤメロ!」と言って回る気はないのですが、どうしても文章としての不格好さを感じてしまいます。さすがに会社名などの固有名詞で「障がい」と書いているならそれに従いますけれども。
警ら隊(警邏隊)、かん口令(緘口令)、だ捕(拿捕)、けん引(牽引)など、多少不格好になっても読みやすさ優先で平仮名にするのは、特にニュースではよくある事です。ただ、それは常用漢字(漢検2級まで)に含まれていなかったり、含まれていても読み方が難しかったりする場合のことです。「碍」は常用漢字外なので、実質「障がい」に近いと考えられます。
しかし、「害」は常用どころか小学4年生で習う漢字で、児童書でもないのにわざわざ平仮名にする道理はありません。個人的には、小学校で習う漢字をわざわざ平仮名にして不格好で間抜けな表記にするのは、却って馬鹿にされているとさえ感じます。だいたい、「害」ひとつの字義に囚われ過ぎです。障害の社会モデルを知らないのでしょうか。
個人の嗜好と言ってしまえばそれまでですが、宛名という固有名詞に「障”がい”者ドットコム」と書かれた手紙や荷物を受け取ったときは、さすがに一線超えているのではないかと些か閉口します。それに、「障がいと書くのがマナーだ!」という押し付けもあるので、いずれ言葉狩りに走ってしまわないか心配です。「障害だろうが障がいだろうが、どちらでもいい」を通せるのは、相互不可侵を貫いている間だけです。
「良い事してるつもりのオーラ」「言葉狩りに移りそうなオーラ」を感じる上に、読み物として単純に美しくないのが、「障がい」表記を好きになれない理由です。余談ですが、「子ども」表記で統一しているのは会社の方針です。「子ども」は別に構わないし、優しさすら感じるのですが、この違いは何なのでしょうか。単に私の見方が不公平で不平等なだけだと言えばそれまでなのですが。