城とエレベーター

暮らし

Photo by Ryunosuke Kikuno on Unsplash

6月3日、名古屋市主催の市民討論会において、名古屋城再建にエレベーターを加えるかどうかで喧々諤々の大論戦となりました。賛成派の車椅子ユーザーに対し、反対派の市民2名が「荒唐無稽で図々しい。お前が我慢すればいい」「エレベーターの管理には税金がかかる。(身体障害者の為に)税金が勿体無い」などと罵ったそうです。

差別用語交じりの罵詈雑言に一部から拍手まで起こる荒れ模様でしたが、まとめ役である河村たかし市長は「よく聞こえなかった」「自由な発言を前提とし、広い気持ちで考えるべき」とファシリテーターとしてあるまじき回答をしています。まるで学級崩壊ですが、河村市長は「史実に忠実な復元」に拘っているようで、反対派のヤンチャは黙認している節があるのかもしれません。

史実を再現するかバリアフリーに改造するかは、城の復元や改築において常に論争の種となっており、城によってエレベーターの有無はまちまちです。「天守は元々敵に攻め込まれないための構造だから、バリアフリーでないのは当たり前」とか「現代の耐震構造や防火設備などを備えながら、なぜエレベーターだけが駄目なのか」とか意見も真っ二つです。

名古屋城については「電動かご」が折衷案として挙がっており、1階ずつしか動かない代わりに柱や梁への影響を最小限に留められるらしいのですが、案としての影響力はなさそうですね。それにしても、リアルで面と向かって差別用語を言い放ってしまうのは人間性や教養を疑ってしまいます。18歳以上の市民から無作為に選んだそうですが、とんでもないハズレを引かされてしまった観光局は少し可哀想ですね。YouTubeに上げていた討論会の様子も非公開にされています。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

関連記事

人気記事

施設検索履歴を開く

最近見た施設

閲覧履歴がありません。

TOP

しばらくお待ちください