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「褒めて伸ばす」教育というのはよく耳にすると思います。例えば、食器を割った子どもを叱るときに「正直に言ったのは偉い」「破片で怪我をしないよう気を付けたのは賢い」と、良かった点も挙げて反省を促す感じです。これを実践する自動車教習所が前に話題となったこともありました。
しかし「褒めて伸ばす」というのはしばしば曲解されるもので、叱って止めるべきところさえスルーしてしまう極端な対応にもなりがちです。個人相手でそれだと良くないのですが、これを集団相手にやっているようなコメントを数回見たことがありますのでご紹介しましょう。
「ガーシー当選」で荒れていた頃のエピソードです。「投票への姿勢を批判するよりも、選挙に行った若者の存在自体を喜ぶのが先。投票先についての反省は後ですればいいし、投票率の低い今は投票そのものを貴ぶべき」という甘々のコメントがありました。選挙に行く若い世代が減っている昨今、理由は何であれ名前を書いて投票したこと自体は褒めるべきだという意見です。
また、「異次元の少子化対策」についても似た話があります。「人生100年時代の結婚と家族」という切り口での内閣府研究会で、招かれた教授が「告白やプロポーズを練習する恋愛ゼミ」の導入を提案したのですが、その内容が「少女漫画のように壁に追い詰める『壁ドン』」だったため物笑いの種にされました。これについても、「政府が恋愛弱者への支援を考えるようになっただけでも大きな前進。いずれまともなアイデアが出せるようになるので温かく見守ろう」と、恋愛支援自体は評価する声が出ています。
なぜ集団相手に褒めて伸ばそうとするのでしょうか。「褒めてもらえないからやめる」「馬鹿にされたり叩かれたりするからやめる」と投げ出される恐れがあるというのでしょうか。褒めるつもりが一周まわって見下している雰囲気すら感じます。単なる皮肉という線もありますが、なんにせよ変わった反応であることは確かです。
遥けき博愛の郷
遥けき博愛の郷
大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。
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