自分の障害を知る~本当の障害名を知ること
暮らし出典:Photo by Priscilla Du Preez ca on Unsplash
職場で突然襲った体調不良。PTSDだと分かったのは発症から10年も後のことで、それまでは色々な診断名でした。
そのため、なかなか思うように体調が良くならず悩み続ける日々を送ることになります。
長い年月をかけて、やっと本当の診断名(障害名)が分かってから、自分の障害を知る大切さを感じています。
自分の障害の診断名は?
私はPTSDと診断されていますが、それまでは他の診断名でした。
勤務していた組織での対人トラブルに巻き込まれて体調不良を起こし、休職に追い込まれましたが、その組織に所属する病院への通院で色々ありました。
体調不良を起こして受診した当初は「自律神経失調症」という診断名でした。この診断名というのも「今後の人事に影響を及ぼさないよう、なるべく軽い診断名にしておいた方がよろしい」との主治医の判断で、その診断名に合った薬を処方されていました。
私も「職場での人事に響いてしまったら、これからの昇任が遅れたり、配置先が限定されたりすると非常に困るから、先生は自分の今後のことを憂慮して軽く診断してくださった」と思うようになり、そのままの診断名で通院していました。
休職して自宅療養してもなかなか良くならない
「自律神経失調症」という診断書を職場に提出し、3か月の病休となり自宅療養していましたが、フラッシュバックが度々起こり、胸が苦しい日々が続きます。外に出て、公園の散策やウィンドウショッピングをしても、心が晴れるどころか、周囲の人々の幸せそうな姿を目にすることで、更に気分が落ち込み、逆効果でした。
主治医やカウンセラーからは「まずは家の外に出て体を動かし、外の刺激を受けて体を慣らすのが大切」とのアドバイスだったので、そのとおりに実施していましたが、なかなか思いどおりに心が晴れるまでには至らず、悩む日々が続きました。
自分の本当の診断名は?
3か月の病休の期限が迫ってくるのですが、症状はほとんど変わりません。変わらないどころか、人間不信からの対人恐怖や不安感は増していました。
結局、病休の期限内に復帰することができず、休職へと突入することになりました。
休職中も組織の病院へは通って、カウンセリングも受けていましたが、以前のように症状や気分が安定したり、落ち着いて行動したりができず、職場復帰も難しい状態でした。
数年経った頃、定期異動のため、主治医が変わりました。
新任主治医は体育会系の方で「あなたは、本当は病気などではないですよ。判断は非常に難しいのです。たまたまその職場に合わなかっただけで、職場の配置や人員が変われば、あなたはこれまでのようにバリバリ仕事が出来ますよ」と、今までとは全く違う見解を述べられました。
これが新任主治医の診断結果でした。このお話を聞いて「自分は大丈夫だった!」と、少し安心しました。
処方薬も変わり、服薬量も減り、体調も復調の兆しを感じながら、3か月に及ぶ職場復帰訓練を重ねて、念願の職場復帰を果たしました。その後も順調に職務を遂行しましたので、自信を少しずつ取り戻して仕事を楽しく感じることができ、このまま、何年も先の定年まで突っ走りたいと感じました。
そして順調に勤務し、自信を取り戻しつつあった頃、とてつもない人物が配属されてきました。前配置で対人トラブルを起こし、我々の所へ配置換えとなったのです。すごく高圧的な態度な人でした。私にだけでなく、職場の全ての人に高圧的なものの話し方をするので、嫌な雰囲気が漂い始めたのです。
そのせいで、私は一気に胸が苦しくなって、体調を崩してしまいました。
そして通院時にこの状況を話して、検査等を受けたところ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)であると、初めて診断されました。発病から10年は経っています。
本当の障害名
10年以上経って、私の障害はPTSDと判明しました。とても時間がかかりました。今はPTSDに特化したカウンセリング治療を行っていますので、どんどん症状が良くなってきています。
もっと早くに本当の診断名が分かっていれば、長期間悩まずに済んだのではないか、休職にもならなかったのではないかと悔やむこともあります。
でも、今さら言っても仕方がありません。もう本当の障害が分かったのですから、前向きに障害に向き合って治療に専念するのみです。
自分の障害を知るというのは、非常に大事なことだと、つくづく実感します。セカンドオピニオンなどを活用するなど、色々な角度から診てもらって、正しい治療法を見つけるようにしたいものです。
パニック障害・不安障害