発達障がい〜神からの贈り物〜

苦手との向き合い方(『発達障がい~神からの贈り物~』第90回)

発達障害

画像:Photo by Anna Kovaļova on Unsplash


『発達障がい ~神からの贈り物~』 第90回 <毎月10日連載>

私は30才を超えるまで全く泳げなかった。子供の頃からそのことへのコンプレクスが強く、泳げない自分はダメな人間だと思い込んでいた。

あることをきっかけに一念発起しプールに通い出し、当初は監視員に多大な心配をかけたことだろうが、現在では競泳4種目も立ち泳ぎや横泳ぎなどの伝統泳法も覚え、海での遠泳レースも経験し一昨年からはプールの監視員もしているもはや泳ぐことはライフワークであり生きがいにさえなっている。

そういう状態になって気づいたことがある。与野のには大勢の泳げない人たちが存在する。昔は私たちのごく少数のダメ人間以外は全員泳げると思っていた。そして自身が泳げないことを告白なんて私自身は全然できなかったのに、いとも簡単に「泳げない」とみな告白する。

私は人並み以上に泳げるようになって初めて泳げなくても堂々と生きて良いんだと気づかされた。青天の霹靂のような感覚かもしれない。

考えてみればほとんどの人類は泳げなくても生活ができる環境下で暮らしている。水泳が苦手なら泳ぐ必要性の低い環境で暮らせば良い。なのに私は自身の苦手意識に囚われてしまい、自信喪失状態で生きていた。実に勿体ない。

私の経験と同じように苦手意識に囚われてしまい自信喪失している人を現在では多く見かける。苦手を避けて得意な分野で生きていけば自身の可能性がもっと広がるだろうに、苦手意識に囚わるが故に人生自体を諦めてしまっている人たち、発達障害意外にも多くいることだろう。

一方で私自身は20年以上かけて水泳に向き合ってきたが、それはそれで得るものが計り知れないほど大きかった。当初はプールの中に10秒間頭を沈める練習から始めたが、自身の現状にあった練習を何度も何度も繰り返し今の私がいる。苦手なことは根本的に簡単にできる訳がない。だったら人の倍も3倍も何度も繰り返してやる以外に道はない。

残念ながら、相談を受けていて苦手なことにチャレンジする人は本当にごく稀で、ほとんどの人たちは嘆いてばかりいる。どんなに長い時間嘆いても苦手が克服される訳はあるはずがない。

上記を簡略すると、
1,苦手に囚われる必要はなく得意な分野で活躍すればよい。
2,どうしても苦手を克服したいなら、しっかり苦手と向き合ってゆっくり時間をかけて取り組む。そうすることで多大な自信を得られるだろう。

どちらを選んでも構いませんが、いくら嘆いても苦手克服に繋がらないことだけはお忘れなく。


公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

Kei(ケイ)スズキ

Kei(ケイ)スズキ

★個人学習塾えるすた講師
★いずみハッタツ友の会代表、高知大学農学部卒
★過去職歴:放送ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、カメラマン、道化師、学習塾経営、Webプログラマーなど
★10年の鬱の後に発達障害の診断を受ける。現在はピアカウンセリングサポートにも積極的に関わる。自称『人生を楽しむパイオニア』
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