一年の目標や計画なんて必要ない、自分を信じ続けると人生は開ける(『発達障がい~神からの贈り物~』第14回)
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第14回 <毎月10日連載>
みなさま、明けましておめでとうございます。いつも私のコラムをお読み頂きありがとうございます。昨年は私にとっては人生最高の一年でした。これも障害者ドットコムのコラムをお読みいただける皆様の存在あってのことと深く感謝申し上げます。そして本年もまたこれまで以上によろしくお付き合いください。
さてさて、年明けということで一年の計を立てられた方も多いと思います。そんなところにいつもながら『そんなものは必要ない』というつもりはありませんが、私はここ数年は一年の目標は立てていません。しかしこれがまた論理的には人生を裕福にさせてくれるのだと私の友人が教えてくれます。その主はさかいハッタツ友の会代表の石橋尋志。テレビ等でご覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんが、彼によると目標を立てないほうが人生が豊かになるのだといいます。
プランドハプスタンス理論
という言葉を耳にしたことがありますか?人生は必要なときに必要なハプニングが起きるのだと、この理論は教えてくれます。この理論についての説明は他に譲るとして、皆さんは人生の目標を綿密に立てて達成できた方はいらっしゃるでしょうか?全てクリアできたという方は本当に希少ではないでしょうか?こと発達障害当事者やその後家族の方なら共感いただける部分が大きいと思います。
何事も躓かずにいくことなどほとんどありません。予定は狂うものなのです。こだわりの強い人、完璧主義な人などは予定が狂ってしまっただけで投げ出してしまうことも多いのではないでしょうか?だったらそもそも目標など必要ないのではないでしょうか?
私自身ももっとも深い鬱の時代に実は業績をたくさん築くことができました。毎日が自分との闘いで、人生の目標など全く立てられなかった時代に、プロカメラマン、レコーディングエンジニア、スタジオミュージシャン、ディレクター、ラジオのジョッキー…、というような自分でも疑うほどの経験を得ることができました。これらは大学卒業のころに夢に描いていたこと、そして就職、結婚を期に全て諦めたものでもあります(カメラマンは当時夢にさえ思わなかった)。それが鬱真っ只中の時代に願いもしないのに夢がどんどんかないました。
当時の私がやっていたことはたった一つ、自分の存在証明をするために今何をすべきか、それだけを考え続けました。そこに詳細なプランなどなく行き当たりばったりで迷いながら、しかし自分を信じて何をすべきかを考え、毎日毎日実践し続けました。
世の中には鬼もいれば仏に出会うこともあります。当時の私は私を引き上げてくれる才能豊かな人たちに可愛がられました。なぜ彼らが私を気に止めてくれたのか、まったく理解できませんでした。しかし人生はプランどおりにハプニングが起きるものなのかも知れません。
現在、 年齢を重ね、若者たちに機会を与えることができる立場に幾分立てましたが、その立場から見ると答えは簡単、自分の人生に向き合って一所懸命生きている人って誰だってきっと応援したくなるもの。きっと当時の私も社会と孤立しながらも自分を信じ自分の能力と向き合い、もがき苦しんでいる姿が、きっと彼らの心の何かをくすぐった、そんな風に理解しています。
石橋の話しによると、プランドハプスタンス理論の実践方法として、自分のなりたいイメージを明確にすること、そして毎日を一所懸命に生きること、この2点に集約できるそうです。何もできなくてもその日を生ききる、それだけでよいそうです。
今日を大切にできないものが未来を開けるわけがない。己の命を大切にしないものが己の人生を得ることはできない。もっともなことです。
ちょうどこの年明けのよい時期なので、もう一度自分の未来のイメージとそのために今日何ができるか、それを考えてみませんか。きっと道は開けるはずです。
注意欠陥多動性障害(ADHD)