人生は捨てたものではない!~うつ発症後の体験談③
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こんにちは。"ユキダルマ"です。前回に引き続きご覧いただきましてありがとうございます。
前回までに、私が「就労移行支援事業所」というサービスを知ったこと、様々な変化を乗り越え、人生は捨てたものではないと思えたことをお話しました。今回はその続きです。いよいよ社会復帰に向けての訓練が始まりますが、内容としては、就労移行支援事業所に通所する中での心境の変化が中心となります。
①「就職のことは忘れる」
これは私が実際に就労移行支援事業所の本通所最初の面談で言われたことです。
最初は「この人は何を言っているのだ」と感じました。なぜなら就職をするために通っているのに忘れるというのはどういうことなのかと率直に感じたからです。
しかし、この言葉の裏には「まずは生活リズムを整え、体調を安定させてください。」という意味だったのが後々分かってきました。これは今でも「完璧にできている」と堂々と言うことはできませんが、生活リズムや体調安定の重要性は、後々非常に大切なものだと実感してきました。
季節はちょうど真夏、体調も少し回復してきたため、通所の傍らで昔から大好きな高校野球を楽しむこともありました。地方大会から甲子園球場まで足を運びましたが、高校生の熱いプレーに勇気をもらい、自分自身の体調安定における大きなプラス要因となりました。
②目標を持つ意味
私が就労移行支援事業所に通所したことで最も大切だと感じたこと、それは「目標を持つ意味」です。うつを発症して家で引きこもっていた時、あるいはその前から、「なんとなくこうしている」「なんとなくこうなりたい」など、多くの事柄で「なんとなく」という接頭語が付いていました。幼少期より目標を持つ重要性については説かれてきましたが、自分自身で目標を持つ事がありませんでした。いや、正確に言えば目標を持つ事が「出来ません」でした。なぜなら、目標がぼんやりしていることが多かったからだと思います。
私は就労移行支援事業所での生活を通じて、目標の立て方から乗り越え方法を学び、1日や1週間、1ヶ月の目標を立てることができるようになりました。
しかし、「目標はこうやって立てます」や、「目標はこうやって達成します」というように直接教わったことはありません。実際生活していくうえで、後から気付いたことばかりでした。その為目標を持って達成するということが自然とできるようになり、達成感を多く味わうことができ、精神的にも安定し続けることができました。更に、「次はこういう理由でこうなりたい」という欲求が増えてきて、マイナス思考が徐々に薄れていきました。
③自分らしく生きる
私はこれまで、いわゆる競争社会で育ってきた人間だと考えております。
それは、高校・大学受験の偏差値であったり、入社した会社の待遇面であったり、会社の同期で誰が先に昇進したり、など多くあります。その中で、私の周りでも「〇百万円稼いだ」や、「役職に昇進した」という言葉を聞くようになり、最近では「結婚した」「子どもが出来た」の言い合いになっている状態です。もちろんおめでたいことには違いないですが、私はそれを耳にしたとき、うつで社会から離脱している自分が劣っているという感覚を持つ時期がありました。
しかし、それは今思えば全く根拠のない、幻想ともいえる考えでした。
なぜなら、他人と比較することが全く意味のないことだと気付いたからです。
「〇歳までに役職につかないといけない」「〇歳までに結婚しないといけない」ということは全くありません。それぞれご縁があった時に、昇進したり結婚したりすればよいと私は考えます。
焦ると何もいいことが無い。その言葉を信じてこれからもオンリーワンの人生を歩んでいきたいと思います。
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