絵画療法とは~描いた人の視点やモチーフからの連想で見えてくる、あなたの心
暮らし入院していた頃、回復期に、作業療法として、塗り絵を体験しました。その時、普段しないことをしたからか、なぜか気持ちがスッとしたことを覚えています。
芸術療法の1つ、絵画療法とは
幼い頃に誰しも経験したことのある「なぐり描き」や「粘土遊び」、「砂遊び」は、子どもの成長・発達を促すために重要な意味があります。芸術療法とは、そのような効果を活かした心理療法です。絵や音楽で表現することによって、言葉では説明できない人のこころの世界を理解することができるようになります。
芸術療法の1つである絵画療法が精神療法として使われる場合は、患者が描いた絵をもとに、臨床心理士や医師が必ずカウンセリングを行います。描いた人の視点の位置や、モチーフから連想されるイメージなどを汲み取ります。心の奥深くにある問題を浮き彫りにすることが、主たる目的なのだそうです。
絵画療法の方法
絵画療法には様々な技法があります。山や川など風景を構成しているものを順次描いていく風景構成法、目をつむって紙に自由に線を描くなぐり描き、家や木・人・自画像など描くテーマが与えられるイメージ誘発法などです。絵を介して、治療者と患者の信頼関係が築かれるケースや、絵を描くこと自体が生きる力を蘇らせる例もあります(私の場合は後者です)。
絵画療法は、日常生活の中でも気軽に行うことができます。描く対象や手法についての決まりは一切ありません。描く道具も、クレヨンや色鉛筆、絵の具など、なんでも結構です。「描く」だけでなく、切って貼る作業「コラージュ」でも、同様の効果があります。また、「筆圧」も、心の状態を見る道具になり得ます。筆圧の弱い・強いで良い悪いはありません。「絵を描く」という行為そのものを含めて、自分の心を知る手がかりになる治療法です。
適度にリフレッシュしよう
私は過去に、画家を目指していたことがあり、美大に通い、本格的に表現活動をしていたのですが、そのような私から、これから絵画療法を試してみようとお考えの方にできるアドバイスは、「やりすぎは禁物」だということです。あなたが描いた絵から、精神分析をすることで、ご自身の心の中を客観的に把握することが目標なので、絵の出来栄えは全く気にしなくて良い、ということです。
例えば、「毎日1~2作品を仕上げなければいけない」というノルマ設定…もちろん、そのくらい絵を描くことが好きだという方であれば大丈夫ですが、そこまで好きではない、一般的な方があくまで「楽しむ」ために絵画療法を取り入れる、というならば、間違っても、心理的なハードルを上げないで下さい。そうでないと、いつしか描くことが重荷になり、私のようにノイローゼになってしまいます。
日常のちょっとした隙間時間に、お気軽に、試してみてくださいね。
参考文献
アートセラピー(臨床美術・芸術療法)で認知症を予防・改善する為のコツ
https://athome-kaigo.jp
臨床心理士の面接療法
http://www.jsccp.jp
芸術療法-アートセラピーの種類とその効果(絵画療法・音楽療法など)
https://kokoroyamai.net
絵画療法とは|実施方法、分析のポイント2つ
https://www.iyasi-tukurimasu.com