障害者が賃貸住宅に入居する際に気をつけたいこと
暮らし2016年から障害者差別解消法が施行されて、障害者の賃貸住宅入居に関して差別的な取扱いが禁止されています。しかし、不動産仲介の業界において、障害者に対する理解は十分なものとはいえません。理解を広げるためには、障害のある方も法律をしっかり理解して、賃貸住宅提供者に対して説明していくことも必要です。今回は、障害者の方が賃貸住宅への入居を希望される際の注意点について、お伝えしたいと思います。
家賃は手取り月収の3割が目安
家賃が手取り月収(障害者年金等含む)の3割以下に収まる物件から選ぶのが基本になります。それは、入居審査をする不動産会社、家賃債務保証会社が安定して家賃が支払える能力があるのかを判断する基準にもなっています。
又、不動産会社、物件オーナーが障害者の方に対する理解が深まっているかというと、残念ながらこれからといった状況であり、障害をオープンにする事でメリットは少ないと思いますので、基本的には障害者である事はクローズで行かれる事をお勧めします。これは厚生労働省が推進する「あんしん賃貸支援事業」と、お住いの都道府県名を入力検索し、表示された画面に入居希望条件を入力しても、該当物件が数件だったり、UR賃貸、公営住宅しか表示されない事からも、民間賃貸住宅が障害者の受け入れに消極的であるかを物語っていると思います。
物件選びのポイント
駅から徒歩15分圏内、間取り、バストイレ別等、それぞれにこだわりがあるかと思いますが、入居後のトラブルで一番多いのが「生活騒音」です。特に発達障害や精神障害がある人にとって生活騒音は大きいストレスになり、生活に支障をきたしてしまいます。
物件によっては、隣人のテレビ音声が聞こえる、新聞をめくる音が聞こえる、上階居住者の足音が聞こえる物件もありますので、気になる方は不動産会社に「生活騒音トラブルが少ない物件希望」と伝えるのも有効だと思います。また、夕食前後など生活音が多い時間帯に実際に見学して確認することをお勧めします。
家族が出す生活騒音は気にならないけれども、第三者が出す生活騒音は気になるのは、正に「生活騒音には顔がある」と言われる所以です。
物件設備の確認と注意事項
希望の物件が見つかったら、設備の確認と床、壁の傷、凹み等の有無を確認し、発見した場合はボールペン等で該当箇所を示し、当該箇所のアップ写真と、部屋の中での位置関係がわかるような構図で写真を撮り、自分の責任では無い事を明確にしましょう。
エアコンが正常に作動するか、水道の元栓を開けてお風呂場、洗面所、キッチン等の蛇口を開き、水が流れるかを確認、蛇口を閉栓後に水が漏れていないか確認しましょう。
また、トイレの水を流し、タンクが満水になった後に、トイレの底に溜まっている水が揺れていないか確認し、揺れていれば漏水の可能性が高いので、他の不具合箇所と併せて修繕を依頼しましょう。
これらの情報が、皆様のお役に立てれば幸いです。
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