傾聴スキルをあげよう~心に寄り添うことを忘れずに

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出典:https://unsplash.com

親友に話を聴いてもらうと、とても癒される気持ちになり、不安や孤独感がスッと引いていく。それは、親友に傾聴スキルがあるからだ。私は、気持ちが滅入ってるときは、いつも「傾聴」が出来る相談相手を求めてしまう。傾聴とはどういうものか?よい人間関係を生み出す「傾聴」を紹介したい。

傾聴とは

英語では、「active listeningアクティブリスニング」という。相手の話をただ耳で「聞く」のではなく、心に寄り添うように、体や心も使って「積極的に聴く」ことだ。そのスキルがあれば、相手は自分が受け入れられているという安心感を持つことが出来、よりよい信頼関係が生まれる。元はカウンセリングの技法として提唱された「傾聴」だが、今では職場の同僚、家族、友人、恋人などあらゆる場面で、人と人とのいい関係作りを育てるためのコミュニケーション技術として広まっている。

私が傾聴を求める理由

【自分に「傾聴」求める理由】
私は、子供の頃から、よく「聞き上手」と言われた。相手の話を遮ることなく、ただ、熱心に聴いていたからだ。とても疲れを感じる行為だが、相手の話を受け止めるように聴いていると、ゆるぎない信頼関係が生まれた。私は、自分が誰かにそうしてもらえると嬉しいので、行っていたが、周りをみていると、それが出来ない人が多い。数年前に「傾聴」という言葉を知り、私が無意識に行っていたいくつかのことが、手法として提唱されていたことに驚いた。さらにそのコツを学び意識することで、自分の傾聴スキルをあげ、お互いに信頼しあえる人間関係を手に入れたい。

【相手に「傾聴」を求める理由】
私は落ち込むと、孤独感がひどくなり、誰かに私の話を受け止めて欲しくなる。落ち込んだ時は、私は普段よりもいっそう自己肯定感が低くなり、マイナス思考も強くなり、自分の存在意義が分からなくなってしまうからこそ、誰かに私の存在が必要なものだと認められたくなるのだ。

「傾聴」されることで、自分は一人じゃないない、生きていてもいいんだということを実感でき、安心して話すことが出来る。それによって自分の考えがまとまり、自分で解決策を見つけられる場合も多い。答えはアドバイスで得られるのではなく、すでに自分の中にある。それを引き出してもらえるのは、相手が「傾聴」という手法を使ってくれる時だ。

反対に、私が話しているときに、辛く感じる場合がある。よくあることだが、アドバイスや異なる意見を言われること、話を途中で遮られること、話が終わる前に、「あぁ、つまりこういうことね」と要約されてしまうことはとても辛い。「私の話を聴いてもらえないのは、私の話がつまらないからかな」「私に興味がないのかな」「私の気持ちはわかってもらえないんだな」と自分を否定されているように感じ、孤独感が強まってしまうからだ。自分で答えを見出すことも不可能になってしまう。

傾聴する上での条件

1.相手の気持ちに共感しながら理解する
2.肯定的に関心を持って聴く
3.自己一致する

1…ここでいう「共感」とは、話し手を全く同じ意見を持つこと(「同感」)ではなく、話し手と同じ立場に立ち、理解しようとすることだ。相手の気持ちに寄り添いながら、自分が感じていることを示すことであり、例えば「ああ、こういう時にあなたは、こう感じたんだね。」と聴き方を示せば、相手は分かってもらえたと感じることが出来る。

2…話し手が話すことは、どんな話でもよいことか悪いことかなど判断をせず、なぜそう考えるようになったのか、関心を持ちながら聴く。話し手は、「こんなことを考えてはいけない」「こんな感じ方をしている自分はダメだ」と考えることがあるが、話し手自身の気持ちを受け入れることが出来なければ自己実現は難しい。それが出来るようにするためにも、まずは、話し手が持つ気持ちをなんでも話してもらえるように、否定せずに聴くこと。

3…聴き手も自分の気持ちを大切にし、「頭で考えていること」と「心で感じていること」を一致させ、自分を受け入れておくこと。例えば、「相手に気を遣い、優しくしなければ」と考える反面、「面倒だから気を遣いたくない」と感じているなど。これが一致していなければ、相手の言葉に共感を示す言葉を使っても、表情がうんざりしているというようなことが起こり、話し手からの信頼を得られない。傾聴は、話し手の信頼を得た上で、聴き手が自己一致を手助けするものでもある。それを可能にするには、まず聴き手が自己一致していることが必要となる。

傾聴スキルの上げ方

ひと言でいうと、相手が話しやすい環境づくりをすること。相手の眼を見て話をする、相づちをうつ、言語的なうながしをする、相手をねぎらう、褒める、オウム返しをする、話をする人のペースに合わせる、アドバイス、反論、説得などはしない、話す量は、「話し手:聴き手=7:3~9:1」を意識するなど。

寄り添う気持ちを忘れずに

一番大切なことは、「相手に寄り添う気持ち」だ。目的は、「心に寄り添うこと」であり、「傾聴」は、そこへ到達するための手段に過ぎないことは忘れないようにしたい。どんなにテクニックを磨いても「相手の話にウンウンと相づちを打ち、自分の意見は言わずにいたらいい」など、型のことだけを考えることはいい結果を生まない。心から聴いていないことは、相手に伝わってしまうからだ。自分の心に余裕を持ち、相手の気持ちを尊重しながら、ゆったりと話を聴いてみてはいかがだろうか。きっと自分の周りにいい人間関係が生まれ、自分の人生が豊かになる。

参考文献
 
「傾聴とは」
http://kokoro.mhlw.go.jp

「アクティブ・リスニングとは」
http://do-kigyou.com

「共感」と「同感」の違い
https://kiki-jozu.com

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toiro

双極性障害。RADWIMPSと米津玄師をこよなく愛す。趣味は、料理とカメラ、読書。好きな言葉は「例え明日世界が滅ぶとしても、今日私は林檎の木を植える」「私、何様」「卵を割らなければオムレツは出来ない」

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