発達障がい〜神からの贈り物〜

生き辛さの原因『依存』としっかり向き合うことで生き方が見えてくる (『発達障がい~神からの贈り物~』第46回)

発達障害

出典:Photo by Courtney Cook on Unsplash

『発達障がい ~神からの贈り物~』 第46回 <毎月10日連載>
皆さんこんにちは、今年の夏は楽しめましたか?コロナ禍でなかなか行動しづらい昨今ではありますが、アウトドアかつ単独行動派の私はほぼお構いなく、真っ黒に日焼けして楽しませていただきました。
さてさて、4月に開かれる予定だったイベントが8月にずれ込み、先日多くの人の前で障害者の自立をテーマにいろいろお話をさせていただきました。このコラムの2月の記事も同じようなテーマで書きましたが、依存体質が自立を遠ざける、そんな話をしました。そんなところから依存についていろいろと考える機会があり、私自身も改めて深く掘り下げることができました。
タイトル通り結論から述べますが、『依存体質』というものが生き辛さの根源、いや、生き辛さそのものではないかと考えるようになりました。人間関係の破綻や繰り返されるミス、優先順位が決められないことなどなど、発達特性などと呼ばれるこれらの影にも大きく『依存』が関わっているように感じられます。
発達障害者だけでなく、他の障害者や社会弱者、その他にも多くの人が生き辛さを感じていることでしょう。きっと、理想の自分と現実の自分との乖離が大きい事が直接的な原因と考えられます。理想を持つことは悪い事ではなく、向上心こそ人類が大きく発展できた要因です。その理想が生き辛さの原因になるなんて皮肉なものですね。
理想と現実の差、そういう意味ではアスリートたちもきっと同じでしょう。目標の結果を求めて日々努力を重ねてもなかなか結果が伴わない、そんな中の藻掻きもある意味では生き辛さかもしれません。実際にマラソンの円谷幸吉さんも国民の期待に応えられないことを理由に生命を絶ったりもしています。
多くのアスリートたちは目標に少しでも近づけられるために肉体的な努力だけでなく、日々のメニューの組み立て方や、身体のメカニズムを学ぶなど、様々な角度から努力されていることでしょう。仮に、『コーチが悪いから成績が出ないんだ』『誰も結果を出る方法を教えてくれないから結果が出ないんだ』なんていう人が居たらどう思いますか?こういう人たちの心の中には大きな『依存』が潜んでいると思いませんか?
残念ながら、多くの人の相談を受ける中で、自立が厳しい人のほぼ100%の人が依存的な体質でした。加えて、相談に訪れた家族さんたちも、結果的に経済自立ができているかに関わらず、精神的に依存度の高い人たちでした。
多くの哲学書や仏教やキリスト教の中にも『執着こそが苦しみ』というような内容を多く目にします。その意味でも理想へ執着することが、生き辛さにつながりやすくなります。加えて、理想から遠い理由を社会や他人の責にして、言い替えれば己ができる努力をつくさず他人の助けばかり求めることこそが、生き辛さを更に強めていることにお気づきでしょうか?
先にも、人間関係やミスの多発などの発達特性と呼ばれるものも依存を源にしていると考えられます。一例をあげると、人間関係を破綻させやすい人の多くが、『周りに認めてもらいたい』という願いを持っていることでしょうが、それ自体が他人に自分を自分が思う評価をしてもらいたい、という他人への依存ではないでしょうか?人は誰もが自身も他人も評価する権利を持っています。他人の好き嫌いも選挙で誰を推すかも憲法で認められている『思想信条の自由』で護られています。仮に私を『頼りない人』と評価する人がいてもそれはその人の自由であり、権利であり、私の人権を侵害しない限り護られるべきものです。なのに、自分の思う評価を周りから得られないから生き辛い、なんて、『依存』以外の何物なのでしょう?
2月のコラムでも述べましたが、文明社会を生きる中で『完璧な自立』などできません。だれもが互いに依存しあい、つまり助け合い、社会は成り立ちます。『依存』しない人などいないでしょうが、自分の依存で他人を自分の思い通りに動かそうとすると途端に状況は変わります。
先ほどは『理想への執着』が生き辛さの入り口、と述べましたが、理想は決して悪ではありません。理想があるなら自身で努力する、先ほどのアスリートの例でも述べたように、一所懸命努力している人たちは、結果如何に関係なく多くの共感を得やすくなります。私自身も諦めの悪い性格で、未だに足掻き続けていますが、それによって多くの仲間を持てました。30歳まで金槌だった私が50歳にして、4泳法に加えて憧れだったフリップターンが50歳にして可能となりました。多くの人がともに喜んでくれました。
話はそれましたが、生き辛さに向き合い、自分の生き方を少しずつ確立する中で、多くの人と交われるようになりました。そういう意味でも目を背けずに『依存』としっかり向き合ってみてください。生き辛さに感謝できる日がいつか来るはずです。

公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

Kei(ケイ)スズキ

Kei(ケイ)スズキ

いずみハッタツ友の会代表、高知大学農学部卒
放送ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、カメラマン、道化師、学習塾経営など職を転々とする。10年の鬱の後に発達障害の診断を受ける。現在は福祉職員として当事者目線での支援を行う傍ら、ピアカウンセリングサポートにも積極的に関わる。自称『人生を楽しむパイオニア』
公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

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