映画「ぼくとパパ、約束の週末」11月15日(金)公開。自閉症の少年がドイツ中を行脚する!
エンタメ©2023 WIEDEMANN & BERG FILM GMBH / SEVENPICTURES FILM GMBH
ドイツ映画「ぼくとパパ、約束の週末(原題:Wochenendrebellen)」が、11月15日(金)から全国で順次公開されます。原題はWochenend(週末)とRebellen(反逆者)、すなわち「週末の反逆者」と直訳されるのですが、とにかく「週末」が舞台の中心となっている作品です。
週末に何をするのかといえば、「サッカー観戦」。ひょんなことから、自閉スペクトラムの少年がドイツ中のサッカースタジアムを巡って「推しチーム探し」をすることになります。強いこだわりからパニックを起こしたり、自ら課したルールで雁字搦めになったりと、その道のりは前途多難。数々の「上げて落とす」展開の中で、少年は少しずつ融通が利き成長していきます。
この映画は実話を基にしており、モデルとなった親子は実際にドイツ中のスタジアムを行脚しました。辛い事ばかりではない、成長と旅情の推しチーム探しを、あなたも見守ってみませんか。
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ドイツ全国スタジアムの旅
映画の序盤は、自閉スペクトラムの少年・ジェイソンの日常からスタートします。ジェイソンは、バス停の座席から持続可能性(サステナビリティ)まで強いこだわりとルール意識を持っています。天文学に関しては専門家顔負けの知識を有する反面、神話などを科学的でないと突っかかるなど、興味の差も如実に現れています。
ある日、サッカー中継で盛り上がっていた祖父母の影響で、ジェイソンは自分の「推しチーム」を探そうと決心します。しかし、直接スタジアムで観戦することをはじめ、数々のルールまで決めてしまいました。交通手段は電車のみ。かねてより父ミルコの自動車送迎を環境の観点から嫌っていたためです。
ドイツ国内のプロサッカーチームは全56団体。ドイツ中のスタジアムを行脚する中で、ジェイソンは推しチームを見つけることが出来るのでしょうか。チームは実名、応援歌も本物です。
ジェイソンのチーム選びのルール
何があっても最後まで観戦する
サポーター席に座る
地味なシューズであること
広告は控え目であること
ネオナチのサポーターは禁止
残念なマスコット禁止
環境や持続可能性を重視する
選手が円陣を組まないこと
上げて落とす成長譚
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東奔西走、様々なスタジアムを巡る中でジェイソンにも微かな変化が生まれます。語弊を恐れずに言えば「上げて落とす」展開の連続ですが、それでもジェイソンは少しだけ融通が利くようになってきます。スタジアムの歓声に少しだけ慣れてきたり、我慢できる刺激が分かったりなどですね。
驚くことに、ジェイソンは“ブレません”。自分のルールに合ったチームを見つけて推そうという目的は終始一貫しています。作中では何度か良い席も取っており、誰もが憧れるという「黄色い壁」までも射止めていますが、それはジェイソンにとって重要なことではありません。ただ、サッカー観戦の旅はジェイソンにとって何かしらの糧となっていると分かってきます。
幕間では、地域のサッカーチームや天文学の教授などへお邪魔する場面などもあります。中でも、スタジアム巡りの途中で親子ともども旅情に浸る一幕は、色々な意味で重要です。
ドイツ本国では大ヒット!
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ドイツ国内での上映では、並み居るハリウッドの大作を抑えて100万人動員の大ヒット作に躍り出るほどの反響がありました。これは、自閉症を抜きにしても一映画として優れていることの証左でもあります。この大ヒットを受けてか、リメイク作品の制作も発表されています。
本国で既に大成功を収めた「ぼくパパ」が日本に上陸するのは11月15日(金)。新宿ピカデリーや角川シネマ有楽町など全国でロードショーされます。成長と旅情と葛藤、そして自閉スペクトラムの世界までも、ぜひ追体験してみてください。
公式ホームページ
https://bokupapa-movie.com/
本予告
自閉症スペクトラム障害(ASD)