失敗を楽しもう!自信を持てないあなたへ、(『発達障がい~神からの贈り物~』第58回)
発達障害出典:Photo by Headway on Unsplash
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第58回 <毎月10日連載>
なかなか目にすることのない障害者スポーツ。私も何度かお目にかかった義足のランナーがパラリンピックに出場、メダルは逃したものの見事入賞しました。普段から障害者スポーツに少し馴染みのある私ですが、今回のパラリンピックを目にして様々な障害を様々なアイデアで克服するアスリートたちを目にして、改めてその発想力に驚かされた。勿論それも並外れた努力の上に成り立っているのでしょう。オリンピックとは違った面白さを感じた人も多いことでしょう。
さて、先月のコラムでは自信を得るためには失敗を恐れないことが重要だと述べたが、今月は更に失敗を恐れなくなるための方法論について少し述べたいと思います。方法論ですのでこれだけが正解ではなく、パラリンピックアスリートたちのように様々なアイデア、方法が存在するはずです。参考例としてお考えください。
まず最も簡単な対処法、それは他人の失敗に寛容になること。他人の失敗を必要以上に蔑んだり罵ったりする人ほど自身が失敗した時に他人から蔑んだり罵ったりされると思いがちになるのは必然でしょう。他人の失敗を許し受け入れることで自身の失敗にも寛容になれるはずです。
失敗の質によっては簡単に許せないものもあります。注意したり叱ることも必要な場合もあるでしょう。しかし一旦注意すれば切り替えれば大丈夫。くどくど責め続けると自分の失敗の時により窮屈になってしまう。
もう一つの方法は失敗をより積極的に楽しむ方法。私は時々道化師として人前に立つことがあるが、私ですがたち道化師の本当の仕事は失敗を楽しむことでなんです。自身の失敗もお客さんの失敗も皆で微笑めば楽しい時間、それを演出するのが道化師。質の高い道化師ほど失敗を楽しめる。これって先程の失敗への受容と全く同じ、つまり楽しい空間を演出できる道化師は失敗により寛容だと言えます。
一つ結婚式での例をあげます。私が音響オペレーションを担当した結婚披露宴の途中でウエディングケーキが倒れる失敗がありました。会場は静まり返り緊張に包まれ司会者がきりきり舞いでその場をしのぎ、その後にホテルのキャプテンが新郎新婦と両家両親のもとに謝罪に赴き深々を頭を下げていました。この時の私は道化を目指す前の一人の裏方であり、事の顛末を見守る他ありませんでした。
一方でネットに掲載された動画の中でのブラジルでの披露宴の1シーン。新郎新婦が今まさにケーキカットという瞬間にケーキが倒れてしまった。会場は一瞬にして静まり返る。ここまでは上の例と同じ。しかし2,3秒後、会場は歓喜の渦に飲まれる。参列者たちからの野次や笑い声の中、新郎新婦も互いに見つめ合って微笑む。一つの失敗がより披露宴を盛り上げ誰の心にも焼き付いたでしょう。
私が道化師としてこのブラジルでの披露宴のエピソードが自身の目標となりました。現在では日常生活でも私の道化マインドは常にオンとなり、毎日を失敗の中で楽しめるようになりました。
失敗は成功への経験値、失敗なくして成功もなし。どの道失敗しないといけないのならもっと失敗を楽しんでもいいんじゃないですか?
きっと世界が変わると思いますよ。
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