発達障害と2つのLDの見方について

発達障害

unsplash-logo Benjamin Davies

私は幼少期には、LD(学習障害)とアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)と診断されていましたが、大人になってから自身の障害をもう一度知るために再度受診しました。結果はADHDと自閉症スペクトラムでした。現在は、LDとは認めにくいと主治医から言われました。また、よくお世話になっているカウンセラーさんに、「LDの見方が2つあり、その中の教育学的見方と医学的見方で意見が変わる」ということを聞きました。その時私は、何故このようなことになっているのか、わかりませんでした。そこで、自身の発達障害のことを振り返り、そこから「2つのLDの見方」について考えていきたいと思います。

発達障害について

発達障害は3つのタイプがあり、複合している場合もあります。1つ目は、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」です。2つ目は自閉症やアスペルガー症候群などの「広汎性発達障害」です。3つ目は、「学習障害(LD)」です。これら3つの症状のどれかがあれば、発達障害とされています。

1つ目の「注意欠陥多動性障害(ADHD)」とは、注意力の維持、集中力、課題の持続性(課題を終わらせる能力)に問題がみられる障害です。症状としては、集中力の低下や落ち着かない、気分の変動などが見られます。

2つ目の「広汎性発達障害」とは、自閉症やアスペルガー症候群などの特定不能の発達障害を含む総称です。

3つ目の「学習障害(LD)」とは、全般的な知的発達に遅れはないものの、読む、書く、計算するなどの特定の能力が、著しく困難な障害を指します。

自閉症は3つの特徴を持つ障害で、1つ目は対人関係の障害、2つ目はコミュニケーションの障害、3つ目は限定的な興味、行動及び活動です。そしてアスペルガー症候群は、対人関係の障害であり、限定的な興味や行動などは自閉症と共通しています。違いは、言葉の発達の遅れがみられない点と、コミュニケーションに目立った障害がみられにくい点です。現在はこれら2つをまとめて「自閉症スペクトラム」と呼ぶようになっています。

そして、この3つの障害は重なり合うような関係を持っており、実際に症状がミックスされて出ることもあります。

LD(学習障害)の2つの見方について

3つの障害の内、LDには2つの見方があります。それは「教育的な見方」と「医学的な見方」です。

教育的な見方では、LDとは主に聞いたり話したりなど学習面での広い能力の障害のことをいいます。

医学的な見方では、LDとは読み書きで特異な障害や計算能力などで特異な発達障害をいいます。この「特異」は「困難」と言い換えることができます。

主治医の先生がいうに、この特異、困難というのは文字が書けない、読めないといことを指すそうです。

私の経験

小学生時代のことですが、なかなか文字が覚えられず、漢字を書くことが苦手で、計算が遅く覚えにくかったため、特別支援の教室で国語と算数の勉強を見てもらっていました。それから中学生辺りになって、数学や英語といった科目の理解が難しくなっていきました。この中学生時代は、周りの目があり、特別支援の部屋に行くことができなくなりました。代わりに時間が空いている時は先生に質問してみたり、放課後の勉強会に参加したりして復習していました。当時は分からなかったですが、ADHDの特性でのミスにより文章に抜けがあっり、集中力が途切れて、上手く学習できていなかったようです。

今になって振り返ると、他にもLDではない発達障害の特性と出ている部分もありました。例えば、学校にランドセルを置いたまま下校をしてしまう、夏休みの宿題などを得意なもの以外は後回しにして、休みの終わりがけに慌てるといったことがよくありました。こういったこともあり勉強は苦労していました。

カウンセラーさんが言うには、「教育的な見方の方のLDに含まれているのかもしれない。もしくは、ADHDや自閉症スペクトラムが影響しているのかもしれません」そうです。しかし、調べていくと多くの見解があり、どれが正しいかはわかりません。実際、今も漢字が思い出せないことや、Eとヨを間違えてしまうなど、文字が入れ替わっていても気が付かないなど、困りごとがあります。

まとめ

こうして自身のことを振り返ると、発達障害はとてもややこしいものだと思いました。発達障害の3つのタイプは重複することもあるので、私の障害もその重複したものが出ているのかもしれません。また、LDの2つの見方をどのようにとらえたらいいのか、私にはまだわからないです。そのため、現在の診断基準で当てはまるか分かりませんが、対策は立てていこうと思います。その一つとして、障害での困りごとをピックアップして、そこから自身に合った解決方法を考えています。

例えば、文章作成の場合は、うっかりミスがあることや、文字の入れ替わりなどがあると想定して行っています。対策としては、文章を複数回確認して、違和感がないか調べたり、第三者にチェックをお願いして、ミスの軽減しています。このように自身の障害に対する困りごとが、別の症状が原因でも、その時に自身にあったやり方を考えたり聞いたりして、ミスを防ぐようにしていけば良いと思います。そういった対策を立てることが予防策になるにかもしれません。また、上記のタイプでは当てはまらない困りごとの場合は、検査の結果では分かりづらい症状が見えてきたのかもしれません。

「2つのLDの見方」と私の対策について書かせていただきました。このコラムが、LDについて考える機会になったのであれば幸いです。

参考文献

【発達障害情報・支援センター (発達障害を理解する)】
http://www.rehab.go.jp/ddis/

【e-ヘルスネット 学習障害(限局性学習症)】
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp

【MSD マニュアル家庭版 注意欠如・多動症(ADHD)】
https://www.msdmanuals.com/ja-jp

【文部科学省 主な発達障害の定義について】
https://www.mext.go.jp/

紫(ゆかり)

紫(ゆかり)

自閉症スペクトラムとADHDの傾向があります。
趣味は、読書とちょっとした外出です。
最近は、時間と積み上がる本との戦いです。

発達障害 学習障害(LD)

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