「並外れた不器用」と言われ続けて。

発達障害

unsplash-logo Jean-Philippe Delberghe

私にとって、不器用とかどんくさいと言われることは日常的でした。あまりにもバカにされるので、自己肯定感が低くなり、もがき続ける毎日でした。そんな中、知人に紹介された医者から「発達性協調運動障害」と診断されました。

「何だ?それ」…

「発達性協調運動障害」と診断されたのが、今から約6年前のことです。あまり聞いたことのない病名に「何だ?それ…」と頭がパニックになり、その日は何を言われたのか殆ど覚えていません。ただ、「IQは人並みだから、自信持っていい」と言われたのがその日の収穫でした。「発達性協調運動障害」とは簡単に言うと「極端な不器用」です。私の場合はあちこちに体をぶつけてしまったり絵を描くことが恐ろしく苦手だったりします。(この記事に「発達性協調運動障害」の詳しい解説があります)一般的に発達障害の人は、能力に凸凹がある人が少なくないと言われていますが、私の場合はその凸凹が桁違いに激しいようです。

うまくいかない日々

 

私の一番の弱点は、空間認知能力の低さです。それで日常生活にかなりの支障が出ています。

家事は滞り、仕事をしても後輩にも追い抜かれることも頻繁にあり、職場の同僚をイライラさせるということの連続でした。これでもかというくらいの失敗、叱られた体験があり、空間認知能力を少しでも上げるために、あらゆる本に手を出しました。

どのくらい空間認知能力が低いかというと…。至る所で足をぶつけて、しゃがんでは頭をぶつけてしまいます。就労移行支援事業所に通い始めたころ、トイレに入る度に、身体のどこかをぶつけて青アザが増えていき、トイレが狭すぎるのか、自分が空間認識が弱いのか真剣に考えました。

また、物事の優先順位の付け方が、他の人とずれているとの指摘を受けることも少なくありません。

  

絵を描くことによって…

空間認知を鍛えるために医者から、「料理・囲碁・絵を描く」の中から、2つを趣味にするようにとの指示を受けました。それにしても、この三つの中で囲碁は私にとって未知の世界でした。他の二つは逃げ続けてきたせいで、この上ない苦行でした。料理は生きていくうえで欠かせないので、初めの一つは料理を選ぶしかなかったです。もう一つは囲碁か絵で迷いましたが、子供の頃、美術の時間に保健室で入り浸っていた者としては、絵というのはハードルは高すぎると思い、この時は断念しました。

とりあえず、囲碁を選びました。囲碁はどうしても勝ち負けが着きます。空間認知が弱点の私が囲碁をすると、勝つのはなかなか難しかったです。しかも、負け込むと、趣味であるにも関わらず、凹んでしまい、今思い返してみると、脳に良くても苦手なことをすることは、逆効果と感じました。ただ、囲碁というゲーム自体はとても楽しいので、囲碁パズルなどを一人で解くのは大好きです。

最近、私の通っている就労移行支援事業所で「スクラッチアート」というものを扱うようになりました。スクラッチアートとは、黒地に白い線が書かれており、その白い線をペンで削ることでカラフルな絵が描けるというものです。最近では100円均一ショップでもクオリティの高いものが売っています。

最近、私はそれに夢中です。学生時代、美術の成績が低かった私でも、全く問題なく美しい絵が描けるのです。そして、絵を描くことによって、低すぎた自己肯定感が改善されて来たのです。スクラッチアートのモチーフ絵は、動物・花柄・メルヘンの世界など多種多様で、特別な道具も不要なので、とても気楽に取り組めています。

まとめ

就労移行支援事業所に通い始めた当初に比べて、今では足をぶつけることも少なくなり、沢山あった青アザも皆無です。乏しかった対人スキルに関しても少しずつですが向上しているようです。

今後は、就労移行支援事業所のスタッフから指摘されているように「前向きな考え方」を持つことができるように、失敗だけではなく、成功体験もしっかりと記憶して行きたいです。今まで苦しんできた分、少しでも笑顔でいる時間を増やして、周りの方々に感謝を伝えることをごく自然に出来るようになれたら、最高です。

  

参考文献

【コカラボ100均探偵局】
https://cocalab100.com/

コアラ

コアラ

何の自慢にもならないのですが、21時間連続で寝続けたことがあります。しかし、起きているのにも関わらず、寝ているように決めつけられて、仕事打ち切りになったこともあります。診断名は、『発達性協調運動障害』です。

発達障害

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