身体症状とどう付き合っていくのか~遍歴と対処について 前編

双極性障害(躁うつ病)

出典:Photo by Ben White on Unsplash

コラムを読んでくださっている方の中には、身体症状が表れている方もいるのではないでしょうか?

私は4年前にうつ病を含む躁うつ病を発症し、その時点で治療を開始する予定でした。しかし、心療内科を受診した数日後、次は身体症状である「左半身の脱力・しびれ」が発症しました。

主治医いわく「左半身だけ脱力やしびれが出るのは珍しい」とのことで、悩んでいる方はほとんどいないかもしれません。

ただ、もし同じような症状や身体症状について悩んでいる方がいらっしゃれば、このコラムを読んで、少し気持ちを楽にしてもらえればと思います。

今回は前編で、身体症状が出始めてから1年が経過するまでの話です。

突然の左半身の脱力としびれ

4年前に突然左半身だけ力が入らなくなり、しびれ始めました。その日を境に、今までできていたことが突然できなくなってしまいました。どの程度力が入らなくなったかというと「何も握れない」「起き上がること・歩くことが困難」などです。しびれに関しては、左半身が一日中電気が流れているようにちくちくしびれていました。

ただ、今思えば予兆はありました。

左半身の脱力としびれが表れ始める数日前にいきなり、お茶碗が持てなくなりました。おかしいなと思ったのですが、当時は仕事が忙しく、疲れているだけだと思っていました。次の日はお茶碗を持つことができたので「疲れてるんだな」「少し休まないといけないな」と思った程度でした。

おそらく、お茶碗が持てなくなったことは「脱力する合図(身体の限界の合図)」だったんだと思います。

約半年にわたる病院巡り

最初は、ヘルニアにでもなったのかと思い、整形外科に受診しました。しかし「症状的にヘルニアではない」「すぐにMRIを撮った方がいい」ということで、近隣の総合病院を紹介してもらいました。

その病院では脳神経外科で、MRIの撮影をしました。診断結果は「特に脳に異常はない」ということでした。しかし、担当してくださった先生いわく、症状的によく分からないとのことでした。

「もしかすると、すぐに良くなるかもしれないけれども『まっすぐ歩けない』『片足で立てない』『左半身にだけ症状が出ている』など、脳に異常がある時に出る症状があるので、様子を見て欲しい」といわれました。

総合病院を受診してから1週間ほど経っても体調はよくなることはなく、むしろ悪化していきました。立つこともしんどく、一日中寝ている状態が続きました。寝返りをうつことさえできず、体力的にも精神的にも非常に辛かったです。

そこで、もう一度整形外科に行くことにしました。もしかしたら、見落とされてしまった症状があるのかもしれないと思ったからです。

しかし、そこでも「整形外科の範囲ではないけれど、症状的におかしい」ということで、近隣で一番大きい総合病院を紹介してもらいました。

その病院の脳神経外科でMRIの撮影しましたが「やはり脳に異常はない」ということでした。ただ、何かしら神経に異常があるかもしれないということで、神経内科に行くようにいわれました。

その後、3か月ほど定期的に神経内科を受診しました。検査内容は覚えていませんが、さまざまな検査を受けました。ただ、身体症状の原因は分かりませんでした。

そこで、心療内科か精神科を受診するよう勧められました。この症状を発症してから半年ほど経ってのことです。

何も分からず辛い日々

このころは病院に行っても病名も何も分からず、常に不安が付きまとい、非常に辛かったです。同じような症状の人がいないかずっとインターネットで調べていました。ただ、調べても何も分からず、恐怖さえありました。

その当時、私は働き続けていました。すぐに仕事を辞めればよかったのかもしれませんが、心のどこかで「1年ぐらい経てば治るだろう」と楽観的に考えていました。

午前中に病院を受診し、午後から夜まで仕事をしていたので、体力的にも精神的にも非常にしんどい状況でした。

心療内科の主治医からいわれた言葉

左半身の脱力やしびれの症状が出始めてからも心療内科には通院していました。

その当時、心療内科での治療は積極的にしていませんでした。主治医も症状的にうつ病を含む躁うつ病なのか分からず、なかなか治療に踏み切ることができなかったのだと思います。

主治医からは「左半身だけ脱力して、しびれている状態の人はあまり例がないかもしれない」といわれていました。

それまでは「こんなにいろんな病院を回ったのだから何か分かるかもしれない」「どこかに自分と同じような症状の人がいるのではないか」と期待していたので、主治医からの言葉に少し落胆したのを今でも覚えています。

この症状と付き合っていく覚悟ができたきっかけ

左半身の脱力としびれが始まって約10か月後に「最後にもう一度だけ大学病院で検査をしてほしい」と主治医にいわれました。

おそらくですが、主治医もずっと私の症状について、うつ病を含む躁うつ病として治療していいのかどうか悩んでいたのではないかと思います。

大学病院では、脳波などのさまざまな検査を受けましたが、結果は「脳に異常はない」ということでした。

担当してくださった先生からは「明日治るかもしれないし、死ぬまで治らないかもしれない」「いつ治るかは分からない」「今行っている心療内科で治療をし、ゆっくり過ごした方がいい」といわれことで、左半身の脱力としびれという身体症状と付き合っていく覚悟を決めました。

約10ヶ月経った時点での左半身の状態

この時点での左半身の脱力の状態は「左足を引きずらないと歩きにくい」「階段は一段ずつしか降りれない」「左手の握力は0」などでした。

しびれに関しては病気を発症した当時と変わらず、左半身だけ一日中電気が流れるようにちくちくとしびれる状態が続いていました。

その当時「左半身は意外にもいろんなところで使っていたんだな」「重要だったんだな」と改めて気付かされたのを今でも覚えています。

発症から1年が経過

発症してから1年が経過し、働き続けても身体症状が改善することはありませんでした。そのため仕事を退職し、うつ病を含む躁うつ病と左半身が脱力・しびれる身体症状に向き合うことにしました。

退職するまでは、自分自身の症状に向き合う時間がほとんどありませんでした。それに加えて、何をするにも誰かに手伝ってもらえないとできない自分に絶望し「できないことに対する対処」をほとんどしていませんでした。

おわりに

今回は、主に身体症状が発生~1年が経過するまでの遍歴について書きました。

後編では、発生してから2年そして、現在までの遍歴と対処について書いていこうと思います。

▶次の記事:身体症状とどう付き合っていくのか~遍歴と対処について 後編

SJ

SJ

4年前にうつ病含む躁うつ病を発症しました。そして躁うつ病発症以降、常時左半身が脱力しています。現在は就労移行支援事業所に通所し、オープンでの就労を目指しています。

コロナが流行る前は、国内外一人旅に行くのが好きでした。
現在、海外に行くことができないので、日々オンラインツアーに参加し、世界各地の遺跡や世界遺産を見て楽しんでいます。

双極性障害(躁うつ病)

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