発達障害と生きる 前編~私の成育歴と診断の経緯

発達障害

出典:Photo by Matt Howard on Unsplash

私は「発達障害グレーゾーン」として生きづらさを抱えながら、就労移行支援事業所に通い再就労を目指しています。具体的にはASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥多動性障害)の"傾向あり"また、それにともなう抑うつ状態と診断を受けています。

今回は私の障害についてと、現在までの経緯を2回に分けてお伝えします。第1回は診断までの経緯や成育歴、障害特性についてです。

少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

診断のきっかけ

私がメンタルクリニックを受診したきっかけは、体に強い痛みが出て、仕事に行けなくなってしまったことです。元々精神の不安定さは自覚していたため、自分の判断でクリニックを検索して受診しました。

初回の診察で「抑うつ状態」という診断を受け、1か月休職したのち、当時の仕事は辞めました。

クリニックに通い始めてからしばらくは、自分の成育歴(どんな子供だったか、学生時代どんなことで困っていたかなど)を話す時間になりました。

その内容を聞いた先生に「幼少期から発達障害の特性が強く出ている」と指摘され、生まれつきASDとADHDの傾向があるとの診断を受けました。

以来3年間、自立支援医療を利用し、週1回の通院を続けています。

障害者手帳は現時点では取得にはいたっていないのですが、今後障害を開示しての就労を目指すにあたり取得したいと考えています。

学生時代の私

実際に私の成育歴のどのようなところが、発達障害の特性と思われるのかを振り返っていきたいと思います。

小学校1年生のとき、何度席替えをしても私は1番前の席でした。不思議に思った母が担任の先生に聞いてみると「着替えや帰りの支度の動作がとにかく遅い」「このまま上級生になったら遅れが取り戻せなくなる」といわれたそうです。

実際に私以外の1番前の列は、あきらかに遅れや多動の目立つ子たちでした。

さらに小学校2年生のときには、クラスの忘れ物クイーンになりました。名札や宿題などの忘れ物を1か月に20個もしてしまったのです。

中学校に上がってからは母に勉強を見てもらっていたのですが、あまり結果をだせませんでした。

提出物の期限を守ること、授業中にきちんとノートを取ることが苦手で、テスト前に慌てて友達に写させてもらうことがほとんどでした。

部活動以外には楽しみを見出せず、苦手な体育はサボりすぎて成績表に1がついたこともありました。

高校に上がってからも勉強と運動に対する苦手意識は続き、さらにはコミュニケーションの不器用さが目立ったことから、同級生のやんちゃな子たちに目をつけられてしまいました。

このようにさまざまな生きづらさが重なった結果、高校2年生の3学期に通信制へと転学しました。

診断を受ける前の私

発達障害の診断を受けるまで私は、発達障害に種類があることを知りませんでした。

極端に勉強の出来ない子や、授業中じっとしていられない子だけが発達障害だと思っていたし、言語の遅れや極度の緊張から話すのが苦手な子だけが自閉症だと思っていました。

そのため、先述したような私の動作の遅れや不得意分野は、私の努力不足であり「本当はできるのにやろうとしていないだけだ」と思っていたし、そういわれてきました。

なので、診断を受けて個人的には救われた気がしました。

「これだけ強い特性を持ちながら、ここまでよく頑張りましたね」といってもらえたのです。

心理検査について

クリニックの先生の勧めで、より詳細に特性を知るために大学の心理臨床センターで心理検査を受けることになりました。

ウェイススリーによる知能検査をはじめ、インクのシミを見るロールシャッハテストや、実のなる木の絵を描くバウムテストなど、さまざまな心理検査を受けさせてもらいました。

検査をした心理士の診断結果は、IQもそれほど低くなく、動作が少し遅い以外は目立つものがなかったということで、発達障害に関して言えば、"限りなく白に近いグレー"というものになりました。

しかし、クリニックの先生には、発達障害の特性が強いといわれ、臨床心理士と先生の診断結果が分かれたのです。

発達障害は非常に診断が難しく、私のように精神科医によって意見が分かれたり、当人は困っているのに診断がおりないまま、グレーゾーンとして生きづらさを抱える方もたくさんいます。

また、私の場合は実は心理検査を受けるのはこれが2回目で、高校転学のさいにも心療内科の思春期外来で検査を受け、そこでの内容や結果を覚えていて意識してしまったために、本来の能力以上の結果が出てしまっていたのではないかと考えています。

以上ここまで私が発達障害の診断を受けた経緯と、成育歴について書かせていただきました。

次回は診断を受けてから、クローズ就労をしていた間に困った場面や、就労移行支援事業所に通い始めてからのことを書こうと思います。

一個人の体験ですが、少しでも参考になればと思います。

▶次の記事:発達障害と生きる 後編~診断を受けてからの私と思い描く未来

えーる

えーる

ASDとADHDの発達障害グレーゾーン。
猫とSnow Manが大好きです。
当事者として支え合える人になりたいです。

注意欠陥多動性障害(ADHD) 自閉症スペクトラム障害(ASD)

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