効果と体験談~ADHD治療薬とはどういうものなのか
発達障害出典:Photo by freestocks on Unsplash
みなさんは「ADHD」(注意欠陥多動性障害)に対する薬について、どのように思っていますか?「効果の仕組みや副作用が気になって、服用するのに不安なものである」それとも「これさえ飲めば、すべての問題を解決してくれるものである」と思っていますか?
薬それぞれ人との相性はありますが、解説と私の体験談を踏まえて説明します。悩んでいる方の参考になればと思います。
薬の種類と経験
私は今までに2種類のADHD治療薬を服用してきました。それらについて、解説と実体験を踏まえてどのような効果があったかを説明します。
・メチルフェニデート中枢神経を刺激するタイプの薬で、脳内物質のドーパミンの濃度を高める作用があります。ナルコレプシーの治療にも使われる成分で、ADHD向けの薬剤では作用時間が約12時間になります。副作用としては依存性があること、口の渇き、食欲不振、動悸、頻脈などがあげられます。
この薬は、自分がADHDと診断されて最初のころに処方してもらいました。
服用時の効果としては頭がすっきりし、集中力や頭の回転が改善していたことと、生活リズムの乱れから来る日中の眠気を耐えられるようになりました。作用時間が12時間ということで、朝に飲むと帰宅後の夜には効果が切れると同時に、体のスイッチも切れるような感覚がありました。
普段の副作用も少しは口が乾きやすくなるなどはありましたが、日常的に困るほどの影響はなかったと思います。
効果がはっきりしていて、その点ではよかったのですが、1年ほど飲み続けていたころに薬が原因だったかは不明ですが、頻脈気味になりました。今後飲み続けていく上での不安があったため薬を変更することになりました。
・アトモキセチンメチルフェニデートに比べて、中枢神経を刺激する薬ではなく、ドーパミンの代わりにノルアドレナリンの濃度を高めます。依存性のリスクも低いとされており、作用時間も1日中続きます。ただ速効性はなく、効きはじめるのに2週間から徐々に効果が出てくるものです。メチルフェニデートよりも効果はゆるやかに感じる人が多いようです。
先ほどのメチルフェニデートから変更して、こちらを服用することになりました。服用時の効果としては、思考がまとまりやすくなって落ち着く感覚があり、集中力なども多少高まっていました。
副作用も飲みはじめ以外は強いものではなく、数年の間飲み続けることはできていました。ただ効果としてはっきりとした実感はなく、飲み続ける中でどの程度、発揮されているのか不安になることもありました。
ADHD治療薬との付き合い方
私はADHDと診断されてから、数年間治療薬を処方されて服用していました。現在は副作用が出たことや、どの程度有効なのかはっきりしないため服用を止めていますが、一定の効果を感じていた部分もあります。
個人の意見としては、就業時などのサポートとして効果があるとは思いますが、同時にそれだけですべてが解決するとは限りません。選択肢のひとつとしておくのがよいのではないでしょうか。
私は今後、服用するかを心療内科の先生と相談して決めていきたいと思っています。
ADHD治療薬の効果や副作用は個人差があるため、合う合わないが大きく出ます。しかし、上手く活用すれば、あなたの生活の改善や手助けをしてくれるかもしれません。また、薬価について経済面での不安がある場合は「自立支援医療制度」で軽減できるケースもあるので調べてみてください。 担当医と相談の上で、検討してみる価値はあると思います。
参考文献
【株式会社kaien|インチュニブってどんな薬ですか?】
https://www.kaien-lab.com
【おくすり110番|メチルフェニデート:リタリン,コンサータ】
http://www.jah.ne.jp/~kako/
【おくすり110番|アトモキセチン:ストラテラ】
http://www.jah.ne.jp/~kako
注意欠陥多動性障害(ADHD)