映画「ノルマル17歳。」から、「検索してはいけない言葉」を想う

エンタメ 発達障害

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今回は、縁あって見る機会のあった映画のお話です。「ノルマル17歳。」というタイトルのこの映画は、学校もタイプも違う2人のADHDの女子高生が、ひょんなことから出会う友情ストーリーです。

2人にはそれぞれ家庭がある(両方とも立場は弱い)訳ですが、そのうち片方の家庭は、母親が「うちの子は『普通』の枠内だ」とある種の現実逃避に陥っています。その為、診断なども認めませんし、2人の親睦についても即刻やめろとしか言いません。平たく言えば近年ネット上でとみに言われている「毒親」です。その毒親を、眞鍋かをりさんが演じていました。

眞鍋さんといえば、私のような“インターネット老人会”にとってのイメージはただ一つ、「検索してはいけない言葉」です。かつて(というか今でも)、「検索してはいけない言葉」というものがまとめられており、検索結果で上の方に出たリンクを踏むと、よくて不快な読み物や画像、最悪の場合パソコン自体を破壊しかねない危険なウイルスを送り込まれるとんでもない文化でした。

その中でもトップランナーだった検索ワードの一つが、「眞鍋かをり 住所」です。リンク先は、爆音と不快な画像のダブルパンチに、パソコン破壊クラスのウイルスまで流し込まれる、まさに“全部乗せ”の極致だったそうです。本人のあずかり知らぬ所ではありますが、「検索してはいけない言葉」の世界では女王と言って差し支えないでしょう。

いにしえのネット文化の象徴が、「毒親」「親ガチャ」といったイマドキのネット用語を連想させる役を演じることに、どことなく郷愁や懐古といった念を感じた次第です。

ただ、今の「検索してはいけない言葉wiki」には影も形も残っていませんでした。リンク先が消失したか、普通の検索では出ないディープウェブの彼方へ行ってしまったか、理由は分かりませんが今は「検索してはいけない言葉」の面影はないそうです。「goggle(グーグルではない)」も同様に消失しているそうで、時代の流れを感じさせますね。

映画の作中の話をもう一つさせて頂きますと、印象的だった場面は全然関係のない箇所です。担任教師が「そいつは、そのー…ココロの病気だから!」と何のフォローにもなっていないことを言い出す場面で、ここでは「無知がどれほど怖いか」「無知なままでいることがどれほど罪深いか」を感じました。正直、担任教師の役を中学生俳優が演じたとしても違和感が出ないのではと思ったくらいです。「無知」の体現ぶりにある意味ゾッとさせられました。

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

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