ギフテッドってなに?〜IQ130以上の「才能」と「障害」の違い

発達障害 その他の障害・病気

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ギフテッド、いわゆる生まれながらの「天才」と呼ばれる人達。アメリカではギフテッド専用の教育プログラムもあるとか。日本ではまだまだ知名度も低く、発達障害のアスペルガー症候群と混同されがちになっています。実際のところどうなのでしょうか?

ギフテッドとは?

英語で贈り物を意味する「gift」から由来する言葉で、生まれながらの才能を持ち、「天才」と呼ばれる人達の事です。統一された定義があるわけではありませんが、一般的に「ある分野において、同世代より潜在的に飛び抜けた知能を持つ人」となります。いわゆる知能指数(IQ)が高い人です。

ギフテッドの方はある分野においては天才的であっても、他の分野では上手くいかないなど、発達障害、アスペルガー症候群の特徴とよく似ている部分もある為、間違った診断を受ける時があります。

例えば、コミュニケーションが苦手で集団の中で孤立したりする時の原因として「こだわりが強い」という部分があります。同じこだわりが強いという点については、アスペルガー症候群もギフテッドも同じなのですが、ギフテッドの場合は自分の得意な分野における強い関心「能力」が先にあり、結果的に後に「こだわり」がくることなります。アスペルガー症候群の「こだわり」とは異なるのです。

ギフテッドの子どもが生まれる要因は?

遺伝か、環境かと論議されていますが、はっきりと解明されているわけではなく、現時点では、どちらも影響していると言われています。乳幼児期は遺伝の影響が強いと思われますが、その後の環境次第ではIQを高めていくこともできるようです。

精神運動性、知覚性、想像性、知性、感情性の5つの分野における過度な刺激を受けること、興味を強く持った疑問や問題を解決し、難題を乗り越えていくこと、独特な物の見方により人とは違った想像性を養うことなどの経験が、能力を高めていくことにもつながっています。

ギフテッドの種類は?

ギフテッドには、2つの種類があります。全般的に優れた「英才」と得意不得意が著しく表れる「2E」です。

英才とは、認知や記憶において全般的に高い知能をもっている人のことで、IQ130以上の場合が多いです。

2Eとは、「twice-exceptional」のことで「二重に例外的な」と言った意味になり、ギフテッドと発達障害を併発している状態のことです。ある分野には突出的な能力を有していますが、苦手とするところもあり、発達の過程に凸凹が生じている状態です。マイナス面が目立ってしまい、ギフテッドの能力に気づかれない場合があります。

ギフテッドの特徴は?

ギフテッドには、6つの分野において才能があります。「知性、創造性、芸術性、リーダーシップ、特定の学問、運動能力」この中の1つが飛び抜けて秀でた能力を持っていることになります。1つに限らず、2つ以上持っている場合もあります。

ギフテッドの特徴は、主に次の通りです。
・記憶力:瞬時に視覚的情報を記憶し、記憶するスピードも速く、一度覚えたら忘れない。
・学習力:洞察力や推理力に優れており、物事を学ぶことが早い。
・語彙力:図鑑や本から言葉を吸収し、大人顔負けの語彙力を持つ。
・完璧主義
・正義感が強い
・集中力が高い
・大人(年上の人)と話す事が好き
・探求心がある
・五感や感情に敏感である

特に子どもの頃には、素直な性格、ひとり遊び、大人と一緒にいることを好むなど、自分の好奇心や興味を追及したり、マイルールを決めて遊んだりと、一人で集中する傾向があります。心と体の発達のアンバランスさが顕著現れ、同い年の子達と馴染めず、孤立してしまうこともあります。

ギフテッドの診断方法は?

ギフテッドかどうかを調べるためには、下記の3通りの診断方法があります。
①WISC-㈿:ウェクスラー式知能検査
日本で用いられることが多い診断方法。5歳〜16歳の子どもの知能指数を調べる検査。IQ130以上が目安となる。

②総合的判断
IQの数値だけでなく、抽象的思考、概念形成、語彙力、数理能力、創造性、芸術的素養を加味して、総合的に判断する。

③RTIモデル
主にアメリカで用いられている方法で、先天的な要因と後天的な環境からの要因とを組み合わせて、学習障害がないかどうかを調べる診断方法。子どもの苦手分野を調べて、それに合わせた学習方法を提案することにより、早期にギフテッドかどうかを診断することができる。

日本で、この診断方法はほとんど使われていないのが現状です。創造性や芸術的要素を知能検査に加えて診断することが望ましい診断方法となります。

最後に

日本では、まだまだ馴染みのないギフテッドですが、「2E」というギフテッドと発達障害の両方を合わせもつ人がいるということが今回調べてみてわかりました。同じ先天性であっても、ギフテッドは「才能」であり、アスペルガー症候群は「障害」となってしまいます。「才能」があっても周囲に理解されない、ギフテッドに気づかないまま大人になっている人も多いと考えられます。せっかくのギフテッド「才能」を潰さないように、強みとして伸ばしていき、弱い部分を補える環境で過ごせるようになって欲しいと私は願うばかりです。

参考文献
Gifted Education
https://giftedkyouiku.com

ギフテッドコム
https://morisinn.com

cocoiro
https://cocoiro.me

発達障害あんちょこ
https://www.dd-anchoco.net

KIRARI
https://kirari-media.net

note
https://note.mu

Plumeria

Plumeria

新卒から総合職の営業として働き、会社の変化の流れについていけず、入社14年目にしてうつ病を発症。2年半の休職を経て復職するも、休職前と同じ業務をこなすことを求められ、対応できずに退職に至る。学生時代にホームステイをし、英語圏への海外志向が強かったため、ストレス発散と癒しを求め旅行するのが楽しみであったが、徐々にその気力も無くなっていき、現在はハワイに行くことを目標に日本でハワイ文化に触れ合うことを趣味にしている。

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