私が自閉症スペクトラムと診断されるまで
発達障害出典:Photo by Riccardo Pelati on Unsplash
私は自閉症スペクトラムです。自閉症スペクトラムは生まれつき脳の発達が異なっているため、幼児のうちから症状が出ます。私の場合は多動性や人との意思疎通がうまくできない、また集団行動がとても苦手であるなど症状がありました。25歳ごろから二次障害として、うつや不安感が出てきました。そして27歳で初めて自閉症スペクトラムと診断されました。私が自閉症スペクトラムと診断されるまでの経緯と、なぜ生まれつきの障害である「自閉症スペクトラム」に年齢による診断の誤差があるのかについて説明していきます。
幼少期からの私
幼稚園の頃は人見知りで初めての環境に弱く、先生に玄関先まで迎えに来てもらわないと教室に入れない子供でした。しかし両親はまだ幼いだけだと思い、クリニックには連れていきませんでした。また、当時はメンタルクリニックがそこまで社会に浸透していなく、珍しかったのも原因です。
成長するにつれて、友達も少しはでき義務教育は終わらすことができました。しかし、高校時代は親しかった地元の友人とは離れ、初めての環境で友達もできず不登校になってしまいました。それでも先生の補助のおかげで、なんとか高校は卒業することができました。
大学を中退する
大学生のころはゼミなどの話し合う授業に行くことに恐怖感があったため避けていました。当時の私は初めての教室に行くのにも不安感や恐怖感を感じており、コミュニケーションもまともに取れず、周囲の理解も得られていませんでした。それでも自分自身の障害に気付いていなかったため、クリニックを受診するのが遅くなりました。その結果、大学の単位を取れずに中退してしまいました。
「もしあの時、メンタルクリニックを受診し大学と連携を出来ていたら」と思いますが、あまり後悔はしていません。今となっては頑張った方です。なぜなら努力のかいもあって、症状がでていながらも大学受験に通ることができたからです。
クリニックへ何度も受診
私は今の「自閉症スペクトラム」という診断に至るまで4件のクリニックを受診しました。大学を中退したころに受診したクリニックでは「君は正常なので薬はいらない」という診断を受けました。
一度、就職したのですが、対人関係がうまくいかず退職をしたころに2件目のクリニックに受診しました。そこでは「適応障害」という診断を受け、クリニックの方針で漢方薬の治療に専念していました。残念ながら漢方薬の治療は自分には合いませんでした。
退職して1年間ぐらい引きこもりをしていた頃に受診した、3件目のクリニックでは「社会不安障害」と診断されました。しかし、主治医の先生とうまくいかず、別のクリニックに掛かることにしました。
4件目のクリニックの知能テストで「自閉症スペクトラム」という診断を受け、初めて適切な薬や治療を受けることができました。今では就労移行支援事業所に通いながら生活することができています。
年齢による診断の誤差
発達障害の診断に年齢による誤差がある原因は、自分自身を客観的に見ることができるようになる年齢に誤差があるからです。
そのため診断には初診でのカウンセリングが一番重要になってきます。私の経験では、メンタルクリニックのほとんどは初診で長めの診察時間を設けています。そこで幼少期からの知能はどうだったかなど順を追って訊かれます。はっきりと事実を伝えてないと正しく診断できません。また、知能テストなどをできるクリニックも限られており、診察だけで病名を決めるクリニックもあります。
最近は、メンタルクリニックも増え、気軽に受診できる機会が多いと思います。しかし、クリニックにも相性があります。自分の症状に疑問があるならメンタルクリニックの受診やセカンドオピニオンをお勧めします。
自閉症スペクトラム障害(ASD)