「障害者も悪くない」と思えるまで~障害受容のためのきっかけ
発達障害出典:Photo by Michael Longmire on Unsplash
「発達障害」という言葉に対して、どんなイメージを持っていますか?
何も知らなかった以前の私は「普通の人とは違う」「変わった人」などと、マイナスなイメージを持っていました。
そんな私が、自分の発達障害を受け入れることができるようになったきっかけをご紹介します。
発達障害と診断されて
私は、社会人3年目のときに発達障害の診断を受けました。検査を受け、自分が発達障害だと分かったときは、とてもショックでした。障害は、いつかは治る病気とは違い、一生付き合っていかなくてはならないものだと知って、さらに落ち込んだのです。
子どものころから、周りから浮かないように気を遣い、怯えて生きていました。そんな私にとって発達障害の診断は「お前は普通ではない」と突き付けられたように感じました。診断を受け入れられず、通院を止めたり、自宅に引きこもってしまったのです。二次障害として、うつ病も患っていたため、落ち込みが激しく、自分を否定して、目の前の問題から目を背け続けました。
前を向くきっかけ
自己否定をし続けていた私が、障害を受け入れ始めるきっかけがありました。それは医師から紹介された障害者手帳や、障害者年金などの制度です。私はそれらの制度について、そのとき初めて知りました。
「障害者手帳」を持つと、公共施設や交通機関の割引などお得なことがたくさんあります。また、障害の程度によっては「障害者年金」を受給することも可能です。
金銭的な面でこんなにメリットがあるのなら、障害者として生きていくのも悪くないと思いました。健常者として生き、普通の生活をするよりも、幸福でラッキーかもしれないとまで思えました。おかげで、発達障害に対する、私の中のマイナスなイメージを払拭することができたのです。
この考え方をずるいと感じる人もいるかもしれません。賛否両論あるでしょう。それでも、私が障害を受け入れ、前向きになるための、大きなきっかけであったことは事実です。
お得なことや、お金が絡む話は「はしたない、卑しいことだ」と嫌う人が多いです。しかし、生きていくためにはお金が必要ですし、お金があることは心の余裕に繋がります。
私自身の心の健康を整えるのために、お得な制度や手段を積極的に知って、利用したいと考えています。なぜなら、私は発達障害を持っていて、それらを利用する権利があるのだから。
最後に
障害を受け入れるには、人それぞれのきっかけがあると思います。私は「知る」ということが、すべてのきっかけに繋がると考えています。何も知らなければ、きっかけを得ることもできません。障害について知ること、自分自身について知ることが障害受容には必要なのです。
私は、障害と自分自身を受け入れることで、生きることが少し楽になりました。何も知らずに沈んだ気持ちのまま生きていくのは、もったいないです。どんなきっかけでもいいので、前を向いて、気楽に生きていきたいと思いませんか?
そして利用できる制度は、どんどん活用していいと思います!引け目を感じる必要はありません。私たちには、その権利があります。周りの目を気にするよりも、自分自身の心の健康を保つことが、なにより大切です。
障害者を支援する制度は、障害を受け入れ、上手く付き合っていく助けになります。詳しく知って、活用することで、みなさんの人生が豊かになることを願っています。
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