脳内反省会をやめよう!~枕を涙で濡らさない優しい習慣
双極性障害(躁うつ病)出典:Photo by Darius Bashar on Unsplash
脳内反省会をした経験、誰しも1度はありますよね。「言ってしまったこと」や「やってしまったこと」が頭をぐるぐるして眠れない……。
たまにそういう日があるくらいなら心配いりませんが、毎日だと日常生活に支障をきたす恐れがあります。
今回は、気持ちよく眠りにつくために「脳内反省会をしなくなる方法」をご紹介します。大きな副産物もえられるのでぜひチャレンジしてみましょう!
脳内反省会がなぜいけないのか
まず、脳内反省会とは読んで字のごとく、頭の中であれこれと反省することです。実は本当の意味での「反省」を脳内でできているのであれば、それはとても理性的な行動で評価できることです。
しかし、脳内反省会をつらいと感じるなら、それは「反省」ではなく「反芻」してしまっているのです。
失敗の反芻を繰り返していると、嫌な記憶が頭にこびりついてしまって、ふとしたときに、いても立ってもいられない恥ずかしさや悔しさを感じるようになり、また脳内反省会を始める、という悪循環に陥ってしまいます。
その結果、寝つきが悪くなったり、いつも人の顔色をうかがいながら喋ってしまったり、酷い場合にはうつ状態を引き起こすきっかけになってしまうのです。
脳内反省会をしなくなる方法
では、ここからは脳内反省会をしなくなる方法をご紹介していきます。
と言ってもとても簡単で、自分の頭の中にある言葉、すなわち「気持ち」を「すべて紙に書き移す」だけです。
それだけ?と思われるかもしれません。しかし、頭の中のモヤモヤを全部言語化するという作業は、慣れるまでは結構根気がいるものです。
私の場合は、寝る前に「気持ち」を30分~1時間ノートに書くようにしています。
これをしっかりおこなうと、第一に頭の中がスッキリして、脳内データが紙に移行されたような感覚を味わえます。
そして第二に、自分の言動を客観視できるようになります。
「後悔していることは果たして、本当に悩まなければならないものなのか?」大抵の場合はそんなことはありません。ただの考えすぎです。
それに、もし自分の言動が本当にまずかったなら、謝ったり、やり直せばいいのです。
紙に書くと自分の考えてることを客観的にみられるようになり、そのおかげで、解決方法を考えやすくなります。
頭の中のモヤモヤもスッキリして、悩みの解決方法もわかったら、もう脳内反省会は行われません。安らかに眠れて、明日の気分も楽になります。
ちなみにこれを習慣化すると、小さなことなら紙に書かなくても頭の中で処理できるようになります。これが本当の意味での脳内「反省」会だと私は思います。
私の活用方法
さて、ここまで脳内反省会について具体例をださずに書いてきましたが、ここで私の「脳内反省会をやめたおかげでできるようになったこと」を紹介します。
私は10年前から双極性障害と睡眠障害に悩んできましたが、先の方法で寝る前の不安感はかなり解消されて、睡眠の質の向上につながりました。
双極性障害は、ざっくりいうと「ブレーキが効かなくなる躁状態」と「落ち込みの底がなくなるうつ状態」を繰り返す病気です。
脳内反省会をやめるために「気持ちをノートに書き移す」ことを続けていたら、そのうち「今いろんなことをやり過ぎてるな」とか「気にしなくていいことをずっと気にしてるな」とか、悩み以外の行動も客観視できるようになって、ブレーキをかけたり気持ちを引き上げたりできるようになってきました。
躁うつの波が大きくなる前に、こまめに紙に書きだして自分の状態をチェックしています。
大きな副産物
少し話は変わりますが、自分の言葉で話せない方、結構いるのではないでしょうか。「何でもついつい同意してしまう」「思ってることが言えない」「そもそも自分の意見がない」「返答がパターン化してる」などなど……
私もその1人でした。
ずっと自分の言葉を話せないでいると、次第に自分がなにを感じているのかさえわからなくなってきます。
自分のことをわからないままでいるのは、自己否定することと同じくらい寂しいものです。
ですが、脳内反省会をやめる方法を続けていたら、ある日、口からするする言葉がでてくるようになりました。あの日はとても気持ち良かったです。
自分の言葉を手に入れられた経験は何物にもかえがたく、大きな一歩になりました。
おわりに
私が頭の中を紙に書き始めたきっかけは「誰でもいいから私の話を全部聞いて」という思いからでした。その行動が連鎖反応を起こして、私に多くの気づきをもたらしてくれました。
脳内反省会をたくさんしてしまう私たちは、きっとたくさん考えてしまう性格なのです。
けれども、それは決して悪いことではありません。
考えていることを、どんな形でもアウトプットできれば、それは「自己表現」に昇華され、そこからよい連鎖反応が生まれるのではないでしょうか。
双極性障害(躁うつ病)