ADD(注意欠陥障害)とは何か。ADHDとはどう違うのか
発達障害ADHDは発達障害の代表格としてよく知られておりますが、ADDについてご存知の方はどれくらい居るでしょうか。下手をすれば脱字やまがい物扱いを受けることもありますが、ADDもれっきとした発達障害の一種です。
ADDとは「注意欠陥障害」と呼ばれており、ADHDと比べると「多動」が抜けていることになります。だからといって多動がないぶん楽かと言われると、決してそうではありません。
語源から整理しよう
まず語源から両者の違いを探ってみます。ADHDは略さず言うと、「Attention Deficit Hyperactivity Disorder」となります。このうち、Attention Deficitが注意欠陥、Hyperactivityが多動性、Disorderが障害と訳されます。ADDは、多動すなわちHyperactivityがないため、「Attention Deficit Disorder」が正式名称となります。
注意欠陥でどうなる
ADDの特徴は、しばしばADHDのほぼ写しで語られます。ADHDでいう注意欠陥のところをそのまま写せば大体は説明がつくのではないでしょうか。
唯一の違いとなるのは「多動性」です。これが幼少期ですらほとんど見られず、「注意欠陥」の傾向のみが見られる状態であれば、ADDと診断される訳です。多動性はないが注意欠陥の傾向が強い、というのは極端な例えではありますが。
とはいえ注意欠陥だけでも以下の特徴が、生活に支障をきたすレベルで出てきます。
・よく物を忘れたり失くしたりする
・スケジュール管理が非常に下手
・同時進行しようとして失敗する
・片付けや整理整頓に難あり
・集中して話を聞くことができない
・気分の変動にムラがある
・金銭管理が苦手
「このくらいのこと誰にでも」と言う方が偶に居ますが、ADDだとこれらがあまりにも頻繁に、しかも幼少期からずっと起こっています。頻度の問題、加えてミスするたびに周りから責められることによる二次障害リスクもあるでしょう。
境界線はよく分からない
とはいえ、ADHDとADDが混同されたり、ADDが脱字扱いされたりするのも事情があります。実は診断の線引きが明確に為されておらず、決定的な違いとなる多動性を認めるかどうかが難しいそうなのです。多動性は加齢とともに落ち着くとはいえ、「身体面での多動性は落ち着いたが、心の面では多動性がある」という考え方も出来る以上、判断しづらいのです。
参考サイト
「ADD」と「ADHD」の違い─ADD(注意欠陥障害)の診断基準や特徴
https://cotree.jp