発達障がい〜神からの贈り物〜

column8月号 閑話休題 この夏の困りごと(『発達障がい~神からの贈り物~』第105回)

発達障害

UnsplashLiana Sが撮影した写真


『発達障がい ~神からの贈り物~』 第105回 <毎月10日連載>

その時、私は本州最南端の潮岬まであと少しのところにいた。そして突然の警報。あのカムチャツカ半島の地震による津波の。

真夏の過密スケジュールをこじ開けてやっと辿り着いた南海の僻地。ここで一日中海に潜って熱帯魚と一緒に泳ぐ予定だったのに。

高台で情報収集して警報が解除されるのを待ったが昼を過ぎてもその気配は皆無。高台の下ではリーフの間をアカウミガメが悠々と泳いでいる。今この海にエントリーできたらあのウミガメと泳げたはず。悔しいが今日は海に入れそうにない。後ろ髪を引かれながら単車にまたがって約7時間の帰路についた。

そういえば過去にも似たことがあった。前乗りでキャンプして翌朝に那智の滝に行くつもりが、東に抜けた台風が通常とは逆の西に進路を取り、朝4時にテントを畳んで台風を避けて峠を幾つも越えて帰路についたことがあった。結局那智の滝には行けず。その時に思った。次回那智の滝に行けたら今回の経験の分だけ余計に嬉しく感じられるかもしれない、と。

今回の経験も同様かもしれない。何も困らずにウミガメと泳げたら嬉しいだろうが、一度悔しい経験を積むことで次回喜びは数倍にも増すだろう。

できることなら困らずに人生を歩みたい。だがそんなことはあり得ない。だったら困りごとが人生の喜びを大きくしてくれるものと捉えるのも良い考え方かもしれない。そう思えると困りごとが有り難いものと感じられたりする。

人生に困りごとはつきもの。しかし困りごとこそが人生を裕福に変えてくれるものかもしれませんね。


公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

Kei(ケイ)スズキ

Kei(ケイ)スズキ

★個人学習塾えるすた講師
★いずみハッタツ友の会代表、高知大学農学部卒
★過去職歴:放送ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、カメラマン、道化師、学習塾経営、Webプログラマーなど
★10年の鬱の後に発達障害の診断を受ける。現在はピアカウンセリングサポートにも積極的に関わる。自称『人生を楽しむパイオニア』
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