双極性障害と性格の関係性について〜自身の過去を振り返って

うつ病 双極性障害(躁うつ病)

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私がうつ病、そして後に双極性障害を患うに至った経緯と私自身の性格を振返り、その関係性についてお話したいと思います。私が精神科で頂いた診断書には病名は記載されておりましたが、原因は不明と書かれています。診察と薬物療法を続けており、完治する病気ではなく、今後も薬と病気とは一生お付合いしていくことになりそうです。この病気になった背景には環境の変化やストレスなど外的な要因もありましたが、私の幼少期から作り上げられてきた性格や考え方など内的な要因も関わっていると感じます。そのため一重にこれが原因とは言い切れないのでしょう。私の経験が気付きのきっかけになれば幸いです。

うつ病に至った経緯

私はごく一般的なサラリーマンでした。30歳を目前に昇進し、結婚を経験し、仕事・プライベート共に目まぐるしく変化が起こりました。仕事では昇進に伴って求められる仕事のレベルも上がりました。若手社員の模範となるよう叱咤激励される機会も増え、精神的にも身体的にも疲弊するようになったのです。自身の性格から妻に限らず誰かに愚痴や弱音を吐くこと、相談することが苦手で出来ませんでした。休みの日も仕事のことが頭から離れず、オン・オフの切換えが出来ずにストレスが溜まる一方でした。そしてある日会社の事務所でお客様に提案する資料作りをパソコンに向かってしている時に心がざわつき始め、事務所にいることが息苦しくて溜まらなくなり、逃げるようにトイレに駆け込みました。糸がプチンと切れた様に涙が溢れてしばらくトイレから出られませんでした。その後話しやすい上司の方にSOSを出したところ精神科へ行くようアドバイスを頂き、そのまま診断がくだり、長期休職へとつながりました。

自身の性格

私は3人兄弟の真ん中で姉と弟がいます。姉は小さな頃からとても優秀でしっかり者の姉でした。小学校では塾に通わずとも成績優秀。中学校でも勉学・芸術とも成績優秀。高校でも勉学・芸術とも成績優秀。大学も自分の希望を持って美術大学に進みました。社会人になってもお店の店長を任される程信頼されていました。このようないかにも優等生な姉がいたので、親はいつも通知表や表彰状を見ては褒めていたのです。私は姉のように勉強が出来た訳ではなく、人見知りで社交的ではなかったので、塾に通わせてもらったり、YMCAという青少年の野外活動(ボーイスカウトのようなもの)に入れてもらいました。親から褒められたという記憶はあまりありません。自然と優秀な姉を見て育ったので、親や先生に認められるには真面目であらなければならない、学校では良い点数を取らなければならない、何か得意なことを見つけなければならないと勝手にそういう考えに縛られていきました。結果として、姉の後を追うように同じ高校へ行き、大学は父と同じ大学へ行きました。学生時代そして社会人になってもずっと先生、先輩、上司など上の人の顔色を敏感に見る癖がつきました。どうしたら良く見られるだろうか、気に入ってもらえるだろうかということを意識していました。きっと幼少期から自分は姉と自身を比較して劣等感に駆られていたので、どこか認められたいという欲求が強かったのかもしれません。

認知の歪み

話は変わりますが認知行動療法というものはご存知でしょうか。認知行動療法とは自身の考え方・捉え方の癖に気付き、良い方向へ捉えるという心理療法です。認知の歪みの定義は10パターンに分けられます。これらの考えの癖は決して悪いことではなく、ある出来事があった時にとっさに出てしまうものです。大切なのはあくまでも今自分は○○の考えになっていると気付くこと、そしてその後に違った角度から捉え直してストレスを軽減することです。自分に厳しい方は少しでも自分を肯定してあげることで気持ちが楽になると思います。私も研修で習っていますが、今までいかに自分を肯定出来ていなかったかを痛感しました。以下のパターンを参考にしてみて下さい。

1. 全か無か思考
(例)テストで99点だったけど100点取らなければ0点と同じだ。

2. 一般化のしすぎ
(例)国語で30点だったから他の教科も全部酷い点数に違いない。

3. 心のフィルター
(例)テストで60点だった。40点も減点されるなんて、自分は勉強ができない。

4. マイナス化思考
(例)100点だったけど、今回は運が良かっただけで、基本的に勉強できない。

5. 結論の飛躍
●心の読みすぎ (読心術)
(例)30点で友人に笑われた。勉強できないヤツだと思われた。友人がどのように考えて笑ったのか、根拠も無いのに、バカにされたと自分の中だけで決めつけている。

●先読みの誤り
(例)頑張ったが50点しか取れなかった。これでは希望の大学には入れないだろう。

6. 拡大解釈と過小評価
(例)20点なんて、とんでもなく酷い点数を取ってしまった。100点を取った。100点取れる人はこの世にたくさんいるのだから自分はたいしたこと無い。

7. 感情的決め付け
(例)20点しかとれないなんて腹が立つ。こんな腹が立つテストは何点だろうがどうでもいい。

8. すべき思考
(例)20点、テストでは70点は取るべきなのに。

9. レッテル貼り
(例)0点、私は駄目な人間だ。

10. 個人化
(例)20点、テストは難しかったが、こんなに酷い点数を取ってしまったのは全て自分のせいだ。

まとめ

自身に当てはまる認知の歪みの定義は、10パターンの中で特に傾向が強いものが『すべき思考』と『拡大解釈と過小評価』です。私の小さな頃からの体験からも、上の人や周りの人から認められるには○○をすべきだ。例えば約束した時間を守るべき、良い結果を残すべき、気を配るべき、自分のことよりも他人のことを優先するべきなど、挙げれば切りがないほど『すべき思考』に縛られているので、そこから少しでも逸脱した行動、失敗をしてしまうと酷く落ち込んでしまいます。『拡大解釈と過小評価』についても子どもの頃優秀な姉を見ていたように、会社の中でも特に優秀な人がいるとその人と自分を比べてしまい、出来ている事があっても自分を褒めてあげられない、優秀な人の実績の方にスポットライトを当ててしまいがちです。

以上のように、私の性格は幼少期からガチガチに固められてきたので、少しは考え方に遊びを持たせて、自分を誰かと比較するのではなくて、自分で自分を認めてあげられるようになっていれば少しはストレスが少なく、うつ病から双極性障害の発症を予防出来たのかなと思いました。ですが、これからは双極性障害も個性の一つと前向きに捉えてうまく付き合っていきたいです。

参考文献

認知の歪みの定義10パターン ~ 思考のマチガイを見つけるツール
http://fernwelt.net/b

Lemon

Lemon

双極性障害の30代男性。新卒から営業職として勤めて中堅になってから鬱症状を発症。休職中に躁転し、その後病状が安定してから病気を伏せて就職するも再発し、再度休職、退職し現在に至る。現在は体調安定、自身の病気への理解、就職へ向けた研修を受けています。次の就職先では病気をオープンにして健康第一で無理のない仕事に就いて、長期就労を目指しています。

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