自閉症スペクトラムと、とある呪文。

発達障害

unsplash-logo Harshal Desai

前回のコラム「ある日突然襲ってきた謎の震え」でも書いたように、私は緊張などが原因で頭が震える、といった症状があります。これと同時期に起こり始めた他の症状、そして2年前に発覚したことについて今回は書かせていただきたいと思います。

上り階段への恐怖心

まず、頭の震えと同時期に起こり始めた他の症状についてです。それは上り階段への恐怖心です。高校生になり、毎日の電車通学が始まりました。駅にはたくさんの階段があり、乗り換えも含めると階段を使う機会がたくさん出てきました。

ある日突然、階段を上ろうとすると、どこを上っているのか、次に出す足は右なのか左なのか、今自分はどこに立っているのか。そんな考えが一瞬のうちにバーッと頭を駆け巡り、パニックになってしまうようになりました。酷いときには手すりを持っても怖く、さらに酷いときには階段に手をついてしまうほどで、今でも治っていません。下り階段に対しての恐怖心はありません。病院で聞いたところ、原因はストレスかもしれないと言われましたが、詳しい事はわかっていません。

この症状が起こり始めたことによって私が伝えたいことは前回の記事と同じで、“もしかしたら困っているのかもしれない・・・”と考えてみてほしいということです。自分ができる“当たり前”が必ずしも相手もできるわけではないことを心に置いておいてほしいのです。

2年前に発覚したこと

私は2年前に自閉症スペクトラムと診断されました。頭の震えの原因を調べるために脳波をとってもらったことがありました。そのときに気になる所見があったようで、心理検査も受けることになりました。その結果を照らし合わせたところ発覚したそうです。しかし心理検査の結果を聞いたとき、自閉症スペクトラムだと聞き逃してしまっていたようです。

仕事を辞めて無職になり、約3ヶ月が過ぎた頃でした。自分でインターネットで仕事を探していたのですが、困りごとや苦手なことが多くどうしようと悩んでいた時期でもありました。数ヶ月経った頃、なかなか仕事探しが上手くいかないことを通院している病院で医師に相談したところ、病院内のカウンセラーの方に話を聞いてもらえる事になり、困りごとや苦手なことを相談しました。するとすぐに、「発達障害の可能性があります」と伝えられ、私のカルテを見て、「心理検査の結果を伝えられたときに自閉症スペクトラムと診断されていますよ」と教えていただき、そこで初めて自分が軽度の発達障害だとわかりました。複雑でしたが、ホッとした部分が大きかったです。なぜホッとしたのかというと、自分の中で困りごとや苦手だと思っていることが甘えだと思っていたからです。

困りごとと苦手なこと

ホッとした部分が大きかった、とは言いましたが、実際困り事や苦手な事は多く、例えば曖昧な指示だと理解出来なかったり、早口で話されると理解出来なかったり、一度にたくさんのことを覚えられなかったり、1つの事に対して何度も確認しないと不安になったり、2つの事を同時にするのが難しかったり、自分が見たり聞いたりしたものを人に伝えることが難しかったり、急かされて作業をするのが苦手だったり、要領が悪く、段取りを考えるのに時間がかかったり、人の顔色ばかりうかがってしまい自分から話しかけたりするのが苦手だったり・・・。そこでカウンセラーの方に就労移行支援などの存在を教えていただきました。そして今、就職を目指して、就労移行支援の事業所に通所しています。カウンセラーの方と話をしていなければ今頃どうなっていたかと考えることもあります。事業所などのことも知らず、通所もしていなかったかもしれません。そう考えると、あのとき医師に仕事探しが上手くいかないことを話せてよかったと思っています。

とある呪文

「私でもできるのにどうしてあの人にはできないの?おかしいでしょう?」こういう言葉を耳にしたことがありました。私に向けられた言葉ではなかったのですが、できないことや難しいことが多い私がこの言葉を聞いたときはドキッとしました。私もあの人と同じようにできていないのにと。しかし自分ができることが必ずしも相手もできるとは限りません。むしろ人それぞれできることは違い、できないことも違います。そう考えられるようになったのは、私は何もできていない、人の顔色ばかりうかがってしまう、ということを相談したある人から教わった呪文を唱えるようになったからです。

“私は私、あの人はあの人”

これを呪文だと思って唱えてみて、と教わりました。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、そうだな・・・と思いました。いざいろいろな状況を目の前にすると難しいことだなとも思いましたが、難しいことだなと思ったときだからこそ、この呪文を唱えるようにしました。これを繰り返すことでくせがついてきます。人の顔色ばかりうかがっていた私が、何事もそこまで気にすることはない、と思えるようになってきて、少し心が軽くなりました。

階段を上ることへの恐怖心には今でも勝てていませんが、教えてもらった呪文を唱えることで何事もそこまで気にすることはないと思えるようになってきたように、困りごとや苦手なことを少しでも良い方向に考えられるようになれるといいなと思います。

最後に、いろんな状況で直面する、誰かと比較されること、または比較してしまうこと。そんなときには是非この呪文を唱えてみてもらいたいと思います。

ひよっこ

ひよっこ

大阪生まれ、大阪育ち。自閉症スペクトラムと不安障害を持っています。
好きな食べ物は天ざるうどんで、特にかぼちゃの天ぷらが好きです。
昼寝をするのが幸せな時間です。

自閉症スペクトラム障害

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