しんどい心をゆるめる読書禄#2~『7つの感情 知るだけでラクになる』

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こんにちは、かのんです。

今回は本を読んでみて第2回となります。こちらのコラムは、統合失調症の当事者として、本を読んでどんな感想を抱いたのかを、お話していければいいなと思っています。

今回読んでみたのは『7つの感情 知るだけでラクになる』という本です。

この本はプロローグと、本編第7章とエピローグからなっています。

7つの感情というのは、
怒り・不安・恐怖・悲しみ・抑うつ・寂しさ・罪悪感の7つです。

これらの感情を1つ1つ深堀して、お話してくれています。

これらの感情を見てみて、気になる項目というのは人それぞれではないでしょうか?

かくいう私は、怒りと、不安に目が行きました。

今回この本を選んだのは、私が凄く不安になっている時に、どうしたらいいのかな?と、病院以外でも、何か学んで、頭で理解を深め、解決したい。と思ったからなのです。

私は不安を解決したくてこの本を手に取ったのですが、第1章の怒りについても、色々と考えさせられました。

私は統合失調症を患う前は、あまり怒りを表にだすという事が中々なくて。家族の中にもの凄く怒る人がいたので、怯えて暮らしていました。

しかし統合失調症、精神の病気を患ってからは、私自身、人が変わったように、わーっと怒鳴り、暴れていることが多々ありました。今でこそ回数は随分と減りましたが、酷かった時の事は覚えていて、本当に『怒り』には煩わされてきたなあと思っています。

そんな怒りを少しずつではありますが、コントロール出来るようになってきたのは、この本とはまた別の本なのですが、怒りを手放すとどれほどいいことが起きるかについて、書かれている本があって(これもいつかご紹介出来ればいいなと思います)、その本を読んでから、怒りに対しての思いが変わってきたのと同時に、その頃に怒りとは不安の裏返し。私の場合、怒りが起きるときはいつも中心に不安を抱えていたと、気が付くことが出来ました。

ですので、怒りをコントロールするよりも、その中心の不安を解消する方がいいと、思えたのです。それから、私自身、趣味のイラストを描いたりしていて、やはり続けていると段々とスキルアップしてくると言いましょうか。練習するぞ!と決めて描き始めた時と、今現在とでは、上手さが違ってきたので、それも不安をかき消す1つになりました。イラストを描いている時は不安を忘れて、楽しく没頭出来るという、不安解消からの怒りのコントロールが少しずつ出来るようになってきた!に繋がっていたのです。

このように、何がきっかけになるのか。本当に思ってもみなかったことが、自分の助けになることもあるんだなあと知りました。

このようにして、私は怒りを少しずつではありますが、和らげていくことが出来るようになったのです。

では不安についてですが、不安は依然としてまだあります。

私は特にトラウマ的なものからか、時間帯によって不安になる時間帯があったりします。

ですので、その不安になる時間帯は、病院から出された頓服を飲んでやり過ごすこともあるのですが、どうにかならないか?と思い、現在読書をしながら、探っている最中です。

不安は悪いものばかりではなく、危険から守ってくれる能力でもあると思います。

ですが、私の場合、度が過ぎるほど、不安状態になってしまうことが良くありました。

そのせいで日常生活において、不安さえなければ、穏やかに過ごせるのにと思ったことが多々あります。

不安状態の時の事を振り返ってみると、同じことがループして頭に浮かんでいるな(トラウマ的に)、という事があるのと。後はそうなるんじゃないか?と予期不安を起こし、現実に起きてもいないことを、起きているかのように、また起きるんじゃないかと心配して不安に陥ってしまうことが多かったです。

トラウマ的な症状の不安については、病院からの漢方で幾分マシになってきていると思います。そして予期不安は、実際に起きてはいないよ、とそこまで悪くはならないよ、とその時とは違う視点から物事を見るように、練習をするという形で、少しずつ和らいできました。

そして、自己流ではありますが、不安になりそうな時間に、楽しい事をする。というのも1つの手だなと考えます。私だったら、イラストを描くとか、好きな音楽を聴くなどと言った事です。

コラムを読んでくださっている皆さんも、不安になる時間帯がもしあれば、その時間にあえて楽しい事をやってみるという方法も役に立つかもしれません。


そして本に書かれている、恐怖・悲しみ・抑うつ・罪悪感・寂しさ、が起きたとき。

やはりそれらの感情が強く出ると、しんどいので、その事柄の一例を出しつつ、本書はこうして考えていくのがいいのではないか、とアドバイスをくれます。

そしてエピローグにて私が勇気づけられたのは、『これらの感情で苦しんでいるのは自分1人ではない』ということです。

私は病気が発症する以前も、恐怖といった感情から、一方向しか見えていないような、視野が凄く狭まっていたなと思っています。

ですが、最近から思ったことではありますが、周りを見る、ということ。自分だけではない、周りの方達に色々な面でサポートして頂いているなと、気が付き始めました。

母然り、病院の方々、福祉の方。就労で知り合えた職員さん達。そして友人達。

1人ではけしてなかったという事が、見えてきました。

と、同時に、これからは自分自身も、無理のない範囲ではありますが、励んでいきたいなと、前向きな気持ちになっています。

自分を過去に支えてくれた方も、巻き込んで、今自分自身が暮らしているという事を、改めて認識させられました。

人の感情というものは、ポジティブな楽しさ、嬉しさ、幸せといった感情ならば良いが、ネガティブな感情はダメ。というモノでもないのだなとも、気付けました。

ネガティブな感情は強すぎるとしんどくなりますが、自分が暮らしていくことの、エネルギーに変えて。

これからは自己否定せず、その時の感情も〇で、ありのままの自分自身を受け入れて、進んでいければいいなと、考えさせられた本でした。

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参考文献
『7つの感情 知るだけでラクになる』
著者 玉井 仁
発行 公益財団法人モラロジー道徳教育財団

かのん

かのん

20代前半の大学生の頃に精神科を受診。統合失調症と診断される。統合失調症の中でも、不安障害やPTSDなど症状は多岐に渡る。GW(グループワーク)や、地域活動支援センターなどを利用し、紆余曲折を経て現在就労継続支援B型へと通所と在宅を併せての利用の運びとなった。
創作が好きでイラストや漫画を描いたり、小説を書くことを趣味としている。

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