発達障がい〜神からの贈り物〜

得意な分野を伸ばすことで、苦手も克服できる~発達障がいの特性を理解して能力を伸ばそう(『発達障がい~神からの贈り物~』第4回)

発達障害
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第4回 <毎月10日連載>

出典:http://imcreator.com


自助会を開催する中で、『人並み』に振り回される人を多く見ます。人並な職業、人並な収入、人並な恋愛…、そして人並みを目指す人はほとんどが失敗を繰り返し、深い闇に落ちていきます。同様に家族会でも、自分の子どもが他の子どもと同じように出来ない、という『人並み』病にとりつかれている保護者を多く見ます。

一方で、発達障がい者は特殊能力と呼べるような才能を持ちあわしたりもします。実はこれが生き辛さに大きく影響しているのですが、『○○できるのに、××はできない』という風にできることを基準にできないことをできるように望んでしまいます。『電車の駅名は路線ごとに全て言えるのに、計算は全くダメ』そんな風に長所と短所をごちゃまぜにしてしまうのでことがややこしくなってしまいます。

私は昨年よりハッタツ塾という啓発活動を行ってきましたが、最初の講義で自分の得意分野をしっかり持って、誰にも負けない土俵を作ろう、と呼びかけてきました。この得意分野は仕事や社会に役立つことでなくても構いません。自分の心の中に得意分野があることで自己肯定は大きく変わります。そして、自分の得意なことに集中している人のほうが結果的には苦手なことも減っていく傾向が顕著に見受けられます。

発達障がいは能力の凸凹であるとよく表現されますが、得意分野と苦手分野に大きな差があるのが特徴です。得意分野と苦手分野のバランスも人によって違い、ある一部分だけに能力が高い人もいればある一部分だけの能力が極端に低い人もいます。ここが難しいところでも、だから発達障がいの支援が難しいと言える一方で、だからこそ発達障がいは個性的で受け入れられれば楽しいとも言えます。

更に、得意分野は大きな努力を必要とせずにどんどん吸収できるのに対して、苦手分野は人一倍の努力でどうにかなることがほとんどありません。人の数倍努力しても人並みにならないことが殆どです。しかし,全くできないわけでなく人の数倍努力することで人並み以下ではあっても少しずつ成長できたりします。なのでついつい『やればできるのだから…』となってしまい悪循環にはまってしまいます。

どんな人にも得手不得手はあります。前回のコラムでは受け入れることの大切さを説きましたが、発達障害者にとって自分の苦手なことへの受け入れは大きな意味を持ちます。(当然全ての人に言えると思いますが…。)結果的には自分の得意なことに集中して苦手なことを諦めたほうができることが増え出します。それがなぜかと説明すると、ほとんどの人は苦手なことを人並みにやろうとするときに平均値的なものを目標としてしまいますが、この目標が簡単にクリアできるものであれば良いのですが、他人よりもエネルギーを注いだところでクリアできないことがほとんどであり、そうすると、事ある毎に自分が『出来無い人間である』という再確認をしてしまいます。そうなってしまうと、所詮自分は何をやってもできない、そんな風に考え出します。そんな人がなにか事を成せるでしょうか?簡単なことです。自分を信じる力を失うことで、できるものまでできなくなってしまいます。

私はこれまで様々な業界を渡り歩きましたが、特に音楽業界で、ミュージシャンと呼ばれる人たちはASD傾向の強い人が非常に多く、放送業界のディレクターやプロデューサーと呼ばれる人たちはADHD傾向の人が圧倒的で、技術職の人たちはASD寄りの人をよく見かけます。一般的にもプログラマやエンジニアや、芸術家などにも発達障がい特性の強い人が多いと言われます。彼らは苦手な分野への意識よりも得意な分野への意識が強かったのだと思われます。

もしあなた自身が、またはあなたのお子さんがもっと前向きな人生を歩むことを望むなら、一旦人並み病から離れ、自分らしく生きることを選択してみてはいかがでしょう?自分らしく生きている人のほうが結果的に苦手意識が弱まり、周りの目からは人並みに生きれているように見えたりもします。

私自身も人並に生きようとしていた頃は毎日が地獄でしたが、人並みを諦め自分らしさを貫く生き方を始めたことで、毎日が楽しくなっただけでなく、周りの多くの人から人並な評価を受けるようになりました。人生は裏腹なものですね。人並みが欲しいと思えば思うほどダメな自分を見つけ、ダメで良いやと開き直れば人並みに見られる…。きっと人生とはそんなものだと思います。

苦手分野より得意分野、ダメな自分よりできる自分、そんな風に意識を変えると人生が自然に肯定的に回り出すはずです。お試しください。


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Kei(ケイ)スズキ

Kei(ケイ)スズキ

いずみハッタツ友の会代表、高知大学農学部卒
放送ディレクター、スタジオ・ミュージシャン、カメラマン、道化師、学習塾経営など職を転々とする。10年の鬱の後に発達障害の診断を受ける。現在は福祉職員として当事者目線での支援を行う傍ら、ピアカウンセリングサポートにも積極的に関わる。自称『人生を楽しむパイオニア』
公式ブログ https://ameblo.jp/suzie-net

注意欠陥多動性障害(ADHD) 自閉症スペクトラム障害(ASD)

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