『好き』は力になる。(『発達障がい~神からの贈り物~』第62回)
発達障害Photo by Clay Banks on Unsplash
『発達障がい ~神からの贈り物~』 第62回 <毎月10日連載>
発達障害の代表的な特性として『こだわりが強い』『得手不得手の差が激しい』『好きなことは何時間でも続けられる』などが挙げられると思うが、これって裏返して考えれば才能になり得ると思いませんか?
著名な学者やトップアスリートたちに共通する部分、それが前述した発達特性と同じだったり。
私も自分自身の経験を振り返って、道化師、カメラマン、ディレクター、スタジオミュージシャン、WEBプログラマー、広告デザイナー、音響レコーディングエンジニアなどなど、たくさんの芸能人たちと仕事をしたり、自分でも考えられない過去がある。これらもきっと発達特性のおかげだったんだなって今は思う。
勿論、発達特性による苦しみもたくさんあり、人生を投げ出してしまったこともあるが。
昨年、一昨年はコロナ禍で社会活動が制限されたこともあり、私自身は多くの時間をスポーツに割けた。人生初の軟式野球のリーグ戦で盗塁成功率100%を達成し、海上での水泳のレースに参加し、自転車で淡路島一周…。これらも好きなことを徹底的にやりきれる発達特性が故に人生を大いに楽しめている。
しかし、福祉職員として見てきた現場でこれらの発達特性を活かせている人ってほんの一握り。上記の発達特性は彼ら利用者や福祉施設からは改善すべきポイントとして捉えられていることが圧倒的。そして、それらが改善できている人なんて福祉現場だけでなく自助会などを含めても見たことがない。
私自身も過去は自身の性格を改善したいと何度も試みたが、その時期が人生で最も暗いように思える。人間の本質なんてそう簡単には変わるものではない。
以上のようなことから私個人の今年のテーマとして『好きは力』として活動していこうと思っています。活動内容は追って話そうと思いますが、好きなことって人生の力になる。
人生が楽しくないのに何かをしようとエネルギーが湧き上がりますか?好きなことだと挫折にも向き合える。好きなことをやりきれない人が勉強や仕事を最後までやりきれるでしょうか?逆に好きなことを続けるために嫌なことや苦手なことにも徐々に向き合えるようになる。
そもそも得手不得手の差が大きい人が何故不得手な部分ばかり力を注ぐのか?全くの非効率では?
好きなことは社会の役に立たなくて良い。好きなことがその人の自信に繋がるならそれも意味のあること。自身のある人って自身の存在を肯定できる人。そういう人は前向きに生きられる。(バックナンバーで伝えたが、根拠のない自信や過剰な自信というのはここでは含みません。)
ただし、好きなことをするための条件が一つある。時間もお金も自分で作る、もしくは自分の使える時間とお金の中で打ち込む。好きなことをするために他人に依存したり返せない借金をするのは本末転倒。
最後に『好きなこと=スマホゲーム(以下ゲームと省略)』と言う反応が多く返ってくるが、好きなことであるゲームをやり続けることに皆さんはどう感じますか?私には賛否両論あります。ここだけを掘り下げて話してもコラム数回分くらいになりそうなので結論的なところのみお伝えしますが、ほとんどの場合、何かから目を背けたい人がゲームに熱中しやすい、そう思いませんか?試験勉強中に急に大掃除したくなるとか、そんなのに非常に近い。本当に好きじゃなくて何かから逃げたい時に安易に飛びつける、それがゲームだったりする。
だから私は止めろとも続けろとも言いません。無理やりやめさせたって次の依存先に飛びつくだけだろうし、続ければ果てしなく時間と場合によっては課金による金銭を浪費して、その結果から学ぶのも悪くない。
因みに今年の私はスポーツも続けますが、ジャグリングと楽器に再度フォーカスして行こうと思っています。そのうちパフォーマンスしようかなと。
覚えていればご期待ください。今年もよろしく!
発達障害