精神障害者の私が障害者のOJT実習を担当することに〜配慮事項に関する経験談(前編)
仕事私自身、うつ病で精神障害者手帳を持っています。同じく実習担当していた会社の先輩でもあり、良き仕事仲間の同僚も発達障害で手帳を持っていました。企業実習に来られれる方は身体・知的・精神障害をお持ちの方で10代から50代までの方々の実習担当とし企業て約250名ほどの企業実習担当(OJT)をしていた時のお話をさせていただきます。障害といっても千差万別で一概にこうですよとは言えない難しさがあります。受け入れる側も人間ですから、公平に接しているつもりでも、実習生によってはやはり熱意の温度差が出てしまいます。目的意識がなく何となく来られる方、実習を通して就職結び付けたい思いで来られる方まで様々な方が来られました。
OJT担当とは何か
企業実習担当のOJTとは職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、修得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動です。これは、一般的な会社でのことをいうので、障害者における企業実習ではあまり当てはまるものではないかもしれません。
実習の来られる方は事前に会社に職場見学をしてもらい、会社の雰囲気・どういった特性や配慮事項を管理者が支援員と同席して話しを聞き、会社のルールなどを説明してから日数や時間の調整を行い、OJT担当が配慮事項(例…PCが苦手・口頭の説明だけでは理解しずらいなど)を共有して当日に備えて行います。基本的にOJT担当は2名で実習生は1人から3人まで担当しました。基本パターンは月曜日から金曜日まで1週間で9時から16時までが多かったです。その他実習生によっては午前のみや最短で1日という方や長くて2週間など様々なパターンがありました。実習生の最終目的は就職をするとこがゴールだと思っている方が多いです。しかし、就職したらゴールではなく、スタートラインに立ったという事を認識してもらえたら幸いです。
実習内容
実習生には気になる実習の内容ですが、私がいた職場ではデータ入力をメインにした事務作業を中心に体験してもらいました。朝、出社して9時から朝礼をし、終わり次第10分程度掃除をしてもらい、実習が始まります。途中から取り入れたことですが、毎日ワードで20分間同じ文章を入力してもらい、最終日まで入力してもらいました。その後OJTが文字の入力数・ミスの数・1分当たりの文字数を出して、毎日記録を取っていました。パソコンが苦手と言っても毎日同じ文章を打ち続けることで、記録は伸びる方がほとんどです。中には初日に比べて2倍以上の速さまで伸びた方もおられました。実習生によってパソコンのスキルにばらつきありましたので、データ入力レベルを1(簡単)〜5(難しい)段階まで設定していました。内容は実際に業務で使用したデータ入力(個人情報などは改変しています)で入力ルールもそのままで実務を体験してもらう事でした。工夫した点はデータ入力をする前に入力ルールや何が目的で入力目的などを明確にしたパワーポイントを作成し、一つ一つ確認しながら伝えて、実演などを交えて、理解するまで何度も質問に答えることが重要でした。説明書のパワーポイントを見返さない・重要なことをメモを取らないため何度も質問に来る人が多く、入力に入るまでに説明だけで1時間掛かる方や、同じミスを繰り返す方が多く、その都度間違えやすい所は先回って「ここは間違えやすいですよ」とは伝えても聞くだけで終わる方が多かったです。