パラリンピック・車いすフェンシング編~車いすフェンシングのルールは?
スポーツ2020年東京パラリンピックの競技種目である車いすフェンシングをご存知でしょうか?簡単ながら、ルールと競技の魅力を紹介させて頂きます。
車いすフェンシングとは?
車いすフェンシングとは、下半身に障害を持っている選手を対象とした、車いすに乗りながら行うフェンシングです。パラリンピックの車いすフェンシングは、基本的にオリンピックのフェンシングとあまり変わりません。大きく異なるのが、通常のフェンシングが立って行われますが、車いすフェンシングの試合は、コートに車いすを固定します。そのためフットワークが利用できない代わりに、上半身を巧みに使った戦い方が要求されます。また、一瞬の判断で勝敗の決する、非常に攻撃的な側面もあります。互いに剣が届く近距離での攻防は、一般のフェンシングにも負けない迫力があります。
車いすフェンシングのパラリンピックルール
車いすフェンシングの試合は、通常のフェンシングの試合と同じく、剣の種類や攻撃できる場所の違いによって、「フルーレ」「エペ」「サーブル」という3つの種目に分かれます。また、それぞれ個人戦と3対3の団体戦があります。ポイント判定は機械で行います。
「フルーレ」・・・柔らかく断面が四角い剣を使用します。相手の胴体(メタルジャケットを着用している部分)のみを突くことでポイントが入ります。単に突くだけではなく、剣先に500gの力が入ると、色ランプが点灯してポイントが入ります。有効面となる場所は、メタルジャケット着用の胸部、腹部、背部に加えて、マスクのノドです。
「エペ」・・・フルーレとは違って、上半身なら全て有効面です。相手より速く突けばポイントが入ります。電気審判器の中に1/25秒のタイム差がセットされていて、このタイム差以内 で両選手が「同時突き」をすると両選手の色ランプが点灯し、1ポイントずつ与えられます。下半身はメタルのスカートを装着し、突いても無効です。
「サーブル」・・・サーブルの剣は平たく刀のような形になっています。上記の競技と違って、「突く」だけでなく主に「斬る」という動作が入ります。いわゆる「みね」の部分も剣先 1/3が裏刃になっていて、その「刃」の部分で斬れば有効です。剣についた小さなセンサーが振動をとらえて、相手を斬ったかどうかを感知します。
個人戦の場合は、3分間の試合を3セット行い、先に15ポイント取った方が勝利となります。また3対3で戦う団体戦は、3分間5ポイント先取の勝負を9試合行い、45ポイントを先に取るか、試合終了時点でリードしているチームの勝利です。
世界が注目するベアトリーチェ・ヴィオ選手
最後に初出場のリオパラリンピックで見事、金メダルを獲得したイタリアのベアトリーチェ・ヴィオ選手を紹介させて頂きます。1997年にヴェニスに生まれた彼女は、5歳からフェンシングを始めました。しかし、11歳のときに髄膜炎を患い両手足をなくしてしまいます。それでも彼女は持ち前の明るさを武器にスポーツの世界に舞い戻ります。特注のカーボン製義手を身に付け、ついにはリオパラリンピックで金メダルを獲得したのです。彼女の父はこう語ります「欠けていることは、悪くない。皆同じではつまらない」「違うことは、美しい。それぞれ違って当たり前」と。
簡単な説明ですが少しでも、パラリンピックに興味を持って頂けたら幸いです。
【NPO法人日本車いすフェンシング協会】
https://jwfa.jimdo.com
【パラサボWEB車いすフェンシング】
https://www.parasapo.tokyo/topics/page/3
【Wakapedia ベアトリーチェ・ヴィオ】
http://www.wakapedia.it/ja/home
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