クローズ就労やってみる~“発達障がい”“うつ病”の私のケース
仕事出典:Photo by Danka & Peter on Unsplash
「オープン就労」「セミオープン就労」「クローズ就労」どれを選択するか悩んでいませんか?
私は今年、"広汎性発達障がい"と"うつ病"の診断を受けました。しかし現在、クローズ就労を考えています。ここでは、就労移行支援事業所に通所しながらクローズ就労を目指す一例として、私の経緯を書いていきます。
就労移行支援事業所に通所してみた
「就労移行支援事業所に通所する人は、オープン就労をする」というイメージが強いかもしれません。そこで、クローズ就労を考えている私の通所理由を紹介します。
私は学生のころのアルバイト経験しかないため、就労経験といえるものがはっきりとありません。アルバイトでは主にサービス職を転々としていました。
大学は休学と留年をしながら卒業しました。就活は卒業後から、なんとなくふんわりとしか知らない状態でのスタートです。しかし、新型コロナウイルス流行の影響で大きく変わった就活環境につかれ、数か月ほどでやめてしまいました。
その後、1年間ひきこもってから再度就活をはじめました。就活を再開して数か月たったころ、就活がいき詰まっていました。そうして精神面が徐々につらくなり、ハロワやエージェントにうまく頼れず、だんだんと連絡もとらないようになっていました。
「このままでは去年の二の舞だ」「なんとかせねば」と考えたとき、就労移行支援事業所の存在を思いだしました。その後、事業所の職員とクリニックにいき、診断を受けました。最終的に事業所に通所することにしました。その理由は以下のとおりです。
1人でやることへの限界
1人で「求人検索」「書類作成」「面接」とくりかえすことに限界を感じました。ハロワやエージェントを利用もうまくいきませんでした。他にも生活の不規則さなど、自己管理ができなかったのです。しかし自分だけではまったく改善できず、支援がほしいと思いました。
障がいに関する知識
障がい者の就労方法がいろいろあることを、通所を決める前の事業所の職員との面談ではじめて知り、知識がたりないことを痛感しました。
そこでまず、自分のことをもっと知りたいと思いました。また、他の利用者と話をして「障がいは人それぞれ」「身近にあるもの」という実感をえたかったです。さらに、どういった制度があるのかをまなんで、いざというときの自分の救済手段や、頼れる機関を知りたいと思ったのです。例えば、私は事業所にいってはじめて「自立支援医療」を知りました。
人と話す練習
緊急事態宣言がでてから、人と話せる機会が減りました。そのため、家族とハロワの人としか話す場面がなく、ただでさえコミュニケーションが不安なのに、面接や会社で会話がきちんと成立するのか、とても心配になり、いろんな人と話す機会を増やそうと思いました。また、自己肯定感が低いので、自分の意見をアウトプットして受けいれてもらう経験を積みたかったのです。
職場体験実習と定着支援
ブランクがあるため、就職してからやっていけるか不安がありました。なので、自分に自信をつけるためや、職業体験のために実習にいこうと思いました。また、クローズ就労の定着支援の場合は、会社側には介入できず、私への支援のみになりますが、それでも障がいに理解のある相談相手がいるのは、とても安心できます。
スキルの習得
デスクワークでつかう「Word」や「Excel」などのスキルをみにつけたいと思いました。
実際に通所してみて私はよかったです。例えば、私は感想や意見を人前でいうことに自信がもてず、それらしいことをいうのがクセになっていて、本音がいえなくて苦しい思いをしていました。でも、少しずつ本音のアウトプットに慣れきました。
そういうふうに、自分のペースで少しずつ前に進んでいる実感があります。もしあのまま1人で就活を続けていたら、またひきこもりに戻っていたと思います。今はおかげさまで精神的にも体調的にも安定していて、規則正しい生活をおくっています。
クローズ就労を選んでみた
事業所に通所する中で、今は自己理解がすすみ、自分の動かす方法がわかってきました。そうして、クローズ就労のデメリットも考慮したうえで、可能ではないかと判断しました。その理由は以下のとおりです。
自己対処と事前準備
私の場合、自己対処をすれば、合理的配慮の必要がないと判断しました。例えば「薬の服用」「車の運転なし」「障がいへの理解がある人とのつながり」は、私にとっては必須条件です。そのほかも十分な自己対処と事前準備があるなら、あとは私が適応しやすい環境をえらびさえすれば大丈夫そうだと思いました。
「ためしてみない」ことへの後悔
1度は一般雇用枠に挑戦しないと「あのときいってみればよかった」と後悔しそうだと感じています。失敗してもいいので、まずは目指したいです。
チャレンジしてみる
今は書類作成をしていて、これから面接を受けていこう、という段階です。実際に面接を受けて、また考え方がかわることもあるかもしれません。どこまで自己対処が通用するのか、などの不安点もあります。しかし、まずはチャレンジしてみようと思っています。
これらはほんの一例であってくらべる必要はありません。しかし、あなたの参考になれば幸いです。
うつ病 発達障害