再び働けるようになるまで~うつ病になったらどんな支援を受けられるのか
うつ病 仕事出典:Photo by Brooke Cagle on Unsplash
「うつ病です」
もしそう診断されたら、あなたはどうしますか?
休職するか、退職するか。退職した場合、いつ再就職するのか。そもそもできるのか、悩まれるのではないでしょうか。
筆者は不眠症が2週間続いたとき、いよいようつ病を覚悟し心療内科を受診。案の定「うつ病」という診断をうけました。
医者から休職を指示され休職。会社からは「いつ戻ってこれるの?」と毎日のようにメッセージがとんできました。医者に聞いても「今は焦らず休んでください」と。しかし筆者は一人暮らし、貯金もなければ親に頼ることもできない身でした。休みたくても、自分が先のことを考えて動かなければ、確実に人生が詰みます。
一体どうしたらいいのか。今回はうつ病と診断された筆者が、療養と再就職のために利用した支援について紹介していきたいと思います。
障害者手帳の取得
障害者手帳を取得するためには、初診日から6か月たたなければなりません。これが非常にネックでした。しかし6か月たったことで、障害者手帳の取得や自立支援医療という制度を利用することができるようになりました。
この制度により、医療費負担や交通費が減り金銭面の助けになりました。また、このころ生活的にも立て直すことができておらず、再び就職することが難しい状態でした。そこで医師の助言もあり、就労移行支援を中心に利用できるものを探しているうちに、自立訓練(生活訓練)の存在を知りました。
自立訓練(生活訓練)
精神的にいまだ考え方などで苦しめられていたこと、生活習慣が悪いこともあり立て直すことを考え、自立訓練(以下、生活訓練に統一)に申し込みました。
生活訓練では、認知行動療法プログラムや、人間関係についてグループワークを通じて訓練するプログラムなどがありました。その他、生活習慣を改善するためにどういった食事を取るのがいいかや、どういった運動を取り入れていくかなど、プログラムを通じてうつの再発防止をするために必要な取組みができました。
生活訓練をきっかけに、食生活を見直したことで1年かけて体重が4kg減りました。それだけ、食生活も荒れていたことに気づいたのです。
また、運動も不眠などが発生して以来しておらず、寝違えで首が動かなくなるということもありました。生活訓練にてストレス解消や、寝つきをよくするためのストレッチやヨガなどを学びました。
また、運動をすることで生活習慣がどのように変わるか、運動をしないことのリスクについても教わりました。やったほうがいいということはわかっていても、より詳しくプログラムを通して学ぶと、いかに必要なのかが理解でき、モチベーションアップに繋がりました。
計画相談支援
生活訓練の支援員から「計画相談支援」のことを聞き申し込みました。計画相談支援とは、生活の困りごとなどを相談したり、利用したい福祉支援について手続きを提供してくれる支援です。生活習慣を改善するための、生活訓練に集中することができました。
市町村の福祉課窓口で利用したいむねを告げて教えてもらうか、就労移行支援所等で紹介していただけることもあります。筆者の場合は、市町村の福祉課で紹介できる事業所がなく(予約が多く空きがないといわれた)生活訓練所の支援員が直接相談支援員へ連絡し、どうにか利用するにいたりました。
こういった支援があることを知らず、利用するまでに10か月ほど期間があいてしまいました。ただ、計画相談支援員の方も全てカバーできるわけではありません。自分自身で就労移行支援所を探したり、助成金については調べることも必要です。
就労継続支援B
その後、就労に向けた体力づくりをしたいという考えになり、計画相談支援員の助言もあって「就労継続支援B」に移行しました。2か所に通いましたが、どちらも特殊な作業内容で面白い経験がありました。
魚の飼育販売をするところ、eスポーツに力をいれているところ、内職に取り組むところや、お菓子の作成など事業所によって多岐に渡ります。
働くために人とコミュニケーションをはかりながら、1日労働の機会をもらって特訓ができるうえに工賃も発生します。
筆者は通っておりませんが、Bとつくとおり就労継続支援にはAもあります。こちらは雇用契約をしたうえで就労支援や訓練を受けられるもので、Bよりも工賃も高く、雇用契約ですので実際に仕事ができるものです。就労移行支援を利用したけれど就職できなかった場合や、フルタイム就労が難しいなどの事情がある場合に利用できるものだそうです。
就労移行支援
最終的に、就労に向けてより本格的に動き出したときに、就労のための支援がうけられる「就労移行支援」を受けたいと考え、就労継続支援Bから就労移行支援に移りました。
就労移行支援では、就労に向けたスキル獲得や企業実習の機会、キャリアコンサルタントのカウンセリングなどが受けられました。一般的な事務に必要なPCスキルや、会計・プログラミングを学ぶコースもあり事業所によって取り組める学習も多岐に渡ります。また、関連した企業への就職も紹介してもらえるため、再就職に向けて、特に障害者雇用での就職をしたい場合に非常に助けになります。
結局どれがよかったのか
様々な支援をうけましたが、筆者の場合は再就職が一番重要だったため、もっと早く就労移行支援に通うべきだったと今では思っています。
だいたい短くても半年は通うことで、離職を防ぐための支援をうけられるそうです。筆者の場合は休職からフルタイム就労を離れて2年がたつ、というネックがあったため急ぎ足でプログラムを受けることとなりました。
会社や病院から特に就労移行支援所の紹介がなければ、1人でなんとかしようとせずに計画相談支援を利用することをおすすめします。
うつ病のときは困りごとが多く、特に一人暮らしであれば助けが必要な場面もあると考えられます。計画相談支援はどういった支援が利用できるか助言してくれるので、右も左もわからない状態であれば助けになります。
目的によって就労移行支援や就労継続支援などの支援を利用し、再発防止や就労に向けた訓練をすることが、療養期間を短くすることに繋がります。参考になれば幸いです。
参考文献
【障害福祉サービスの内容 |厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/index.html
【厚生労働省 障害者の就労支援対策の状況 1障害者に対する就労支援】
https://www.mhlw.go.jp/index.html
【自立支援医療制度の概要 |厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/index.html
【就労移行支援とは? 仕組みや企業が利用可能な助成金についても解説 | 記事・トピックス一覧 | 法人のお客さま | PERSOL(パーソル)グループ】
https://www.persol-group.co.jp/
【相談支援 よくわかる相談支援~計画相談、地域移行支援、地域移行支援~ – ドコモ・プラスハーティの障がい者情報サイト ハーティサロン】
https://plushearty-salon.com/service-index/
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