HSPと、ともに。

HSP・HSCと発達障害の違い〜よく間違えられるけれど、どう違うの?〜HSPと、ともに。<vol.24>

発達障害 パニック障害・不安障害
HSPと、ともに。vol.24 <毎月1日連載>

HSP・HSCは発達障害とよく似ているし、そう思われることもあります。特に軽い自閉症と専門家にも間違えられることが多いようです。私は、HSP・HSCと発達障害を併発しているのでその違いを説明したいと思います。

私はHSP、学習障害(LD)、コミュニケーションが苦手な自閉症のグレーゾーンがあります。加えて少し落ち着きがないADHDの傾向もあります。物凄い感覚過敏があり、HSPと発達障害が似ているのもそのせいだと思われますが、明らかに違うポイントがあります。それは、HSP・HSCには共感力(エンパス)があり、他人の辛い感情を自分の事のように感じてしまい、自分まで苦しくなるところです。私がHSP・HSCで一番苦しんだのがこの共感力です。よく間違えられる自閉症は、人の気持ちが読みづらい、顔の表情や場の空気がわからないと言われています。自閉症の感覚には、敏感タイプと鈍感タイプがあります。

私も鈍感なところがあり、子どもの頃はあまり人に興味がなく、自分の興味のある人やものが偏っていて、人の感情や場の空気もあまり考えないところがありました。それなのにHSP・HSCの一番の特徴である、人の辛い感情を自分の事のように感じてしまい、いじめられている人や怒られている人を目の前で見たり、ショッキングなニュースを見て自分の事のように苦しくなっていました。その事は父も気づいていて心配していました。しかし普段はあまり人に興味がないので、特定の自分の好きな人やもの、動物など、自分の世界に閉じこもり気味でした。音、におい、刺激に敏感で、すぐにびっくりしたり、しんどくなったり、耳を塞いだり、逃げたりしていました。発達障害ではない定型発達の人たちと比べると、みんなは平気なのに、なんで自分だけ?と不思議に思う事もよくありました。

人付き合いでは、HSP・HSCは人と距離が近いのが苦手、相手の感情に敏感で疲れる、自閉症は、人との距離が近すぎるが、目を合わせない、相手の感情を読みにくい、と言われています。

私の場合は、人との距離が近いのが苦手で、離れていたいと思います。そんなに目を合わせるのも得意ではありません。ですが、好きな人、安心できる人は、距離がすごく近くなり、じっと見てしまいます。感情を読みたくて、顔を見ていたいからです。緊張して好きな人に近づけない場合もありますが、好きな人に依存するところもあります。興味のある対象に集中する特性であるからだと思います。犬を可愛がったり、母ともよく手をつないでいました。相手の感情の動きで不安にもなりやすいと思います。

私は子どもの頃、知的や言葉の遅れがなかったので、発達障害だと診断されずにきましたが、とても敏感な体質のため、やはりHSPが一番強い特性だと診断されています。

物を失くしたり、忘れ物をする事もほとんどありません。片付けも得意ですが、指定された席にじっと座るのが苦手など、落ち着きがないところがあります。知識と興味が偏っていたり、世間とずれているところもあると言われています。また、よく怖がったり、びっくりしやすいところもあります。

学生時代は、遅刻や欠席をしながらも学校へ通えていました。今の職場は福祉関係の仕事なので、病気や障害のある方と一緒に働き、支援者に囲まれているので、特に困る事はありません。苦手な事は配慮してもらっているので、とても恵まれていると思います。病気や障害のある方も、とても魅力的な方が多く、楽しんでいます。

定型発達の方と比べて、HSP・HSC、自閉症のどちらも物凄い情報量を処理したり、記憶したりして、疲れやすく、パニックになる事も多いですが、天才型が現れたり、得意分野で活躍される方が多くおられます。自分で苦手な事、得意な事など特性を詳しく知り、配慮があれば問題なく暮らせると思います。

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

川田 直美  障害者ドットコム株式会社スタッフ

HSP、ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD、LD(学習障害)があり、発達障害をコンプリート。パニック障害もあり、生きづらさも感じながらも、日々楽しくいこうと考えている。今まで、花屋、ケーキ屋、カフェ、デザイン企画、オリジナル雑貨制作などいろいろな仕事を経験。自然と犬と本が大好き。

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