これまでの人生、これからの人生~統合失調症になって

統合失調症 暮らし

出典:Photo by Maria Oswalt on Unsplash

みなさんは他人が羨ましく感じることはありますか?私はあります。「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったものですが、昔から他人と比べる癖があり、他人がとても幸せそうに見え、自分なんて……と惨めに思うことも多いです。最近は気をつけてそういう思考になったら「ダメだダメだ」と思って考えないようにしていますが、思考の癖は染み付いているのでなかなか大変です。

今回は、そんな私のこれまでの人生についてお話します。

楽しい思い出がほとんどない学生時代

私は、自分の人生に後悔していることが多いです。「後悔の無い人はいない」とよく言いますし、確かにそうかもしれません。でも、私は人生における大切な決断をする時に毎回間違った選択をする(と自分では感じている)ので、自分のことが嫌になります。もう正直、自分のことは嫌いですし、自己肯定感はかなり低いです。

昔から、ずっと人間関係に悩んできました。幼稚園の時も、周りからは何も考えていない、明るくて元気な子供と思われていましたが、実はずっと隠れていろいろと考えていました。今思えば、幼稚園児なんて何も考えずにいたらいいのに、そのころから病んでいたなと思います。

小学校に入ると1、2年生のころは楽しかったですが、3年生のころから人間関係に悩み始めました。母に相談していましたが、勇気が無くてアドバイス通りにできなかったです。そして小学4年生になる前に家の事情で引っ越しました。新しい学校で4年生になりましたが、4年生はとても楽しかったです。

しかし5年生になると、クラスのボス的な女子に目を付けられて、その子を中心としてクラスのほとんどからいじめられました。先生に相談しましたがほとんど何もしてくれませんでした。家族が言うには、このころから明らかに私は学校に行くのが辛そうだったそうです。

6年生は、グループが分裂したり揉めたりいろいろありましたが、クラス全員からいじめられることはありませんでした。しかし、この間もずっと"テンション高いキャラ"を演じながら「しんどさ」を誰にも言わず自分の中でいろいろ考えていました。

ついに不登校に

そして中学生になると、クラスで友達が1人もできませんでした。このころの私は、というかずっと前から、親戚の集まりの時も緊張して祖父母とも従妹とも全く話せないような子供で、それは学校でも同じだったのです。全く馴染めず、学校を1日休んだ次の日にクラスメイトから「昨日、あなたが休んだの誰も気付いてなかった。先生も気付いてなかったよ」と言われてしまいました。そして、2年生になると、いじめが始まりました。

やがて、不登校になりました。学校に行くのが怖くて教室に入るのが苦痛だったのです。3年生も不登校のままでしたが、味方である励ましてくれる友達はいたので、たまに学校にいきましたが、教室にいると動悸がしてきて具合が悪くなりました。そんな私の様子を見て、学校の先生から「このままでは心が壊れてしまう」と言われ、心療内科を受診することを勧められ、そこで「統合失調症」の診断を受けました。

診断を受けて

診断を受け、自分が病気であったと気付かされ、私は少し楽になりました。病気だったら、治ったら普通の人になれるかもしれないと思ったのです。またその時は、障害のつらい症状が強くあったので、自分を苦しめていたのは病気の症状でもあったのだと思いました。しかし、その病院は先生が合わず、お薬も合わなかったので、症状は良くなりませんでした。ただ通院して、人生に絶望した気持ちで帰る日々。その時は、絶望し過ぎて自分の今後の人生について考えられなかった気がします。

高校は通信制にいきました。そこは、私みたいに普通の学校にいられないような子ばかりでした。ほとんどが、全日制の高校にいっていたけど不登校になってしまった子や、馴染めなかった子です。なのですが、そこでも私はいじめまではいかないけれど意地悪をされたり、人間関係でトラブルを起こしてしまいました。クラスメイトに対する被害妄想が酷かったり、"自分はこうでないといけない"というこだわりが強かったりして、学校もたまに休むようになってしまいました。そしてその苦しみを家族にぶつけてしまっていました。

このころは、中学時代に診断を受けた心療内科は通っても意味が無いと家族が判断し、その代わりにカウンセリングに通っていました。お薬も合わなかったので飲んでいなかったです。

人との出会いで変わることもある

そんな中、ある時いつものカウンセラーさんではない、別のカウンセラーさんのSST(ソーシャルスキル・トレーニング)を受ける機会がありました。その人につらい気持ちを話すと、自然と涙が止まりませんでした。私が周囲に抱いていたのは怒りではなく悲しみだったと、その時に気付いたと思います。悲しくてつらいけど、どうしたらいいのか分からなかったのかな、と今となっては思います。

それからの私は、学校に休まずにいけるようになり、高校を卒業までほぼ皆勤賞で過ごせました。コースも変えましたし、その後も人間関係のトラブルはありましたが、周りからは「別人のように元気になった」「頑張ってる」とよく言ってもらえるようになりました。

なぜ、急にそんな風になれたのかというと、あのSSTをしてくださったカウンセラーさんの存在が大きいです。号泣したSSTから、私は以前より物事を色んな角度から見れるようになった気がします。現在も定期的に話を聞いてもらっているので、何かあってもカウンセリングで話せばいいやと思えるようになりました。ちなみに大学時代も人間関係でトラブルはありましたが、ほとんど休まず過ごせました。

しかし、そういう面ではよくなったものの、なぜ自分はどこにいってもこんなにトラブルが起こるのだろうと考えました。身近な人に聞くと「ほとんどの人が楽しい学生生活を送るのにどこにいってもトラブル続きなのは、自分に原因があると思わないのか」と聞かれました。私は「思う」と答え、知人に指摘されて原因が分かりました。

私が自己中心的で思いやりが無く、メンタルが不安定過ぎて、人との距離感がおかしいからです。

病気の症状ということも少しはあるかもしれませんが、病気のせいにしてはいけないと思っています。

おわりに

私は出会いが人を変えるなんて綺麗事だと思っていました。しかし、私は実際、今のカウンセラーさんに出会って変われた気がします。性格は自己中心的だったり思いやりに欠ける所など悪い所がたくさんあるので、いい人間になったとは言いません。しかし、周りからは「元気になった」「頑張ってる」などたくさん言ってもらえるようになりました。なので、やはり出会いは大切にした方がいいと思います。

絶望している人も、人との出会いによって希望を持てるようになるかもしれません。諦めないでください。私も人生に絶望していた1人です。

私はこれから、人と比べてしまったり、自分のことばかりで人に対してあまり思いやれない、自分の性格を矯正していって、幸せになりたいと思っています。

チャチャ

チャチャ

子供の頃から生きづらさを感じ、学生時代に統合失調症を発症した20代女性。
音楽鑑賞と食べることが趣味です。
現在は就労移行支援事業所に通いながら就職を目指しています。

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