就職時における障害の公表について

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UnsplashPatrick Tomassoが撮影した写真


みなさんは就活のとき、面接を受け履歴書を書いた経験はありますか。

ご自身の学歴や職歴、資格の有無、得手不得手を詳細に記載して提出するよう指示されたと思われます。

その際に障害を持っている方々が恐らく直面するであろう出来事があります。「就職する会社に自分の障害を公表するか、否か」という話です。

このことは一概にどちらが良いと言い切れず、本当に迷うと思われます。

障害を持っている方々にとって、ある意味永遠の課題と言える話ではないでしょうか。

今回はこの課題について、自分が就業していた観光ホテルにおいて、自らの障害を公表した上で就業したAさんと、診断を受けておらず健常者と同じ扱いで就業したBさんの話をさせていただきます。

ケース1:障害を公表して就職したAさん

Aさんの方は、就業開始日に事情を説明出来る担当者とともに来社して、関わることになるであろう該当部署に、就業条件と対処方法を細かく説明しました。

就業条件は下記の通りです。

1:指示者は1人のみ。該当者の対応可能範囲に限りがあり、与えたルーティーン業務以外で突発的に発生した業務があったとしても絶対にやらせない。(Aさんは臨機応変に対応出来ないので、話を聞かされても混乱するだけになるため)

2:Aさんが複数の人に関わると混乱を来たすので、指示者以外とは基本的に話をしない。こちらから極力話しかけない。ただし、Aさんから話しかけられた場合を除き、手短に会話を済ませる。


就業当時、Aさんから台車の保管場所について尋ねられたことがあり、会話を短く切り上げるなどにパッと思い出した場所をいったん教え、会話を終えました。

しかし、会話終了直後に台車の保管場所が複数あることを思い出し、Aさんも覚えていたら便利だろうと「実は先程説明した場所以外にも保管場所が複数ある」と伝えたところ、Aさんのキャパシティを越えた情報量だったらしく、唸る様な小さい声を発しながら頭を抱えその場にしゃがみ込み、仕事の出来る状態ではなくなり帰宅してしまいました。

こちらは親切心で教えたつもりでしたけど、障害を持つ方々には体調を崩すくらい負担になる場合があるということを初めて知り、相手を見極めて会話する必要性を痛感しました。 

ケース2:障害を公表せず、健常者と同じ扱いで就業したBさん

Bさんはホテル内ほとんどの部署で勤務経験があり、帰国子女で英語が堪能で会話に不自由していなかったこともあり、健常者と同じ扱いで様々な部署に駆り出され就業していました。

しかし、Bさんは健常者と同じ扱いで就業していましたが、日頃から障害者の特性と思われる言動が頻繫に見受けられました。(多動性、どもり、ルーティーン業務のみこなすことをを強く好む、Bさんの思う通りにしか動きたがらないこだわりの強さと頑固さ、良くも悪くも周りを気にせず協調性に欠けるなど)

時折明らかにBさんのキャパシティを越える業務量を与えられ右往左往している姿を見かけましたが、いちパート従業員でしかなかった私には対処のしようがなく、直属の上司にBさんの困っている様子を伝えることしか出来ませんでした。

公表したAさんと公表しなかったBさんの比較

公表したAさん  公表しなかったBさん

 配慮 一部あり     配慮なし

 負担 対人関係は軽減  ほぼなし

 評価 限定的業務    能力と評価は不一致

受け入れ側の問題

障害を公表したAさんと公表しなかったBさん2人に共通していたことは、ホテル側が満足のいく配慮に欠けていたように感じました。

Aさんは障害者であることを事前に説明され、対処方法を聞かされある程度把握してはいました。しかし、恐らく観光ホテルの接客業という特殊な環境下で配慮しつつ就業させること自体が初めての試みで、現場で発生した事案を対応マニュアルの下敷きとして残すくらいしかできなかったかも知れません。

Bさんは就業後の言動から徐々に障害者である可能性が判明したため、健常者と同じ対応にせざるをえなかったのではないかと推察できます。

以上の話を踏まえて、受け入れる側の配慮が不足していた場合、障害の有無に関係なく不当な扱いを受ける可能性が高いです。

過去に障害者雇用経験の有無で配慮の仕方に差の出やすいことではありますが、それでも就業継続する中で改善点や、妥協点を見出し対応できる気がします。

障害を抱えながら就業する辛さは本人にしか分かりませんが、困ったときに周囲の理解があったり、協力は可能な限り惜しまない環境が整っていると把握出来るだけでも心は大分楽になり、緊張から解き放たれ心労の軽減に繋がり、雇用期間の延長に発展すると思います。

まとめ

2019年以降、障害者の方が4人国会議員に当選して活躍されていますが、健常者と同じ土俵に立てているとはいいがたい少なさです。

障害者について万人に理解をえて機能するまで時間はかかります。

それでも、遠い将来に障害を持っていても無理のない範囲でポジティブな気持ちでいられて、たとえ公表したとしても数多ある性格のひとつでしょ?といわれるくらい、周知された位置付けになれている世の中であって欲しいと切に願っています。


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青龍

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アニメと漫画を糧に生きる限界世代。
座右の銘は「推しは推せる内に推せ」

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