奈良・天理市の就労継続支援B型「デジサポ」〜AI×IT×就労支援で広がる新たな可能性
暮らし

AIと就労支援は好相性
──AI中心の支援に取り組もうと思ったきっかけは何ですか?
「AIが台頭し始めた時、その進化の速さに驚くと同時に、活用次第でさまざまな仕事が形になりそうだという強い印象を抱きました。私自身、元々WebデザインやECサイトの仕事をしていたこともあり、就労支援とITは相性が良い。そこにAIが加われば、利用者の方々の可能性がさらに広がり、将来性も増すのではないかと考えたからです」
──IT業界から、どのような経緯で就労支援に結びついたのでしょうか。
「娘が低体重児の早産で生まれ、将来的に障害を持つかもしれないと医師に告げられた時、真っ先に考えたのが『彼女の将来の仕事』でした。ネットショップの運営は、発送業務など日々のルーチンワークも多く、特性との相性が良いのではないかと。そうした思いから事業をスタートし、現在は他社ショップの運営サポートを中心に業務を行っています」
まずは「成功体験」を積むことから
──PCやAIの初心者でも大丈夫ですか?
「はい、無理なく取り組める簡単な業務から始めていただきます。例えばデザイン経験のない方であれば、文字起こしや商品撮影から。スマホでの撮影経験がない方でも、AIと対話しながら販売文句を生成し、『売れる』という成功体験を積むことから始めます。これまでは有識者に聞かなければ分からなかったことも、今はAIに頼りながら自分で解決できる時代へと転換しつつあります」
──ECサイト関連以外には、どのような作業がありますか?
「お米屋さんのショップ運営をサポートしており、パッケージの名入れデータ作成やSEO対策などの委託業務を行っています。これらはまだスタッフ中心ですが、徐々に利用者の方の作業へと繋げていく予定です。他にもAIを使った文字起こしで操作に慣れてもらったり、ものづくりの一環としてシルクスクリーンに取り組んだりもしています。スタッフには元デザイナーやシステムエンジニアが多いので、専門性を活かした受注が多いのも特徴ですね」

落ち着いた環境に集まる若年層
──どのような障害種や年代の方が利用されていますか?
「精神障害や身体障害のある方が多く、年代は20代から50代まで幅広いですが、中心は30代です。比較的、若年層の方が多い印象ですね」
──作業室はとても静かで、集中しやすそうな雰囲気ですね。
「実際の作業時間も、皆さん黙々と取り組まれているので非常に静かです。作業スペースにはパーテーションの仕切りがあるので、周囲を気にせず落ち着ける環境だと思います。在宅利用についても対応していますが、完全に在宅というよりは、週に数回通所しながら併用されている方がほとんどです」
──食事や生活面での支援はいかがでしょうか。
「湯煎して盛り付けるタイプの温かい昼食を無料で提供しています。生活支援の面では、天理市内の部会などにも積極的に参加しています。市内のB型事業所の経営者は若い世代が多く、新参者の私も温かく迎え入れていただき、日々仲良く情報交換をさせてもらっています」
──昨年9月の開所から、現在はどれくらいの方が利用されていますか?
「現在は8名が通所、3名の方が体験利用中です。利用開始までの手続きに時間を要するケースもあり、その間にご本人のモチベーションが途切れてしまわないようサポートしていくことが今後の課題ですね」
AIの可能性は、次へのステップになる
──一般就労への支援についてはどのようにお考えですか?
「ご縁のある企業様がいくつかあり、提携という形ではありませんが、障害者雇用に関するアドバイスや橋渡しを行っているところです」
──あらためて、スタッフ構成について教えてください。
「私のようなIT分野の出身者だけでなく、デザイナーやシステムエンジニアが在籍しています。サービス管理責任者は私の妻が務めており、小学校の支援学級での教員経験を活かし、福祉・支援の面で中心的な役割を担っています」
──最後に、メッセージをお願いします。
「AIの必要性を感じている方、パソコンを使って仕事をしてみたい方は、ぜひ一度相談してください。開所して間もなく、私たちも手探りで進めている部分はありますが、だからこそ色々な方と一緒に歩んでいきたいと思っています。AIの活用は無限大です。就労意欲があれば必ずステップアップに繋がりますので、この輪がもっと広がっていってほしいです」
デジサポ公式サイト
https://digi-sapo.com
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