【賛否両論】障害者就労支援施設での「利用者同士のSNS交換禁止」は支援か、それとも管理か?
暮らし
障害者就労支援施設において、利用者同士のLINEなど「SNS・連絡先の交換」を禁止するルールについて、ネット上で大きな議論が巻き起こっています。
発端となったのは、当社代表によるX(旧Twitter)への以下のような問題提起でした。
当社代表の投稿(要約)
「施設の『LINE交換禁止ルール』について、気持ちは分かりますが、そもそも事業所が禁じる法的根拠はありません。通信の自由は憲法で保障されており、障害者権利条約でも表現・情報アクセスの自由が明記されています。
『トラブルが起きるから』というのは支援側の都合であり、利用者の権利制限の根拠にはなりません。支援と管理を履き違えてはいけないと思います」
X(旧Twitter)で噴出した賛否の声
この投稿に対し、支援者や利用者の双方から多くの意見が寄せられました。
❌ LINE交換禁止に「反対」の意見(権利尊重・経験重視)
- 「『ここが皆さんの楽しい居場所であるように』と言いながら連絡先の交換を禁止するのは矛盾している。支援と言いつつ管理しているだけではないか」
- 「利用者の中には人間関係の経験が希薄な人もいる。トラブルも経験の一つであり、問題が起きたときに『じゃあどうする?』と考えるところから、本来の支援が始まるのではないか」
⭕️ LINE交換禁止に「賛成」の意見(トラブル防止・現場の実情)
- 【生活や金銭のトラブル】
「利用者同士で夜中まで通話して寝不足になり、共倒れになるケースがある。また、金銭の貸し借りで『言った・言わない』のトラブルになりやすく、実際にお金を持ち逃げされた事例も知っている - 【いじめやストーカーへの懸念】
「支援は魔法ではないので、全てを解決できるわけではない。過去にLINEいじめやストーカー事案が発生したため、苦肉の策として禁止の建前に移行した」 - 【当事者の安心感】
「自分も利用者だが、不要なトラブルに遭いたくないし、連絡先を聞かれたときに『施設で禁止されているから』と断る口実になるため、禁止されている方が安心する」
「禁止」を支援の代わりにしてはいけない
こうした数多くの反響を受け、当社代表はさらに持論を展開しました。
当事者からは「断る口実として助かっている」、支援者からは「人手不足でトラブルに対応しきれない」といったリアルな声が寄せられました。そこから見えてきたのは、「禁止ルール」が「支援の代わり」になってしまっているという事実です。
本来やるべき支援とは、以下のようなアプローチであるはずです。
- 断れない人には、自ら「断る力」を育てる支援
- トラブルを起こす人には、根本的な課題への個別対応
- 安全の確保は、「ハラスメント禁止」などのルールで守る
- これらを実現するために、現場の人員を増やす
全員の自由を一律で制限して「守っています」とするのは、支援ではなく単なる「管理」です。
しかし、現場の支援者が悪いわけではありません。人手不足などの要因から、「禁止を選ばざるを得ない構造」になっていることこそが最大の課題なのです。禁止の是非を問うだけでなく、なぜ禁止しか選べない環境になっているのかを、私たちは社会全体で考える必要があります。

💡 記事のまとめ
- 論点:就労支援施設での「利用者同士のSNS(LINE等)交換禁止」は、法的根拠がなく利用者の権利を制限する「管理」ではないかという問題提起。
- 反対派の意見:過度な管理への懸念や、「人間関係のトラブルを経験し、そこから学ぶことも支援の一環」という声。
- 賛成派の意見:生活リズムの乱れ、金銭トラブル、いじめやストーカーを未然に防ぐため。また、当事者にとっても「断る口実」になるという声。
- 結論:一律の「禁止」は支援ではなく管理。しかし問題の本質は現場の支援者ではなく、人員不足などにより「禁止ルールを支援の代わりにするしかない構造」にある。今後は、利用者が「断る力」を身につけるための支援や、個別対応ができる余裕のある人員配置など、根本的な構造改革が求められている。
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