片耳難聴の不便なこと~障害者手帳の基準に満たないのはなぜ
身体障害出典:Photo by Mark Paton on Unsplash
私は右耳が全く聞こえません。小学生のころに聞こえないことが発覚し、原因ははっきりはわかりませんが、おそらくおたふく風邪の後遺症だと病院でいわれました。
私のように片耳が聞こえない、もしくは聞こえづらい片耳難聴者はたくさんいると思います。そして「片耳難聴」のため日常生活において苦労している方がほとんどだと思います。
しかし、片耳難聴では身体障害者にはあたらないのです。その理由と、片耳難聴者が普段困っていること、周りの方に配慮してほしいことなどをここで書いていきたいと思います。
片耳難聴者は身体障害者にはあたらない
片耳難聴者が身体障害者手帳の交付がされないことには、もちろん基準が定められているからです。
日本では、両耳の聴力レベル70dB以上、または片耳の聴力レベルが90dB以上かつ、もう片耳の聴力レベルが50dB以上でないと障害者認定をうけることができません。
つまり、片耳だけが難聴でも、もう片耳が健全に聞こえていれば身体障害者にはならないのです。
それゆえ、両耳が普通に聞こえる人と同等の扱いを受けて生活していかなければならないのです。
片耳が聞こえないと不便なこと
私は学生時代、はじめてのバイト先で片耳が聞こえないことを伝えると「周りの人に配慮させなければならないため、仕事が遅れる」という理由でクビになったことがあります。
こういったように、普通に聞こえる人とは違って厄介に扱われることもあるのです。もちろん、今の時代、このような理由でクビになどしてはいけないとされていますが、こういうことがあるのも事実なのです。
他には、聞こえない方から話しかけられても気づかず「無視された」と思われ、他人から知らないうちに嫌われてしまったことがあります。
大人数の騒がしい場所では、誰が何をいっているのかほとんどわからないので、聞こえているふりをすることも多くあります。
また、遠くから名前を呼ばれたりしても、どこから呼ばれてるのかわからなくてキョロキョロと探して時間がかかったりもします。
こういったことがあった時、周りに配慮してほしいことがたくさんあります。
配慮してほしいこと
聞こえない方から話す時は肩をたたいて知らせてくれれば、こちらは聞こえる方の耳を傾けて聞きとることができます。
また、大人数でいるときは居場所を聞こえる方の耳を向けれる位置にいれるようにしてほしいです。
そして遠くから声をかけるときは、なにかジェスチャーをしてくれるとすぐに気づくことができます。
片耳難聴者にとって、このほんのささいな手助けが本当にありがたく感じるのです。
これまでの私の経験
私は今まで周りの人に本当にたくさん支えてもらっていました。
仲のいい友人は、いつも何も言わなくても聞こえる方にいるようにしてくれました。
2つ目のバイト先では接客業で、インカムを付けなければいけなかったのですが、片耳がふさがっているとなにも聞こえなくなってしまうため、インカムを付けずに、伝えないといけないことがあれば電話の内線で知らせるようにしてくれたり、周りのインカムを付けているバイトの同僚が教えてくれたりしていました。
社会人になっても、会社では聞こえる方に座席を変えてもらい、いつもなるべく大きな声で話かけてもらうようにしていました。そのおかげで、そこまでの不自由さは感じずに生活できていました。
今でもこれまで関わってくれた周りの方にはとても感謝しています。
もし、あなたの周りに片耳難聴者がいたら、理解をして配慮してあげてください。
それが、大きな助けになります。
参考文献
【理解されづらい「片耳難聴」 国内30万人以上 - 京都新聞】
https://www.kyoto-np.co.jp/
【きこいろ - 片耳難聴の情報・コミュニティサイト】
https://kikoiro.com//
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