みなさんは「てんかん」という病気についてご存知ですか？よく知っている、名前だけなら聞いたことがある、だったり、全く知らない人も多数いるのではないかと思います。名前だけならどんな病気かはわかりませんよね。漢字では「癲癇」と書きます。この漢字ように、実に複雑な病気なのです。

てんかんとは

てんかんとは脳の神経から起こる病気です。症状としては、けいれんや手足の瞬間的な震え、さらには意識を失うなど、様々あります。人によっては軽症であったり、逆に命が危険に晒されることもあります。他にも、自律神経の異常や、視覚・聴覚にも影響がおよびます。

私の場合、手のけいれんが繰り返し起こることは日常茶飯事で、主に寝不足やストレスによって引き起こされます。これを「小発作」と呼んでいます。しかし、服薬を欠かさず健康状態が完璧でも発作が起こることもしばしばです。酷いときは突然意識を失い、倒れたまま全身が硬直します。これは「大発作」と呼んでいます。

実体験（小発作編）

私が中学2年生だったときの話。朝ごはんを食べようとお茶碗を手に取ったとき、一瞬手が震えお茶碗を割ってしまいました。最初は「寝ぼけていたんだ」「気が緩んでいたんだ」と、そう思っていました。

しかし、その震えは何日も、何度も繰り返され、最終的には学校のテスト中にペンを飛ばしてしまい教師に注意されました。私は違和感を覚えました。なぜなら手の震えの最中、意識がなかったからです。気づいたら物が落ちていた、そんな感じです。そのことを何度も親に伝えて、総合病院に連れていってもらい、脳波の検査を受けました。

その結果「若年性ミオクロニーてんかん」と診断され、初めててんかんを知りました。薬を処方してもらったため、ある程度発作は治まりました。

実体験（大発作編）

中学3年生のある日の朝、学校にいく8時前。ドライヤーをしている最中のことでした。気がついたらリビングのソファーに寝転んでいました。時刻は8時5分。びっくりして起き上がると吐き気、頭痛が襲い、口からは出血が。両親が声をあげ驚いた様子で私を見つめていました。どうやら数分倒れていたようで、口を食いしばって舌を噛み、硬直しながら暴れていたそうです。

以上が発症したきっかけのエピソードです。平凡な日常から大きな歪が生まれた"あの日"のことを今でも鮮明に覚えています。

なぜ"知っておいてほしい"のか

結論からいうと、他人事ではないからです。あなただけではなく、家族や友人、いつ誰が発症してもおかしくないのです。もし、大切な人が倒れてしまったとき、対処法がわからず下手に行動を起こしてしまうと死にかねません。

これは目撃談になりますが、高校の模擬試験を受けていた際、試験官の方が頭から倒れ、泡を吹いて白目で意識を失っていた場面に遭遇しました。教室内がざわつき、私は助けなきゃと思いながらも、どうすればいいかわからず立ち上がることもできませんでした。しかし数秒ほどで意識が戻り、試験官の方は何もなかったかのようにテスト用紙を配り始めました。

後から考えると、てんかんの発作だったのではないかと私は思っています。私も多分あのように倒れていたんだと思うと、とても他人事ではないように感じました。

実際の周りの対処法

一番大切なのは、とにかく焦らないこと。

死んでしまったのではないかと思う人もいると思います。しかし、心臓マッサージをすると、肋骨が折れて肺に刺さる可能性があります。舌を噛んでいるからとタオルを口に詰め込んでしまうと、窒息死する可能性があります。

・階段や道路等、危険な場所で倒れた場合は安全な場所に移動させる。
・周囲の危険物を除いて、体の打撲を防ぎ横にする。
・呼吸しやすいように服のボタンを外し、ベルトを緩める。

これが、一般的な対処法です

最後に

理解しようにも難しく複雑な「てんかん」という病気。

今まで何十回と説明してきましたが、なかなか伝わらないのが現実です。話せば話すほど相手は嫌な顔をします。でも内緒にしておくととても危険です。迷惑がかかってしまうので、絶対に話さなければならないのです。わかっていながらも自分でもうんざりしています。

昔、アルバイトをしたくて、色んな職種に応募しましたが、面接の時点で門前払いされます。今は事務仕事を希望していますが、一般就労は難しいと知りショックだったことを覚えています。

この記事を知って、1人でも多くの方に知っていただけて、少しでも理解していただけると幸いです。

参考文献

【発作時の対処法 - てんかんInfo】
https://www.tenkan.info/