精神障害を理解してもらうには、自分から打ち明けることが近道だと気付いた話
暮らし出典:Photo by Artem Kovalev on Unsplash
母に精神障害を理解されなかった苦しさ、打ち明けられない日々。そんな毎日にようやく終止符を打つことができました。
きっかけは親子喧嘩
わたしは母とふたり暮らしです。母はもうすぐ80歳になろうとしている高齢者です。
からだにもガタがきており、頚椎の手術などをへて手足がうまく動かなかったりすることが多くなり、介助をしながらの生活です。
兄と姉はそれぞれの家庭を築き、もう家を離れているのでわたしと協力しながら家事をしています。
母はわたしが精神障害者手帳を持っていることは知っていますが、病気の詳しいことなどは話していません。
母から聞かれることもなく、自分を表現することが苦手なわたしは自分ひとりで抱えていました。
そんな日常の中でとある喧嘩が起きてしまいました。
争いは些細なことから
わたしは睡眠障害を抱えており、毎日睡眠薬を服用しても4時間ほどしか寝ることができません。
たまに日中に眠気が襲うことがあり、その日もコラムの作業が終わったあと仮眠していました。
わたしが仮眠している間に母が手伝ってほしい家事があったようですが、ぐっすりと寝入ってしまっていたので気づくことができませんでした。
そして、その後洗い物を手伝っているときに母がいいました。
「お母さんはこんなにしんどいのに、あなたは寝てばかりで何もしてくれない」
この言葉を聞いて、わたしは深く悲しみ、同時に怒りを覚えました。
自分だって苦しんでいるけれど、自分なりに協力してきたつもりでした。ですがそれが理解されなかったこと、感謝されなかったことが悲しかったのです。
また、きょうだいはたまに遊びにきてもおいしい食事をして楽しそうに帰っていくだけで、特に家事をしてくれるわけではありません。
そうして溜まったストレスが爆発してしまいました。
わたしは悲しみと怒りから母に強く当たりました。
「わたしも障害があって戦っているのに理解されないのは苦しいです。なのでもう二度と笑いません。母の言うことには二度と逆らわないし、家事はすべてします」
端的にいうとこのような文面をLINEで送信しました。
翌日になって返信がありましたが、母はとても悲しんでいたようでした。
本当の自分を打ち明けること
わたしとしても一時の感情で言い過ぎたと思ったことや、今まで我慢してばかりで本当の自分を隠し続けてきたことを反省し、母としっかり話し合うことにしました。
そして自分の病気のこと、少しASDの傾向があることなどを話しました。
今までの人生で一番長く、母に自分のことを話したと思います。
そして最後にいいました。
「わたしは本当は普通の家族のように笑いあって過ごしたい。お互いに苦しいけど、母が死ぬまでは頑張りたい」
母は優しくうなずき、無事に親子喧嘩は終息を迎えました。
見えた、光の道
この親子喧嘩をへて、様々な変化が訪れました。
母の前で笑うことが恥ずかしくなくなったこと。
つらいときは前もって「ちょっと心が安定しないから手伝いは後回しにしてほしい」などと伝えることができるようになったこと。
ASDの傾向から突然スケジュールが変更になることがとても苦手なので、手伝いの予定を事前に教えてくれるようになったこと。
他にも細かいことはたくさんありますが、今回の件で我が家は大きく成長した気がします。
一番身近な存在に自分を隠し続けてきたことが苦しかったですが、統合失調症や双極性障害、パニック障害と戦ってきた15年間。少し光が見えた気がします。
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