障害を受け入れる~これからの人生を素敵なものにするために

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出典:Photo by Sir.Simo on Unsplash

10数年前に職場でのトラブルから心の病に悩まされるようになりましたが、なかなか自分の障害を受け入れることができませんでした。その私を変えてくれたのが家族や就労移行支援事業所職員の方々でした。

体調不良を起こしたきっかけ

私は10年ほど前にPTSDと診断されました。その経緯は次のようなものです。

私は国に仕える仕事で毎日忙しくも充実していた毎日を過ごしていましたが、直近の上司や同僚からは私に対する妬みがありました。例えば、私が作った報告資料を勝手に持ち出して、自分の手柄にするなどの卑劣な行為が続きました。

それに対して私は当然ながら当事者に抗議しましたが、謝罪など全くなく、開き直る始末でしたが、それでも私は抗議し続けました。すると、ついには誰もいない薄暗い部屋に連れて行かれ「これ以上抗議を続けていると痛い目に遭うことになるぞ」と、ナイフをちらつかせながら脅されました。

流石の私も我慢できず、さらに上の上司に相談したところ、その上司も「これは公になると大変なことになるから、ここだけの話にしておく」とのことで、揉み消されてしまい、結局私は我慢させられました。

それから私は人間不信に陥り誰も信用することができなくなり、体調を崩して休職にまで追い込まれてしまいました。

その後も何とか復職するのですが、やはり心の傷は癒えることなく数年後に再び休職することとなり、数年後、一身上の都合という理由をつけて、30数年勤務した組織を退職しました。

自分自身の体の変化

体調を崩してから様々な変化が自分に起こりました。

いつもならすらすらと書ける文字が、緊張して手が震えて書き辛くなる。
人前で話すことが平気だったのに体が震えてくる。
胸が苦しくてたまらない。
この先の人生が不安でたまらない。

これらは、今までの私とは全く違った自分でした。

クリニックでのカウンセリング

前職の組織には病院がありましたので、2週間に1回のペースで通い主治医からアドバイスなどを受けてはいたものの、今までバリバリ仕事してきたプライドがあったのか、「自分は病気なんかではない!」と素直に受容することができなかったため、なかなか症状が緩和されず、我慢しながら勤務を続けていました。

退職して大阪の実家に戻り、新しいクリニックに通うようになってからは、このままではだめだと感じ、カウンセリングをPTSD(心的外傷後ストレス障害)に特化したEMDR(眼球運動による脱感作と再処理)療法に変えました。

この特殊療法を継続的に行うにつれ、やはり以前の自分とは何かが違うのかな、という漠然とした感覚を覚えるようになり、次第に、私が受けたショッキングな当時の出来事について、今までなら思い出しただけで苦しくなっていたものが、今では苦しくなることもなく、普通に当時のお話をすることができるまでに安定してきています。

就労移行支援事業所との出会い

退職して東京から大阪の実家に戻り、新しいクリニックに通うことになったきっかけで、就労移行支援事業所に通い始めました。

ところが、ここでもやはりプライドが邪魔してしまい「こんな筈ではなかった」「自分が通う所ではない」「カリキュラム内容は、今までの経験で全て知っているから必要ない」など、そんな苛立ちや拒否感を感じながらの尖った毎日でした。

それでも事業所の職員の方々はずっと私に寄り添って、幸せな人生を送れるよう、私を支え続けてくれました。

その職員の方々の献身的なご支援のおかげで、私は自分の障害について自覚するようになりました。

家族の支え

就労移行支援事業所の職員の方々と同様、仕事にも行けなくなってしまった私を心から支えてくれたのは家族でした。

当初、家族は戸惑ったに違いありません。身近にそのような人はいなかったので、どのように対応すればよいか、どのように声掛けをすればよいか、非常に悩んだと思います。

悩みながらも、家族は決して今までとは全く違う私に拒否反応を起こすこともなく、私に寄り添ってくれました。

誰に相談すればよいのか、例え相談したとしても、そのアドバイスが必ずしも正解であるとは限らない状態で、家族は試行錯誤しながら私をずっと支えてくれていました。

いま思えば、私よりずっと辛かったと思います。

私を見捨てることなく、心の支えになってくれた家族は、私にとって一生の宝物です。

この10数年間、病と共に生きてきた私が、自分の障害を受け入れられるようになったのは、以下のような考えを持つようになったからです。

障害を持ったからといって恥じることではない。 誰もが急に心の病になる可能性はあるのだから、特別なことではない。 自分は独りではない。支えてくれている人がいる。その方々への感謝の気持ちを忘れない。

今の自分を素直にそのまま受け入れ、自分に関わる方々に感謝して生きていくというのが、本当に大切なことだと思います。

そうすれば、全ての人に優しい素敵な人生を送ることができるでしょう。

どんがめライダー

どんがめライダー

33年間に及ぶ東京生活のため東京人化してしまった大阪人。
ただ今、大阪人に戻るため奮闘中。
ヨークシャーテリア3匹とポメラニアン1匹との生活で
我が家での人との割合が4:3

パニック障害・不安障害

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